商品を購入するために利用するデバイス1位はパソコン/ニールセン分析結果

買うときは、パソコンがスマホとタブレットを引き離す

インターネット利用動向分析サービス等を提供するニールセン株式会社は、10月28日、マルチスクリーンの利用状況を分析し、結果を発表した。
レポートによると、商品を購入するために利用するデバイス1位はパソコン。スマホ、タブレットを大きく引き離していた。

この調査は、販売を開始した消費者のマルチスクリーンの利用動向調査「Nielsen Digital Consumer Database 2014(ニールセン・デジタル・コンシューマ・データベース2014)」をもとに、マルチスクリーンの利用状況を分析したものだ。

調査期間は2014年9月11日~9月17日。パソコン、従来型携帯電話、スマートフォン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の15歳(高校生)以上の男女、計2,928人を対象に行ったものである。
サンプル数は、上記4デバイスからのインターネット利用者の人口構成比によって割り当てられ、インターネットユーザーを代表するように割りつけられている。

ふだんはスマートフォン、買うときだけパソコンで

この調査結果の興味深い点は、スマートフォンの普及によって、パソコンの利用が減っているのにもかかわらず、商品を購入するときだけはパソコンを利用しているユーザーが多いという結果になったことだ。

スマートフォンやタブレットを利用することで、パソコンの利用頻度が減少したユーザーは28%。
しかし、過去3ケ月以内のオンラインショッピングやオークションでの商品購入時におけるデバイスの利用状況調査では、22%のユーザーが特定の商品を購入する一連の行動の中で、閲覧と購入で異なるデバイスを利用している。その中でもスマートフォンでチェックした商品をパソコンから購入した経験のある人の割合が最も高く15%となっている。

ニールセンでは、「スマートフォンの更なる普及や高機能・大画面化による利便性の向上は、その他のデバイスの利用に影響を与えている。例えばパソコンはスマートフォンを利用することで、その利用頻度が落ちた人が一定数存在する。しかし、パソコンの利用目的の第3位が『商品・サービスを購入するため』で、スマートフォンやタブレットよりも割合が高いこと、デバイスをまたいだ購買行動でもパソコンを利用した購買が行われていることから、オンラインショッピングに関わる利用については、今後もパソコンが大きな役割を担っていくと考えられる」と考察している。

使い分けが進むデバイスそれぞれへの対応が必要

結局、ユーザーはパソコン、タブレット、スマートフォンを使い分けているということなのだろう。

それぞれのデバイスの特徴的な利用目的は、次のようなことだ。

1. パソコンでは「商品やサービスを購入するため」に利用される割合(第3位 56%)が他のデバイスよりも高くなっている。
2. タブレットでは「動画や映像、音楽、ゲームなどのエンターテイメントを楽しむ」ことを目的に利用される割合が高く、第2位となっていた。
3. スマートフォンの利用目的では「家族や友人・知人とコミュニケーションをするため」が利用目的の1位(67%)となっていた。

パソコンはショッピング、 タブレットはエンタメ、スマホはコミュニケーションで利用されるという傾向が浮き彫りになったわけだが、ECサイトを運営する側から見れば、この3つの媒体それぞれに適した形で情報を発信することが必要になる。

レスポンシブデザインでウェブサイトを一元管理するか、3つの媒体それぞれに合わせた画面づくりをするかは判断の分かれるところだが、3つの媒体それぞれに対応が必要なことは確かである。