定温倉庫とは?特徴やメリット、外部委託する際のポイント
商品を一定の温度と湿度で管理する「定温倉庫」。「定温倉庫での保管に適している商品を把握したい」「商品の品質を維持するために定温倉庫の導入を検討したい」と考える担当者もいるのではないだろうか。
今回は、定温倉庫の特徴や他の倉庫との違い、定温倉庫での保管に適した商品、導入のメリット・デメリットなどを紹介する。それぞれのポイントをおさえ、商品管理や販売施策に役立ててほしい。
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目次
●定温倉庫とは?物流倉庫の基礎知識
●定温倉庫での保管に適した商品
●定温倉庫を利用するメリット・デメリット
●定温倉庫を委託する際のポイント
●まとめ
定温倉庫とは?物流倉庫の基礎知識
定温倉庫とは、一定の温度や湿度で管理できる倉庫のこと。定温温度では、低すぎず高すぎない、10~20℃で温度管理をすることが一般的だ。まずは、物流倉庫の種類や特徴、保管温度帯について見ていこう。
物流倉庫の種類と特徴
物流倉庫は、商品を保管する温度に応じて4つの種類に分けられる。各倉庫の特徴は以下の通りだ。
●常温倉庫:温度・湿度の調整を行わない倉庫。季節や立地の影響を受けるため、温度の変化によって品質が損なわれない食品や家具、資材などの保管に適している。
●冷蔵倉庫:10℃以下の食品を保管する倉庫の総称。一般的には、そのうち-20~10℃で温度管理をする倉庫を指す。水産物や畜産物、農産品、冷凍食品などの食品を保管するケースが大半。
●冷凍倉庫:冷蔵倉庫のうち、-20℃以下で食品を保存する倉庫。
●定温倉庫:一定の温度と湿度を保つ倉庫。温度変化によって品質が損なわれる商品の保管に使用する。
10℃以下で商品を保管する倉庫は「冷蔵倉庫」に分類されるため、それ以外の一定の保管温度を保つ倉庫が、定温倉庫であると解釈するとよいだろう。
「3温度帯」と「4温度帯」
物流業界では、「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの温度帯を『3温度帯』、3温度帯に「定温」を加えた温度指定を『4温度帯』と呼ぶ。物流倉庫では、倉庫の設備や提供会社によって対応している温度帯が異なる。
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定温倉庫での保管に適した商品
定温倉庫は、温度変化や熱に弱い商品の保管や、湿度を一定に保つ必要のある商品の保存に適している。具体的な商品の例を紹介する。
野菜、種子・花苗
定温倉庫は、野菜や果物などの日持ちが短い生鮮食品の長期保存に役立つ。また、野菜や花の栽培を行える定温倉庫もあり、温度や湿度を調整したりあえて外気温との差をつけたりすることで、種子の発芽や開花時期などをコントロールし、時期をずらした出荷をすることも可能だ。
ワイン、日本酒
ワインや日本酒は温度や湿度の影響を強く受け、香りや風味、味を損ねる恐れがある嗜好品だ。冷蔵倉庫では冷えすぎ、室温では温度変化が伴うことから、定温倉庫での保管が適していると言える。
医薬品、化粧品
医薬品や化粧品も定温倉庫での保管が向いている商品だ。化合物や添加物が温度変化を受けることで薬効や作用に影響がある可能性が高いため、製造元が保管温度を指定している場合もある。
その他
その他、定温倉庫での管理に適している商品は以下の通りだ。
●チョコレート・あめなどの溶けやすい菓子類
●カカオ
●アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類
●小麦粉などの粉類
●米などの穀類
●豆類
●調味料
●飲料
●アパレル関連
●精密機器
●美術品
●医療機器
温度変化の影響を受けやすい食品の他、カビや結露の発生を避けたい精密機械や医療機器、美術品も該当すると言えるだろう。
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定温倉庫を利用するメリット・デメリット
定温倉庫を利用することで、自社にはどのような影響があるのだろうか。メリット・デメリットをそれぞれ紹介する。
【メリット①】品質・鮮度が保たれる
定温倉庫のメリットは、商品を最適な状態で保管することで、品質や鮮度が保たれることだ。商品に応じた温度と湿度を設定することができるため、「日持ちが短い生鮮食品」や「温度変化に弱い商品」、「結露を避けるべき精密機械」の長期保存が可能となり、顧客に品質のよい商品を安定して提供することができる。
また、これまで温度管理の問題で扱えなかった商品も扱えるようになり、「販路の拡大」や「新規顧客の獲得」が期待できるだろう。
【メリット②】廃棄ロスが減る
よりよい状態での長期保存が可能になることによって、廃棄ロスが減るというメリットもある。定温倉庫では徹底した温度・湿度管理が行われるため、常温保存による「形状・味・風味の変化」や「カビ・害虫の発生」を予防することができる。
「寒冷地における商品の凍結防止」「大量に仕入れた商品の一時保存用」などの活用方法もあり、温度や湿度による廃棄ロスを減らすことで、無駄なコストの抑制につながるだろう。
【デメリット①】コストがかかる
定温倉庫では、一定の温度や湿度を保つために「冷風機」「専用のカーテン」「温度計・湿度計」「管理パネル」などの設備や「管理システム」が必要なことから、温度管理が行われない常温倉庫に比べコストが高いというデメリットがある。
倉庫の面積が小さいほど管理は容易になる一方で、大量の商品を保管するためには「倉庫を分ける」などの手間がかかる場合もあることにも注意したい。
【デメリット②】作業員に負担がかかる
一般的な定温倉庫の管理温度は10~20℃であるため、低温の倉庫内での作業は、作業員に大きな負担がかかることも懸念される。近年はそのような負担をなくすため、機械が自動的に商品のピッキングを行う自動倉庫も登場している。
定温倉庫を委託する際のポイント
設備や費用の面から、定温倉庫を「外部に委託したい」「定温管理に対応している倉庫に切り替えたい」と考えることもあるだろう。ここでは、定温倉庫を外部に委託する際のポイントを紹介する。留意したい点は以下の通りだ。
●倉庫の拠点・数
●倉庫の規模
●管理体制(24時間体制か)
●対応可能な商品
●対応可能な業務(花の水やり、ラッピング)
●温度帯変更の可否
●BtoB出荷対応の可否
●料金・プラン
提供している企業によって対応範囲・内容が異なるため、丁寧なヒアリングを行ったうえで比較・検討しよう。
まとめ
定温倉庫は年間を通じて一定の温度・湿度を保つことができるため、「品質・鮮度の維持」や「廃棄ロスの削減」といったメリットがある。コストや設備面の課題は外部委託という方法で解決できる可能性もあるため、自社の商品や管理環境、コストなどを把握したうえで、定温倉庫の活用を検討してみてはいかがだろうか。
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