【Yahoo!マート】“来店型”店舗の運営を開始

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社(以下「Yahoo! JAPAN」または「同社」)、アスクル株式会社(以下「アスクル」)および株式会社出前館(以下「出前館」)は、即配サービス「Yahoo!マート by ASKUL(以下「Yahoo!マート」)」の拠点を活用し、来店型店舗の運営を開始した。

クイックコマース事業者初

Zホールディングス株式会社(以下「ZHD」)のグループ企業であるYahoo! JAPAN、アスクルおよび出前館は、食料品や日用品などを最短15分で届けるクイックコマース(即配サービス)「Yahoo!マート」の拠点を活用し、ユーザーが直接買い物できる来店型店舗の運営を開始した。同社によれば、来店型店舗の運営はクイックコマース事業者としては初めての試みとなる。

「Yahoo!マート」は現在、都内の3拠点で来店型店舗を運営しており、ユーザーは約2,000種類の商品を店舗で実物や値段を見ながら買い物ができる。今後もクイックコマース事業に加えて、各拠点や地域のニーズに即した店舗形態や商品を展開することで、ユーザーの買い物体験を便利にするためのあらゆる可能性に挑戦するとしている。

なお「Yahoo!マート」では今年中に店内調理を開始するため現在準備中で、ユーザーは店内で調理した揚げたての唐揚げやコロッケなどの総菜を注文できるようになるという。

東京を中心にエリアを拡大予定

東京を中心にエリアを拡大予定

2021年7月にサービスを開始した「Yahoo!マート」は、ユーザーが出前館のサービス上で、アスクルが販売する食料品や日用品を中心とした約2,000種類の幅広い商品の中から選択し、注文および決済すると、最短15分で商品を受け取ることができるサービスだ。注文を受けた後、出前館の配達員が都内の専用店舗で該当商品を受け取り、指定された配達先に自転車やバイクで商品を届ける。

ZHDグループ各社の強みを生かしたシナジー効果で「Yahoo!マート」は事業を拡大しており、現在20店舗を東京と千葉で運営している。今秋には練馬区などに3店舗をオープンする予定で、今後も東京を中心にエリアを拡大するとのことだ。

アスクルの商品調達力を生かした幅広い商品展開も、「Yahoo!マート」の強みのひとつだ。ユーザーの購買傾向や時流などを分析したうえで、約400種類にもおよぶバラエティー豊かな冷凍食品や、人気が高い「コストコ」の商品など、さまざまな商品を拡充している。

また「Yahoo!マート」では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、万が一の自宅療養時に備えるための衛生用品などがこれまで以上に購入されているという。7月6日から8月1日までの約1カ月間の売り上げでは、前月と比較して、体温計が約2.7倍、氷枕が約2.5倍、経口補水液が約2.2倍と大きく伸びた。

新型コロナウイルス感染症をはじめとする体調不良時や、猛暑日の炎天下では店舗で購入して持ち帰りにくい食品類などでも、「Yahoo!マート」で注文することで、買い物のために屋内の快適な環境から外に出るリスクを避けながら、欲しい商品が最短15分ですぐに受け取れる。

専門会社を設立し、サービス品質を高度化

さらにYahoo! JAPANは、「Yahoo!マート」の事業をさらに推進するための子会社「ヤフーマートオペレーションズ株式会社」を2022年7月1日に設立した。10月1日からは、「Yahoo!マート」の店舗運営を同社が行い、注文を受けてから届けるまでの工程に磨きをかけていく専門の会社としてサービス品質をより高度化させるとしている。

こうした目的のもとで「ヤフーマートオペレーションズ株式会社」では、これまで配達を担っていた出前館の配達員に加えて「Yahoo!マート」専属配達員の採用を開始した。新型コロナウイルス感染症や熱中症への対策、テレワーク拡大などにより多くのユーザーの在宅時間が増え、宅配の需要が高まっている状況下で、専属配達員を拡充することで高いサービス品質を維持するとのことだ。

同社はまた「Yahoo!マート」について、今後もYahoo! JAPANのブランド力やアスクルの商品調達力、出前館のユーザー基盤と配達品質を生かしたグループシナジーを通じて、ユーザーの「欲しいものが欲しい時に手に入る」世界の実現を目指すとしており、これからの展開にも注目と言えそうだ。

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