【2022最新】アドネットワーク広告とは?DSPやアフィリエイトとの違いを解説

ECのミカタ編集部

【2022最新】アドネットワーク広告とは?DSPやアフィリエイトとの違いを解説

アドネットワーク広告は、複数の媒体への出稿に向いています。個々の媒体と契約すると管理や分析に工数がかかってしまいますが、アドネットワークを利用すれば業務負担を抑えつつ、さまざまな媒体で露出増加を図ることが可能です。
なお、アドネットワークを利用する際は、商材と目的に応じてプラットフォームを選定することが大切です。認知拡大を図りたい分野、コンバージョンに近い分野などによって選択するとよいでしょう。

アドネットワーク広告とは

アドネットワーク広告とは、複数の媒体に対して同時に出稿できる広告手法です。さまざまな媒体が「アドネットワーク」と呼ばれる広告配信ネットワークに登録されており、アドネットワーク広告ではそれらの媒体に同時出稿できます。アドネットワークには、Webサイトやソーシャルメディアをはじめ、さまざまな媒体が登録されています。

RTBとは


RTB(Real-Time Bidding)とは、オンライン広告を配信する仕組みです。オンライン広告においては、RTBによって出稿単価が決定されています。RTBによって広告が表示されるまでの流れは、以下のとおりです。
1.ユーザーが媒体ページを訪問する
2.インプレッションの発生情報がSSPに発信される
3.SSPが媒体情報やオーディエンス情報をデータ化する
4.SSPが接続先のDSPにビットリクエストを送信する
5.DSPがビットリクエストを受信して解析する
6.DSP内で入札勝者が決定され、SSPに返信する
7.SSPは複数のDSPからの情報を受けて、もっとも入札額が高いDSPの広告タグを媒体に送信する
8.SSPはDSPに広告リクエストを送信する
9.DSPがクリエイティブ情報を送信する
10.配信面に広告が表示される

オンライン広告では、複数の広告主が一つの媒体に対して広告を出稿しており、一瞬のうちに入札額を争って表示される仕組みが確立されています。
RTBは、すこしでも広告費を抑えて最大限の露出を図りたい広告主、より多くの広告主から出稿を得たい媒体主の双方にとって、公正な取引を提供するために生まれました。

DSP広告との違い


DSP(Demand Side Platform)とは、アドネットワークよりもあとに生まれた仕組みです。仕組みとしては似ている部分もありますが、それぞれ異なるものであるため、特徴や違いを理解しておくべきです。
アドネットワーク広告は親和性の高い媒体を探せる仕組み、DSPは商材に近い興味・関心をもったユーザーが多く、出稿単価の低い媒体を探せる仕組みとなっています。前者は配信面をもとに出稿先を探すのに対し、後者はユーザーをもとに出稿先を探します。
また、DSPは複数のアドネットワークを管理したり、RTBによって出稿したりできる点も大きな違いです。

アフィリエイト広告との違い


アフィリエイト広告とは、成果報酬型広告です。一般的にはASP(Affiliate Service Provider)と呼ばれる仲介業者が間に入り、広告主とアフィリエイターが契約を締結します。アドネットワークは広告の配信先をまとめているのに対し、ASPは掲載できる広告案件をまとめているサービスです。
ASP上にはさまざまな広告案件が掲載されており、アフィリエイターは自身のもつメディアで紹介しやすそうな案件を選んで掲載します。
インプレッションやクリックに応じて広告費が発生するサービスとは異なり、広告主側が設定した任意の条件を満たしたときに広告費が発生する仕組みとなっており、コンバージョンを報酬支払いの条件とすることも可能です。

アドネットワーク広告の種類と費用目安

日本国内でもっとも利用されているアドネットワークは、Googleが提供するGoogleディスプレイネットワークと、Yahoo!が提供するYahoo!ディスプレイネットワークです。しかし、そのほかにも各社がアドネットワークを提供しており、自社に適したプラットフォームを選ぶことが大切です。
以下では、アドネットワーク広告の種類と費用目安について解説します。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)


Googleディスプレイネットワークとは、YouTubeやGmailをはじめとするGoogleサービス、Googleアドセンス広告を掲載している、Webサイトやアプリなどに広告を配信できるアドネットワークです。
GDNは200万件以上の配信面をとりまとめており、幅広い媒体に広告を出稿できるうえ、Googleの提供するサービスに広告を配信できる点が最大の特徴です。多くのユーザーがサービスを利用しているため、Web上における露出を増加させられます。
また、Googleでは同社が提供する広告サービスに関して、オンラインで受けられる講座や認定資格を設けています。講座のなかではGoogleディスプレイネットワークについてもまとめられているため、利用を検討している方は受けてみるとよいでしょう。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)


Yahoo!ディスプレイ広告とは、Yahoo!ディスプレイ広告と提携している、Yahoo!アドパートナーの媒体に広告を配信できるアドネットワークです。もともとはYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の名称でサービスが提供されていましたが、2021年5月をもって名称が変更されました。
Yahoo!アドパートナーには大手企業も多く参画しており、朝日新聞デジタル・アメーバブログ・クックパッドなどのサービス上にも広告を配信できます。そのほかにYahoo!の提供するYahoo!天気やYahoo!知恵袋への広告配信も可能です。
配信先が法人メディアに限定されているため、個人メディアに配信できるGoogleディスプレイネットワークと併用すると、幅広い媒体に広告を配信できるようになります。

Facebook広告


Facebook広告とは、Facebook・Instagram・Messenger、その他Facebookと提携する、サードパーティのWebサイトやアプリに広告を配信できるアドネットワークです。サードパーティのWebサイトやアプリは「オーディエンスネットワーク」と呼ばれており、食べログ・グノシー・ジモティーなどのサービス上に広告を配信できます。
Facebookアカウントの登録情報をもとにターゲティングできるほか、FacebookとInstagramに広告を配信できる点が特徴です。いずれも国内外を問わず、人気となっている大手サービスのため、認知度向上を図るのに適しています。

nend


nendとは、株式会社ファンコミュニケーションズが提供するアドネットワークです。同社は、アフィリエイト案件を掲載するASP「A8.net」の提供主として知られており、nendではあらゆるWebサイトやアプリ上に広告を配信できます。
Googleディスプレイネットワークや、Yahoo!アドネットワーク広告も提携していない媒体が数多く登録されており、nendを併用すればより幅広い媒体に掲載可能です。スマートフォン向けに最適化されているため、モバイルユーザーを中心に訴求したい方におすすめのアドネットワークです。

AkaNe by GMO


AkaNeとは、GMOインターネット株式会社が提供するアドネットワークです。同社は、IT業界の大手企業として知られており、AkaNeでは1,000以上の媒体が登録されています。さらに、提携媒体をすべて公開しており、配信先も広告主が設定可能です。
アドネットワーク広告は幅広い媒体に出稿できる反面、ブランドイメージにそぐわない媒体にも配信されてしまう点がデメリットとしてありますが、AkaNeであれば指定媒体のみに配信できるため、ブランディングを損なうリスクを避けられます。

i-mobile


i-mobileとは、株式会社アイモバイルが提供するアドネットワークです。スマートフォンとパソコンのどちらにも対応しているほか、精度の高い最適化機能、豊富なターゲティングメニューが特徴としてあげられます。独自の配信アルゴリズムを開発しており、広告主・媒体主の双方にとって収益を最大化するよう図っています。

impAct


impACTとは、株式会社アイメディアドライブが提供するアドネットワークです。配信先を法人優良サイトに限定しており、特定領域を専門とする媒体が多い点が特徴です。媒体の審査が厳しく行われているため、ブランディングを損なうような媒体に広告が配信されるリスクを軽減できます。
また、媒体の専門性が高い分、ターゲットユーザーを特定しやすいサービスといえるでしょう。

アドネットワーク広告の配信方法

アドネットワーク広告の配信方法は、主に以下の2種類です。
1.ターゲット配信
2.ノンターゲット配信

同じようにアドネットワーク広告を利用していても、配信方法によって効果が変わることもあり、それぞれの違いや特徴は知っておくべきです。
以下では、それぞれの配信方法について解説します。

ターゲット配信


ターゲット配信とは、リーチしたい顧客層をあらかじめ指定しておき、媒体を絞って配信する方法です。アドネットワークにはさまざまな媒体が登録されており、広告効果は媒体と商材の親和性によって大きく変化します。そのため、特定の媒体を指定して広告を配信するのは効果的な手法です。
しかし、一部のアドネットワークを除いて、基本的に出稿先の媒体を指定することはできません。ターゲット配信はあくまでもユーザーの属性を指定して、該当するユーザーが多い媒体に配信する機能です。

ノンターゲット配信


ノンターゲット配信とは、リーチしたい顧客層を指定せず、あらゆる媒体に配信する方法です。認知の拡大を目的とした広告では、ノンターゲット配信によって幅広い媒体に掲載することが有効です。また、商品やサービスの利用者が特定の属性に偏っておらず、老若男女問わず見込み顧客になりうる商材にも向いています。
一方、ターゲティングして配信する場合に比べて、広告効果を高めにくいデメリットもあります。そのため、商材や目的に応じて、ターゲット配信とノンターゲット配信を使い分けるのがポイントです。

アドネットワーク広告のメリット

アドネットワーク広告は、複数媒体への同時出稿、広告効果の測定などの面で強みをもっています。運用を検討するうえで、独自の強みについて知っておくことはアドバンテージになるでしょう。
以下では、アドネットワーク広告のメリットについて解説します。

複数の媒体に同時出稿できる


アドネットワーク広告の最大のメリットは、複数媒体に同時に出稿できる点です。通常の広告プラットフォームを利用する場合、複数媒体に出稿するには各媒体とコミュニケーションをとり、それぞれの規定を満たした広告素材を準備する必要があります。
しかし、アドネットワーク広告を利用すれば、一つのプラットフォーム内で複数媒体への出稿が可能です。クリエイティブの管理や広告結果の分析もワンストップで完結させられるため、管理工数の削減につながるでしょう。

時間やプラットフォームでターゲティングできる


アドネットワーク広告は、通常のWeb広告と同様、リーチするユーザーをターゲティングできます。掲載媒体まで指定できるサービスはあまりありませんが、ユーザー属性や配信時間などからターゲティング可能です。
また、プラットフォームによって掲載できる媒体の違いがあるため、自社の商材に適した媒体を多くもっているプラットフォームを利用するのもターゲティング手法の一つです。

広告効果を測定しやすい


アドネットワーク広告をはじめとするWeb広告では、コンバージョンのトラッキングはもちろん、インプレッションやクリック率などのデータを取得できます。とくにアドネットワーク広告の場合、一つのプラットフォーム内でさまざまな媒体に出稿できるため、媒体ごとの分析がしやすい点もメリットです。

アドネットワーク広告のデメリット

アドネットワーク広告には3つのメリットがありますが、なかにはデメリットもあります。とくに、出稿先の指定ができない点、複数のアドネットワークを利用しづらい点は理解しておくべきです。
以下では、アドネットワーク広告のデメリットについて解説します。

出稿先の指定はできない


前述のとおり、アドネットワーク広告は出稿先を指定できません。ユーザーのターゲティングはできても、出稿先のメディアを選べないため、ブランディングを損なう媒体に掲載されてしまうリスクもあります。出稿先の媒体をコントロールしにくい部分があるのは事実です。

複数のアドネットワーク事業者を利用しづらい


アドネットワークはさまざまな媒体をもっていますが、それぞれのネットワークごとに強いジャンルをもっています。そのため、幅広いジャンルの媒体に掲載するには複数のアドネットワークを利用する必要があります。しかし、アドネットワークをまたいで利用すると、管理が煩雑になる点がデメリットです。


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