4〜6月の「futureshop」流通額は昨対比102%の472億円、行動制限なしでもEC利用は堅調

ECのミカタ編集部

株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野裕子)は、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2022年4月〜6月(2022年度1Q)の流通額が472億円、昨対比101.69%であったと発表した。

2020年の巣ごもりでEC利用機会が急拡大。2021年、2022年は鈍化しながらも前年を割り込むことはなく、EC利用が定着したことを示している。

ECを取り巻く環境

ECを取り巻く環境

2022年の4月〜6月は2021年同時期と比較し、外出や旅行機会が増加。「県民割」「地域ブロック割」に代表されるような近距離〜中距離の旅行促進施策の実施や、3年ぶりに行動制限なしのゴールデンウィークになるなど、感染症対策を行いながら外出する姿が増加。「リアル回帰」ともいえる状況だった。

日本百貨店協会が発表した「2022年5月 全国百貨店売上高概況」によると、5月の売上高は前年同月比で57.8%増、入店客数は52.8%増と、高い伸びを示している。

そんな中でもECが前年同水準で利用されていたのは、コロナ禍で進んだEC利用が定番化したからだと考えられる。

「旅行用品・旅行予約」「靴」などが対前年で伸長

「旅行用品・旅行予約」「靴」などが対前年で伸長

フューチャーショップでは、1年以上継続して「futureshop」シリーズを利用した店舗を対象に流通額を調査した。

その結果、対前年で流通額が伸びた業種の上位に「旅行用品・旅行予約」「靴」「スポーツ・アウトドア」がランクイン。やはり外出機会の増加が表れる結果となった。

注文件数の変化

注文件数の変化

さらに、2021年・2022年4月〜6月、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出し、期間中の生活者のEC利用状況を調査した。

注文件数の変化を見てみると、対象店舗の注文件数は5月のPC経由が微減。それ以外の月・デバイスでは増加しした。

5月の注文件数の増加率が少ない要因として、3年ぶりに行動制限が解かれた長期休暇で外出する機会が多く、リアル回帰が強かったことが挙げられる。

購入単価の変化

購入単価の変化

次に購入単価を見ると、継続して両デバイスとも上昇。2年前、巣ごもり一色となった2020年4月〜6月期に購入単価が下降した以外は、一貫して購入単価は上昇傾向となっている。

また、下記は各店舗のPC経由購入単価を1とした際のスマートフォン経由購入単価を算出し、平均にならした結果だ。スマートフォン経由の決済はPC経由よりも低いという結果はこれまでの調査と変わらないものの、PC経由とスマートフォン経由の購入単価の差は縮小傾向にある。

2022年4月:0.87
2022年5月:0.87
2022年6月:0.87

新規顧客利用状況

新規顧客利用状況

新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査。ただし、会員機能を利用していない店舗、会員を限定して販売している店舗などは調査対象から除外している。

その結果、期間平均は新規顧客利用が昨対比113.71%であった。巣ごもり需要がピークだった2年前から観測を続けているが、調査対象の店舗では新規顧客利用もマイナスになることなく、堅調に伸びている。

決済手段の変化

決済手段の変化

利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1とした結果が上のグラフだ。

前回の調査と同様、クレジットカード利用の割合はほぼ変わっていない一方で、ID・QR決済利用が増加し、現金利用が減少している。

また、決済方法を3つとも提供している店舗に限定して調査すると、キャッシュレス利用が全体の8割を占める結果となった。

コロナ禍での「巣ごもり消費」がいつまでも続くわけではないことは以前からわかっていたが、本調査結果から、コロナ禍でECを利用し、一度利便性を実感したユーザーは行動制限がなくなってもEC利用を続ける人が多いことが推察できる。

今後は、買い物の目的や商材に合わせたリアル店舗とECの使い分けがさらに進んでいくだろう。

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