収納代行サービスとは。取り入れるメリットとデメリット、収納代行を提供する主な会社
収納代行サービスとは、コンビニでの支払いを専門とした集金を代行するサービスのこと。EC運営を進めていく際、収納代行サービスを取り入れ、支払い方法を拡大し新規の顧客を獲得したいと考える担当者もいるのではないだろうか。
今回は、収納代行サービスの概要や仕組み、取り入れるメリット・デメリットを紹介する。収納代行を提供する主な会社についても触れるため、導入する際に参考にしてもらいたい。
目次
●収納代行サービスとは?概要と仕組み
●収納代行サービスと決済代行の違い
●収納代行サービスを取り入れるメリット
●収納代行サービスを取り入れるデメリット
●収納代行を提供する主な会社
●まとめ
収納代行サービスとは?概要と仕組み
まずは、収納代行サービスの概要や代金回収の仕組みを確認しておこう。
収納代行サービスの概要
収納代行サービスとは、全国のコンビニなどを通じて、ECサイトの商品購入代金の集金を代行するサービスのことだ。コンビニ決済とも呼ばれている。収納代行サービスを利用すれば、各コンビニと個別契約をせずに、複数の支払い窓口と契約し決済の扱いが可能となる。収納代行は、クレジットカードなどのキャッシュレス決済が普及している昨今においても利用顧客は一定数いるため、決済方法の選択肢として検討するEC事業者も少なくない。
なお、収納代行サービスであるコンビニ決済には、「払込票方式」と「払込用番号方式(ペーパーレス)」の2種類がある。それぞれの違いは次の通りだ。
●払込票方式
払込票方式とは、バーコードが印字された請求書による支払い方法のこと。顧客に送る商品に請求書となる払込票を同封し、顧客はそれをもってコンビニで請求金額の支払いをする。この方法は公共料金の支払いと同じ形式のため、ECサイトでの購入に慣れていない高齢者でも利用しやすい点がメリットだ。
●払込用番号方式(ペーパーレス)
払込用番号方式(ペーパーレス)」とは、ECサイトから購入者へメールで払込用番号を通知する方法だ。顧客は、コンビニの店頭にあるマルチメディア情報端末に払込用番号を入力し、発行された申込券をレジで提示して支払いを行う。ECサイトにとっては、払込票の作成や郵便の手間がないといった特徴がある。
収納代行サービスの仕組み
収納代行サービスを取り入れた場合、代金回収はどのような流れで行われるのだろうか。払込票方式を例に代金回収の仕組みを見ておこう。
1.ECサイト側は、商品の注文と同時に、契約している収納代行会社へ注文情報を提供する
2.収納代行会社は、受け取った情報をもとに、払込票を発行する
3.ECサイト側は、発行された払込票を商品とともに購入者へ送付する
4.購入者がコンビニで決済を完了すると、コンビニから収納代行会社へ支払情報の通知がある
5.収納代行会社から販売元のECサイト側へ代金の入金が行われる。一般的にECサイトに入金するまで50日〜60日かかる。
(払込用番号方式の代金が前払いの場合は、入金情報を確認後、ECサイトより商品の発送を行う)
収納代行サービスと決済代行の違い
収納代行と類似したサービスとして「決済代行サービス」がある。双方の大きな違いは、決済方法の種類と手数料の取り扱いだ。
まず1つ目の決済方法の種類についてだが、収納代行サービスは主にコンビニ決済がメインだ。一方の、決済代行はクレジットカード・電子マネー・ATM・インターネットバンキング・携帯キャリアといったさまざまな決済方法に対応している。
2つ目の手数料の取り扱いは、収納代行サービスの場合、ECサイト側もしくは商品購入者側のどちらが手数料を負担するのか、導入する際にECサイトの運営者が選択をする。一方の決済代行の場合は、基本的にECサイト側がサービス利用の手数料を負担する。
収納代行サービスを取り入れるメリット
収納代行サービスを利用するメリットを確認しておこう。
現金払いの顧客に対応でき、販売機会の増加が見込まれる
収納代行サービスは、現金支払いの顧客に対応できるため販売機会の増加が期待できる。ECサイトの代金支払いはクレジットカードが一般的だが、顧客によっては、現金を介さない決済方法を避けている場合や、クレジットカードを所有していない場合もある。支払い方法の選択肢が増えれば、さまざまな客層のニーズに対応でき、結果的に購買層を増やすことにつながるのだ。
支払いに関する管理工数が削減できる
入金方法の増加は手間がかかることが多いが、収納代行サービスを活用すれば支払いに関する管理工数を削減できるメリットもある。収納代行会社を介することで、複数のコンビニと同時に契約ができ、各コンビニのシステムに合わせた連携が不要となる。また、収納代行会社が購入者からの入金情報を一元管理できるため、ECサイト側は入金管理作業も削減できる。
収納代行サービスを取り入れるデメリット
顧客にとってもEC事業者にとってもメリットの大きい収納代行サービスだが、導入にあたってはデメリットについてもしっかり把握しておく必要がある。収納代行のデメリットを紹介する。
コストがかかる
収納代行サービスを利用する場合、収納代行会社に支払う「初期費用」や「基本料」などのコストがかかる。仮に購入者に利用してもらえない場合はコストが膨らみ、利益が得られない可能性もあることを知っておこう。
収納代行サービスを取り入れる際には、自社のECサイトを利用する顧客の客層を見極め、利益を得られるかどうかを十分精査しておくことが大切だろう。
支払い方法によっては代金の回収ができない可能性がある
収納代行サービスを導入するにあたり「払込票方式」を採用する場合、代金が後払いになるため、代金の回収ができないといったリスクがある。このようなトラブルを回避する方法として、収納代行会社によっては、未回収となった際の保証制度を設けている場合もあるが、保証制度を受けるためには手数料が発生することを把握しておきたい。
収納代行を提供する主な会社
最後に、収納代行を提供する主な会社を紹介する。それぞれの会社の特徴にも触れるため、導入時の検討材料にしてもらいたい。
株式会社メタップスペイメント
株式会社メタップスペイメントが提供するコンビニ決済は、全国あらゆるコンビニにおいて支払いが可能だ。伝票発送コストが不要で、リアルタイムに入金確認ができる「コンビニオンライン決済」と、後払い可能な「コンビニ伝票郵送決済」を提供している。
https://www.metaps-payment.com/service/convenience.html
SMBCファイナンスサービス株式会社
SMBCファイナンスサービス株式会社のコンビニ決済は、全国のコンビニ以外にもゆうちょ銀行などでの支払いも可能だ。後払いサービスでは、独自の仕組みを展開しており、未回収リスクの軽減や請求業務が不要になるといったメリットがある。
https://www.smbc-fs.co.jp/business/collection/service/cvs/
リコーリース株式会社
リコーリース株式会社が提供する集金代行サービスは、初期費用がかからず使わない月の基本料もかからないといった特徴がある。コンビニやゆうちょ銀行の窓口以外にも、リコーリース提携のスマホ決済アプリでの支払いも可能なため、自宅や職場から手軽に支払いが完了する。
https://www.rl-shukin.jp/lp_shukin01/index.php
株式会社電算システム
株式会社電算システムが行うコンビニ収納代行サービスは、主要なコンビニ以外にも地方独自のコンビニやドラックストアなどのMMK設置店において支払いが可能だ。初期費用はかからず、月額料金にいても購入者からの支払いがなかった場合には発生しない仕組みとなる。
https://www.dsk-ec.jp/products/convenience/
株式会社DGフィナンシャルテクノロジー
株式会社DGフィナンシャルテクノロジーが行っているコンビニ決済は、払込番号をコンビニ店頭に持参して支払う方法を導入しており、申込みから決済利用まで約1カ月で提供できるといった特徴がある。なお、決済サービスの無料試用プログラムを取り入れているため、一度試してみてから本格的な導入を検討するといったことも可能だ。
https://www.veritrans.co.jp/payment/cvs.html
まとめ
収納代行サービスとは、コンビニ決済とも呼ばれ、収納代行会社がECサイトの購入代金の集金を代行してくれるサービスのこと。決済手段が多様化する昨今において、誰もが気軽に支払いができる収納代行は、販売機会を増加したい場合には導入検討する余地があるだろう。今回紹介したメリットとデメリットを考慮して、自社に合った収納代行会社を検討しよう。