コストコがアリババ傘下の オンラインストアで中国進出

実店舗ならではの魅力が売りなコストコ

米の会員制倉庫型卸売小売店コストコ・ホールセール(コストコ)は、中国の電子商取引大手のアリババ・グループ・ホールディング(アリババ)傘下の仮想商店街「天猫」(Tモール)のグローバルプラットフォームにオンラインストアを開設し、中国進出を果たすと明らかにしたことをロイターが報じている。

「コストコ」と言えば米国シアトルで誕生した年会費形式の会員制大型ディスカウントストアである。入荷したままの商品をパレットごと大型倉庫に並べて販売することにより、管理や陳列にかかるコストなどを大幅に抑えるというコンセプトで、日本にも進出し全国に展開している。
米国の大型店舗そのままの独特な舶来感と、国内では見ることのない輸入商品を業務用サイズでリーズナブルに購入できるとあって、口コミでその魅力は広がっていった。手軽に行ける外国の大型店舗はテーマパークのように楽しめるという点は「IKEA」にも通ずるものがある。年間費4,000円(税抜)を払ってでもメンバーとなり、週末にはコストコ渋滞を巻き起こすほどの魅力で展開する同社は、全国50店舗まで増やしていく計画を掲げている。

通常とは逆の展開を見せる中国進出

「コストコ」はアメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、韓国、台湾、オーストラリア、日本と世界中に展開し、実店舗ならではのエンターテインメント性や顧客の口コミを武器に着実に売上を伸ばしている中でのオンラインストアによる中国進出だ。
これにはやはり実店舗によるインフラ整備よりも先に急激な広がりをみせている中国のネットショッピング事情をうかがい知ることができる。
中国におけるネット普及率は約45%(2013年)で、今後もネット市場の成長が見込まれている。株式上場を果たし米アマゾンを上回る約23兆円という時価総額をつけ世界最大規模となったアリババは近年外国企業と積極的に出資や提携を加速し各分野の強化を図っており、国内のオートバックスセブンもTモールに出店すると発表したばかりだ。
Tモールでは海外ブランドを積極的に出店し、品質にこだわる富裕層を呼びこむ戦略をとっているため、今回の「コストコ」の中国進出も富裕層がターゲットであることがわかる。
富裕層の口コミによりブランドイメージを定着させてから実店舗での展開を図ってゆくという、これまでとは逆の展開を魅せる中国「コストコ」、やがて世界のブランド勢ぞろいとなりそうなTモールの今後に注目していきたい。




-編集部-