クレジットカード決済とは? 導入メリットから費用・気をつけるポイントを解説

ECのミカタ編集部

ECサイト運営を成功させるには、ユーザーのニーズに応え続ける必要があります。海外諸国ではキャッシュレス決済が進んでますが、国内でも徐々に浸透しつつあります。今回は、ECサイト利用者のほとんどが所持していると言っても過言ではない、クレジットカードを利用した決済方法の「クレジットカード決済」について詳しく解説します。「クレジットカード決済」をうまく活用し、売上アップや販売規模の拡大を狙いましょう。

クレジットカード決済とは

クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用したキャッシュレスの決済方法です。
EC運営企業はクレジットカード会社と加盟店契約をすることで、ECサイトでクレジットカード決済が利用できるようになります。

カード情報を入力すると企業はカード会社に支払い請求をします。その後カード会社は購入者の代わりに料金を支払うので、瞬時に取引が成立します。購入者は後日利用した料金を一括払い、分割払い、など支払いのタイミングをコントロールし、カード会社に支払います。

後に解説する決済代行会社を経由した場合、EC運営企業はカード会社へではなく代行会社に請求情報を渡し、決済代行会社がカード会社に請求します。

クレジットカード決済を導入するべき理由


では、なぜクレジットカード決済をECサイトに導入する必要があるのでしょうか?

利用率No. 1


総務省が2020年に発表した「インターネットを使って商品を購入する際の決済手段の推移」によると、クレジットカード決済は全体の75%で、最も利用されている身近な決済方法であることがわかりました。

また、一般社団法人クレジットカード協会が2020年に発表した日本のクレジット統計の「クレジットカードショッピング信用供与額の推移」によると、2020年は744,576億円です。クレジットカードを利用した消費額は、毎年増加していることがわかります。

ネットショッピングでの利用だけでなく、生活支出もクレジットカードを利用しているので、今後もクレジットカードの利用額が増加することが予想できます。生活の中で欠かせない決済手段となったクレジットカード決済を、ECサイトに導入しない理由は他にないでしょう。

管理コスト低減


金銭のやり取りはカード会社と行うので、企業は現金を直接管理することはありません。よって、数え間違いやお釣りの渡し忘れ等の売上管理の負担を減らすことが期待できます。商品購入時にカード会社から料金の支払いがあるので、商品代金未払いのリスクも回避することができます。

販売機会増加


クレジットカード決済は、決済方法選択時にユーザーの手元にお金がなくても商品を購入することができます。いつでも、どこにいても即時決済が完了するので販売機会を増加させることができます。

さらに、クレジットカード利用時にユーザーの手元で現金を管理しないことで、1回の購入単価が大きくなります。販売機会だけでなく、客単価をも上昇させることが期待できます。

リピーター獲得


1度ECサイトにクレジットカード情報を入力すると、サイト上に情報が記憶させることができます。再購入時にユーザーが再びカード情報を入力する手間が省けるので、ユーザーがサイトをより利用しやすい環境を作ることができるのです。

また、定期便の購入もクレジットカードで行えます。消耗品の購入も無駄な作業なしで完了するので、リピーター獲得に繋がります。

クレジットカード決済導入にかかる方法と費用

では実際にクレジットカード決済をECサイトに導入するには何をすれば良いのでしょうか。クレジットカード決済を導入するには、自社単独でカード会社と契約をする方法と、決済代行会社を利用した方法の2つです。

カード会社と直接契約する方法


まず最初に、ECサイト運営企業がクレジットカード会社と個人で直接契約をする方法です。直接契約では、サイト運営企業がVisa、Mastercard、JCBなどのブランドを扱う各クレジットカード会社に、企業が直接問い合わせてそれぞれ個別で契約を締結します。

各クレジットカード会社の審査を通らなければならないので、時間とコストがかかります。また、ブランドによって売上金の入金日が異なる場合があるので、契約会社数が多ければ多いほど売上管理が難航します。

決済代行会社を利用する方法


次に、複数のカードブランドと一括で契約を締結することができる決済代行会社を利用して間接契約をする方法です。決済代行会社を間に挟む間接契約では、クレジットカード決済の管理を一括で委任することができるので、管理コストを削減させることができます。

決済手数料を代行会社に支払う必要がありますが、複数の審査を通過する必要がなく、売上管理も一括で行えるので、結果的にコスト削減に繋がります。

クレジットカード決済導入にかかる費用


クレジットカード加盟店になれば、EC運営企業は手数料を支払う必要があります。

直接契約・間接契約ともに、
1、初期費用
2、月額費用
3、決済手数料
が発生します。

決済代行会社を利用した場合は、追加で
4、決済サービス手数料(決済代行会社に対する料金)
5、トランザクション費用(加盟店と決済代行会社間の決済処理料)
が発生します。

各手数料は、ECサイトで取り扱う商品や金額に応じて変わるので最初の見積もりで自社の予算に合うか検討する必要があります。

クレジットカード決済の導入にあたり気をつけるべき点


これまでクレジットカード決済をECサイトに導入する利点をお伝えしてきましたが、自社ECサイトに新たに導入するるイメージはつきましたか?ここでは、実際に導入するにあたり気をつけなければならない点について説明していきます。

セキュリティ


クレジットカード決済はインターネット上にユーザーの個人情報を入力して取引を行います。ECサイト運営企業は、常にセキュリティについて緊張感を持って対応していると思いますが、顧客が最も不安なのは個人情報を悪用されることです。

個人情報が漏洩することで、企業のブランドイメージも悪くなってしまいます。リピーター離れどころか、新規顧客すら寄せ付けないサイトではECサイト運営を成功させることはできません。

決済代行会社を利用しクレジットカード決済を導入した場合、購入者情報は決済代行会社へも共有されます。決済代行会社を選定する際は、実績と安心感があり、セキュリティ管理をしっかりと行う会社を選びましょう。

カード会社


取り扱うカードブランドの選定にも注意が必要です。

クレジットカードの5大国際ブランド、
・Visa
・MasterCard
・JCB
・American Express
・Diners Club International
のうち国内で多く利用されているブランドを必ず導入する必要があります。

イソプス株式会社が2016年にオンライン上で、日本全国18~79歳男女+クレジットカード6ヶ月以内利用者に調査した「クレジットカード大規模調査・国際ブランドシェア」のによると全体シェア率は、
・Visa 55%
・MasterCard 12%
・JCB 30%
・American Express 2%
・Diners Club International 1%
という結果になりました。

引用:https://www.ipsos.com/ja-jp/Credit-card-U%26A

国内でシェア率の高い、VisaやJCBを取り扱うクレジットカード会社と契約することが重要です。

クレジットカード決済を導入し成功した例

クレジットカード決済をECサイトに導入し、売上アップに成功した企業を紹介します。

株式会社ドゥ・ハウス


株式会社ドゥ・ハウスが運営するモラタメでは、決済代行会社ソニーペイメントサービス の「e-SCOTT(イースコット)」を採用し、売上アップに成功しました。販売開始時間待ちをするユーザーもいたので、クレジットカードを利用したスピード感のある決済はユーザーの満足度をあげることができました。1件あたりの決済スピードが早ければ、ユーザーは決済を何度も行うことができるので売上アップにも繋がります。

朝日新聞デジタル


朝日新聞デジタルはSBペイメントサービス株式会社のクレジットカード決済で継続課金システムを構築し、リピーターを生むことを成功させました。ニュースは毎日更新され、購読者はその毎日更新された記事を読みます。毎日目にするニュースを簡単なクレジット決済で購読できるので、多くのユーザーを獲得することに繋がりました。

株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ


Jリーグクラブチームの株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブは、SBペイメントサービスのクレジットカード決済とモバイルオーダーシステムを併用させ、来場者が効率よく商品を受け取ることができるシステムを利用しています。スタジアムから2キロ圏内に入ると、アプリが使用できるようになり、商品の予約・購入が端末で完結します。コロナ禍で密になることを防ぐこともでき、顧客満足度が上がることでリピーター獲得に繋がりました。

まとめ

今回はECサイトにクレジットカード決済を導入する利点を中心的に解説しました。自社サイトにクレジットカード決済を導入するイメージはつきましたか?ECサイトの決済方法の基礎であるクレジットカード決済を、しっかりと企業に定着させることはEC事業を成功させるために欠かすことのできない重要なことです。ECサイトにクレジットカード決済を導入し、着実に顧客獲得のチャンスを掴んでいきましょう。


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