EC運営における出荷とは。出荷の重要性や出荷ミスを減らすための工夫

ECのミカタ編集部

EC運営における出荷とは。出荷の重要性や出荷ミスを減らすための工夫

EC運営にとって要となる「出荷」。出荷作業は複雑な作業でありながら、丁寧な対応が求められるため、出荷時のミスを減らし効率的に作業を進めたいと考える担当者も少なくないだろう。

今回は、出荷の概要や重要性、出荷ミスが起こる原因を紹介する。出荷ミスを減らすための工夫についても記載しているので、自社の物流業務を見直す際に参考としてほしい。

目次

●EC運営における出荷と発送との違いとは?
●出荷の重要性
●出荷ミスが起こる原因
●出荷ミスを減らすための工夫
●まとめ

EC運営における出荷と発送との違いとは?

まずは、出荷の概要と作業の流れ、発送との違いを確認しておこう。

出荷の概要や流れ


出荷とは、顧客の注文データをもとに、配送先や商品に関する送り状を発行し、市場に商品を送り出す一連の作業のことを指す。ただ商品を市場に出すだけでなく、正しく顧客のもとに届けるために、適切な在庫管理や検品などを行うことも出荷作業の一部となる。

出荷作業の流れは以下の通りだ。

1.受注データの取り込みと出荷登録
まずは、顧客からの注文データを倉庫管理システムに取り込み、出荷指示と登録を行う。

2.在庫引き当て処理
続いて、倉庫管理システムに登録している商品の在庫情報と照らし合わせ、出荷の予約を行う。在庫引き当て作業は、他の注文と重複して出荷指示がかかることを避けるために重要な作業となる。

3.ピッキング
出荷する商品を倉庫から取り出す作業がピッキングだ。ピッキングリストには、品番や個数、サイズ、色など商品を正しく取り出すために必要な情報を記載する必要がある。

4.検品
検品とは、ピッキングした商品について、正しい品番であるかや個数が合っているか確認をする作業のこと。この時、キズや破損等の不備がないかのチェックも忘れずに行う。

5.梱包
検品が済んだら、商品に適した梱包材を用いて梱包し、送り状を準備する。発送の際に、破損などのトラブルが起きないように必要に応じて、緩衝材などを活用しよう。また、商品の性質によっては、ワレモノや取扱注意といった注意事項シールを貼ることも検討したい。

6.積み込みと発送
梱包した商品を運送業者のトラックに積み込み、顧客のもとに送り出す。これで、出荷作業は完了となる。

出荷と発送の違い


出荷と似た言葉に「発送」がある。出荷と発送の違いは「どの作業を指すか」ということだ。出荷は、前述したように一連の作業を指すのに対し、「発送」は、運送業者のトラックに積み込み商品を顧客に配送する作業のみを指す。


出荷の重要性

出荷作業は、自社サイトの信頼と売上に直結する重要な業務と言われている。出荷時の不十分な対応で招いたミスは、自社サイトの信頼を損なう原因となり、必要に応じて、適切なアフターフォローも必要となるだろう。

一回の出荷のミスをきっかけに、顧客にネガティブな感情を持たれてしまうと、リピーターとなる可能性が低下することは避けられない。さらには、口コミに「商品が破損していた」など、否定的な書き込みをされてしまうと、一気に見込み客を失う可能性もあるのだ。

一方で、出荷ミスをなくし出荷作業の生産性向上が実現できれば、自社サイトの信頼を高め顧客満足度アップにつなげられるだろう。


起こりやすい出荷ミスの内容

出荷時にどのようなミスが生じるのか、出荷作業を見直すうえでとても重要だ。起こりやすい出荷ミスの内容を確認しておこう。

送り先の間違い


まず、注意したいのが「送り先の間違い」だ。手入力または手作業で送り状の作成や送り状の貼り付け作業を行う場合に、このような出荷ミスをしてしまうケースがある。配送先の住所や氏名などの個人情報を手入力する際は細心の注意が必要だと言えるだろう。

商品数の間違い


「複数注文があったにも関わらず商品を注文数より少なく出荷した」「違う商品を複数注文があったのに、1つしか出荷されなかった」といった、商品数を間違えてしまうケースも発生しやすい。出荷作業の慣れから、確認が疎かになることや思い込みで作業を進めることが原因のひとつだ。

商品タイプの間違い


同じ品番の商品でも色やサイズが異なる場合があり、商品タイプの間違いが発生するケースもある。バーコードやサイズ表記、カラー番号などを読み間違え、注文と違う商品を出荷することは起こりがちなミスと言える。特に、出荷作業に慣れていない新人スタッフに多いため、慎重なチェックが重要だろう。

また。商品の品番を間違え、全く異なる商品を出荷してしまうケースもある。ハンディスキャナーなどの機械ではなく、担当スタッフの目視のみで判断していることがミスの原因であると考えられるだろう。

付属品の同梱忘れ


梱包する際に、一緒に入れるべき商品の付属品や説明書、広告物などを同梱し忘れるといったミスも起こりやすい。同梱指示書がある場合でも、見落としたり、入れ間違えをしたりする可能性もあるため、注意しておきたい。


出荷ミスを減らすための工夫

このように、ミスの種類や原因もさまざまだが、出荷作業を見直すことで改善できることも多い。最後に、出荷ミスを減らすために取り入れたい工夫を紹介していく。

チェック体制を整える


出荷ミスを防ぐために、梱包時のチェック体制を整えよう。例えば、出荷処理を完了する前に、別のスタッフが商品や送り状に間違いがないか確かめるといったことだ。特に、商品数や商品タイプを多数扱っている場合、2人の目でチェックすることで発送前に不備に気づける可能性が高まるだろう。

また、目視だけでピッキングを行うのではなく、ハンディスキャナーなどを併用し、数量や品番などを機械的にチェックするのも有効的な手段だ。

出荷スペースの見直し


出荷作業を行う際の、出荷スペースの見直しも重要なポイントだ。出荷処理を行うスペースが十分に確保されていないと、他の商品と取り間違えたり、付属品を入れ忘れたりといったミスが生じやすくなる。品番を間違えるミスが発生している場合には、倉庫を整理し独立した作業スペースを作ることもおすすめだ。商品が混ざることを防ぎやすくするほか、管理タグを別の商品に貼ってしまうといったミスも減少するだろう。

倉庫管理システムを導入する


担当スタッフのスキル不足や商品の保管体制もミスを引き起こす原因のひとつとなる。このような場合は、倉庫管理システム(WMS)導入も視野に入れてみてはいかがだろうか。

倉庫管理システムとは、ハンディスキャナーなどの読み取り機器を活用し、棚卸の効率化や在庫管理を行うシステムを指す。帳票・ラベル発行といった細かな作業もボタン一つで可能となるため、業務の効率化が図れるといった特徴がある。システムの導入により、出荷作業の一連流れを一括管理できれば、出荷時のミスを減らせることが期待できるのだ。全員が共通のシステムを使うことで、ミスが発生した際にどこに問題があったのか明確になり、その後の改善も容易になるだろう。


まとめ

「出荷」は、作業工程がいくつも分かれてる複雑な作業だ。出荷時のミスは、顧客からの信頼を失う以外にも、売上に直結する問題となるため、問題が生じている場合には早急な対応が必要だろう。今回紹介した内容を参考にしながら、物流作業の見直しを図り、よりよい仕組み作りを実現していってもらいたい。

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