【在宅ワークの購買への影響】18%が在宅ワークを継続中、在宅ワーカーは高所得傾向であることが明らかに
Criteoは、日本および8つの諸外国(オーストラリア・イギリス・ドイツ・アメリカ・韓国・スペイン・イタリア・フランス)の男女を対象に独自調査した「在宅ワークの普及率・コマースへの影響」から得られるインサイトを公表した。
日本でも18%が在宅ワーク継続中
日本で在宅ワークをしている人の割合は、世界平均(約20%)とほぼ同じ約18%であった。女性よりも男性の在宅ワーク比率が高い国が多い中、日本では在宅ワークをしている人の男女の割合がほぼ同じであることがわかっている。
在宅ワーカーは高所得傾向
同調査で所得と在宅ワークの関係を調べたところ、世界的な傾向として、男女ともに世帯年収が高い人ほど在宅ワークをしている割合が多いことが明らかになった。
この傾向は日本でも同様にみられ、世帯年収500万円以上が「在宅ワーカー」では64%だったのに対し、「非在宅ワーカー」では、57%にとどまっている。
在宅ワーカーは子どもがいる割合が多い
また、子どもがいるかどうかを尋ねたところ、在宅ワーカーでは全体の43%が、非在宅ワーカーでは36%が「子どもがいる」と回答。在宅ワーカーのほうが、子どものいる確率が高いことがわかった。
子どもの世話をする時間・子どもと過ごす時間を確保するために、オフィス通勤ではなく在宅ワークを選んでいる人が多い可能性が考えられる。
在宅ワーカーの買い物事情
在宅ワークが普及し始めたころは、在宅ワークに必要な家具や家電、PC周辺機器の売れ行きが伸びた。
在宅ワーカーと非在宅ワーカーに、最近30日間で購入したものについて調査したところ、両者の間で5ポイント以上の差がみられたのが、上記のカテゴリーであった。
増えた在宅時間を快適に過ごすための家電や家具、余暇に楽しむビデオゲームを購入する人が多い一方、洋服や香水を購入した人も、在宅ワーカーの方が多い結果となっている。仕事でPCを開いているときに、ふと目にしたネット広告や記事がきっかけでECサイトを閲覧し、そのまま購入に至っているケースも少なくないと考えられる。
在宅ワーカーは「店舗受け取り」を選ぶ傾向
オンラインで購入した商品を受け取る方法にも、在宅ワーカーと非在宅ワーカー間で違いがみられた。
オンラインで購入した商品を自宅まで配送してもらったことがある人の割合は在宅ワーカーもそうでない人もほぼ変わらないのに対し、オンラインで購入して店舗で受け取ったことのある人の割合は在宅ワーカーの方が多いという結果となった。
在宅ワーカーは原則として平日の日中も家にいるので、非在宅ワーカーに比べて自宅での宅配便の受け取りがしやすいはずだが、「在宅ワーク中、ビデオ会議をしていることが多いので、玄関のチャイムを鳴らされたくない、受け取りの対応ができない」といった事情が影響している可能性がある。
このように、在宅ワーカーと非在宅ワーカーの間には、生活スタイルや消費傾向において一定の違いがあることがわかった。コロナ禍をきっかけに広がった在宅ワークだが、今後は働き方の選択肢の1つとして在宅ワークが定着するとみられている。EC戦略を考える上で、在宅ワーカーを対象としたマーケティングが求められる場面も増えてくるのではないだろうか。