トクポチが1年で約14トンのフードロス削減を達成

ECのミカタ編集部

「トクポチ」を運営する株式会社STRK(所在地:滋賀県東近江市、代表取締役:佐藤 隆史朗、以下「STRK(」または「同社」)は、1年間で、約14トンのフードロス削減に貢献したことを公表した。

開始1年で約14トンのロス削減

フードロス削減を目的としたECサイト「トクポチ」を運営するSTRKは、2021年8月1日からサービスを開始した1年間で、約14トンのフードロス削減に貢献したことを公表した。トクポチは「賞味期限間近」などのワケあり商品を割安な価格で販売している会員制の通販サイトだ。

同サイトを通じて、近年、社会的な課題になっている食品ロスなどの「ロス問題」をできるだけ多く減らし、社会貢献活動への取り組みとすることを目標としているとのことだ。トクポチで商品を購入する場合、「スタンダード」と「プレミアム」2つのプランのどちらかに加入する必要があり、割引率はプランによって変わる。

消費期限と賞味期限の違い

消費期限と賞味期限の違い

同社は、消費期限と賞味期限の違いにも言及している。法律上は衛生上の危害を及ぼすおそれのないものであれば「賞味期限」を過ぎた商品でも問題ない。それと比べ「消費期限」を過ぎた食品については飲食に供することを避けるべき性格のものであり、これを販売することは厳に慎むべきものだという。

賞味期限と消費期限の違いは「その食品の劣化のし易さ」にある。「賞味期限」は味が変わらない期間つまり「美味しく食べられる期限」を指しており「レトルト食品」や「缶詰」「ペットボトル飲料」などが対象になっている。食品の腐敗や劣化が早く「目安としては5日以内の間に劣化してしまう」と考えられている「弁当」や「惣菜」は「消費期限」表示が必要とされている。

つまり「賞味期限」が設定されている食品は長持ちし、期限が切れていても必ずしも食べられないという事ではないということだ。そして「賞味期限」が設定されている商品には「消費期限」は設定されていない。「賞味期限」が設定されている商品に関しては、販売してはいけない期限の設定はなく、食べられるかどうかの最終的な判断は消費者に委ねられているとのことだ。

ただし、あくまで賞味期限も開封前や定められた保存方法における際の目安となる。例えば缶詰(鯖の水煮)などを開封して数日放置しておくと、たとえ賞味期限前でも劣化する。最後は自身の判断で廃棄等を決めることになるが、基本的に賞味期限が切れているから何でも廃棄しなければならないという事ではないということになる。

その上で、一般に賞味期限が「3分の1」や「3分の2」残っているにも関わらず一般流通から弾かれて撤去・廃棄されている食品がたくさん存在している。その数、なんと年間で646万トンにものぼるという。この量は、国連世界食糧計画(WFP)が世界で行っている年間の食品援助量の実に2倍にもなる。

トクポチでは、この「賞味期限が残っているのに廃棄されている商品」を扱うことで「低価格」や「最大0円」での販売を実現している。廃棄処分されるのであれば「タダでもいいので誰かの役に立つ商品になればいい」という思いからトクポチはスタートしたのだ。

日本が年間に廃棄している食品646万トンに向き合う

日本が年間に廃棄している食品646万トンに向き合う

公表に際して同社では次のように述べている。

「昨今、国連が提唱しているSDGsという言葉を耳にした方も多いのでは無いでしょうか?SDGsとは、『Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)』の略称です。 現在地球は木々の光合成など毎年多くの資源を生み出していますが、一方で我々人類は毎年多くの資源を使っています。地球が1年間に生み出す資源を『1』とすると現在人類は1年間に『約1.7』の資源を使っているそうです。このままのペースが続くと、いつの日か地球の全ての資源を使い果たしてしまい我々人類が生存できない未来が来てしまう恐れがあります。

そこで国連が中心となり2030年までにこの資源の消費を、地球が生み出す資源の量とイコールにし、持続可能な世界を作ろうと『17種類の項目とその目標数字』を設定したのが、SDGsです。SDGsの12項目『つくる責任、つかう責任』の中に食品ロスの問題も解決すべき問題として掲げられています。2050年には世界の人口が現在の74億人から30%上昇した96億人達すると見られ、この人口を支えるには地球とほぼ同規模の惑星3つ存在しないと困難とされています。(参照:国連広報『170822 Why it Matters Goal 12 Consumption(EJ)』)

人口増加に伴い世界中で飢餓に苦しむ人が現在の2.5倍の20億人に到達すると予測されています。その中で食品ロスを削減しようという動きが世界各国にて起こっているのですが…現在日本が年間に廃棄している『食べられるのに廃棄している食品』はなんと1年間で646万トン。この量は、国連世界食糧計画(WFP)が1年で世界中にしている食品援助量の2倍にもなります。食べられるのに廃棄している量だけで646万トン。これらの多くに賞味期限切れの食材が廃棄されているのは言うまでもありません」

持続可能な社会への取り組みは、EC企業をはじめとした社会全体、そして一人ひとりに投げかけられた喫緊の課題だ。特に食品ロスは、同社が述べているように、日本と世界で膨大な量に上る。この課題に事業として取り組む同社のトクポチは、ECの持つ可能性の大きさを体現しているとも言えるだろう。

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