【2023版】問い合わせ対応・管理ツールを比較!メリットから選び方、活用のコツまで

ECのミカタ編集部

問い合わせ対応での課題解決に有効な、問い合わせ対応システム。問い合わせ対応システムは、複数チャネルからの問い合わせや件数の増加にも、スムーズに対応できる便利なツールです。本記事では、問い合わせ管理システムを導入するメリットや選定時のポイントを解説します。おすすめの問い合わせ管理システム7選と活用のコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

問い合わせ管理システムとは

問い合わせ管理システムとは、顧客やユーザーからの問い合わせ情報を管理するためのシステムです。顧客対応を迅速で的確にするためにも導入を検討したいシステムですが、「具体的な機能がわからない」という方も多いでしょう。

以下では、問い合わせ管理システムの必要性やおもな機能、導入のタイミングについて紹介します。

問い合わせ管理システムの必要性


近年では、さまざまなチャネルからの問い合わせに対応しなければならず、従来のやり方では問題やトラブルが発生しやすくなっています。また、問い合わせ数やオペレーターの数が増えるほど管理は複雑になりやすく、システムを整えなければ業務効率が悪化することもあるでしょう。

問い合わせ管理システムには、顧客対応に関するさまざまな機能が搭載されており、Excelやスプレッドシートでの管理に比べて業務効率アップに期待できます。

問い合わせ管理システムの主な機能


製品によって機能の詳細は異なりますが、一般的な問い合わせ管理システムでおもに搭載されている機能は次のとおりです。

● ステータス管理・・問い合わせ状況や担当者などの情報を管理
● 顧客情報管理・・顧客情報や対応履歴を管理
● テンプレート機能・・テンプレート回答作成
● 自動振り分け機能・・条件にあわせて担当を自動振り分け
● 分析、レポート機能・・対応状況を表やグラフに反映

問い合わせ管理システムの導入タイミング


問い合わせ管理システムは、「解決したい課題がある」と実感したタイミングで導入するのがよいでしょう。とくに問い合わせ件数の増加・オペレーターの増員がある場合は、導入を検討するのが望ましいと考えられます。

具体的な目安として、以下のようなタイミングがあげられます。

● 1日あたり20件以上の問い合わせに増えたとき
● オペレーターが2〜3名以上に増えたとき

問い合わせ件数の増加・オペレーターの増員によって、「対応遅れや重複対応などのミス」「スタッフの対応品質に差が生じる」などのトラブルが生じやすくなります。顧客からの問い合わせに迅速・的確に対応するためにも、必要性を感じたら問い合わせ管理システムの導入を検討してみましょう。

問い合わせ管理システムを導入する4つのメリット

問い合わせ管理システムに搭載されている機能には、業務の効率化がはかれるものや売上アップにつながるものなどがあります。

以下で、システム導入後に得られる代表的なメリットを4つ紹介します。

メリット1.窓口の一元管理で業務効率化


事業内容にあわせて、さまざまなチャネルを展開している企業も多いと思います。従来の窓口であった電話やメール、問い合わせフォーム以外にもSNSやチャットなど、複数経路からの問い合わせを管理する場合、バラバラに管理してしまうとトラブルの原因になりかねません。

問い合わせ管理システムを導入することで、各チャネルからの問い合わせに対する状況やステータス管理、履歴の表示、チャット機能などが一元管理できるようになります。

また、口頭でおこなっていた社内での確認や相談もシステム内で把握できたり、複数の管理画面での確認や転記が不要になったりと業務効率アップにつながります。

メリット2.管理・対応の工数削減


問い合わせ管理システムには、受信したメール内のキーワードによって自動で担当者を振り分けたり、自動でメールを転送したりと、問い合わせ管理にまつわる工数を削減できる機能があります。

これまで手動でおこなっていた作業を自動化できることによって、管理や対応にかかる手間や時間が減り、1日の対応数を増やすことも可能になります。

メリット3.問い合わせデータの分析・活用


問い合わせ管理システムに蓄積された、顧客からの問い合わせ内容のデータを分析することで、商品やサービスの改善・改良に役立てられます。顧客からの問い合わせには、商品やサービスを改善するヒントが隠されていることも少なくありません。

たとえば同じ内容の問い合わせやクレームが多い場合、該当する部分は改善すべき点として予想できます。問い合わせ管理システムを使って効率よく自社のサービスや運営体制に「顧客の声」を反映することで、顧客満足度向上による売上アップも期待できます。

メリット4.対応品質の向上


整理された情報をもとにゆとりをもって対応できるようになれば、見落としによる対応漏れや重複対応などのミスの防止にもつながります。問い合わせ対応は顧客満足度にも影響する大切な要素のため、対応の品質を向上することでリピーター増加などの売上アップにも期待できます。

問い合わせ管理システムを選ぶ際のポイント

問い合わせ管理システムは各社さまざまなサービスを展開しているため、「どのシステムを選ぶべきかわからない」という方も少なくありません。しかし、自社にとって最適な問い合わせ管理システムを選ぶには、いくつかおさえておくべきポイントがあります。

以下では、問い合わせシステムを選ぶ際のポイントを7つ紹介します。

自社で使用しているチャネルに対応しているか


問い合わせ管理システムによって対応チャネルは異なるため、自社で使用している窓口に対応しているかを確認しておきましょう。基本的にどの問い合わせ管理システムも、メール・電話に対応しています。

そのほかのSNSやLINE、チャットツール、ECモールなど、連携必須のチャネルがあれば、今後の導入予定も含めて確認しておくとよりよいです。

誰でも使いやすいデザイン・操作性か


問い合わせ管理システムは、複数のオペレーターや担当者が扱うことになります。いくらデザインに優れたシステムであっても、不要な機能が多かったりカスタマイズ性が低かったりすると、思ったような効果が得られないかもしれません。

「誰がみてもわかりやすいデザインになっているか」や「直感的に操作可能か」などに注目して選びつつ、無料トライアルがあれば積極的に試してみましょう。

ミス防止の対策ができるか


問い合わせ対応業務が複雑化すると、ヒューマンエラーを完全に防ぐのは難しいでしょう。とくに、窓口が増えているにも関わらず管理方法の見直しがなされていない場合、処理に時間がかかったり二重対応などのミスを招きやすくなります。

問い合わせ対応システムによっては、ミス防止への対策としてステータスごとに色を変えるなどの機能が搭載されています。ミス防止への対応をどのようにおこなっているのかはシステムによって異なるため、事前に比較しておきましょう。

ナレッジの共有がしやすいか


問い合わせ対応を人為的におこなっていると、対応に個人差が生じることも少なくありません。そこで注目したいのが、ナレッジ共有についての機能です。

ナレッジの共有しやすい管理システムを導入することで、テンプレートによる回答やFAQ・コミュニティの設置などが容易になり、対応ノウハウを蓄積しつつ属人化解消が目指せます。

自社が欲しいデータを算出できるか


問い合わせ対応で蓄積した情報は、顧客対応への品質を高めるだけでなく商品・サービスの改善、マーケティングに反映できる貴重なデータです。問い合わせ対応を担当するスタッフの人事評価に活用したい場合なども含めて、目的に応じたデータが算出できるかどうかを確認しておきましょう。

セキュリティ対策は万全か


外部システムを導入する場合、セキュリティ対策をどのようにおこなっているかも重要なポイントです。問い合わせ管理システムには、問い合わせの内容だけでなく、顧客の名前や年齢、住所などの個人情報も大量に保存されています。

とくにクラウド型の管理システムを導入する場合、データの暗号化や不正アクセス対応、障害対策、バックアップ周期などをしっかりと確認しておきましょう。

サポート体制は整っているか


問い合わせ管理システムを導入するにあたって、担当者が理解して使いこなせるようになるまで、どのようなトラブルが生じるかわかりません。また、事業内容の変更などによりカスタマイズが必要になるケースもあります。

トラブル等が発生したとき、どの程度までサポートしてくれるのかもチェックしておきたい項目のひとつです。
多くの管理システムでは無料トライアル期間が用意されているため、自社からの質問に対する受け答えなども確認しておくとよいでしょう。

おすすめの問い合わせ管理システム7選

以下では、おすすめの問い合わせ管理システムを紹介します。各システムの特徴や費用を比較して、自社に最適なサービスを選びましょう。

Zendesk(株式会社zendesk)


https://www.zendesk.co.jp/
Zendeskは、アメリカに本社をおくカスタマーサポートソフトウェアの開発・提供をおこなっている企業です。導入実績は世界中で11万社以上。多機能な総合型チケット管理システムを採用しており、問い合わせメールへの自動返答・自動割当ができて事業にあわせて機能のカスタマイズも可能です。

費用はエージェント1人あたり月額19ドル〜215ドルで、幅広いチャネルの一元管理に対応しています。

Re:lation(株式会社インゲージ)


https://ingage.jp/relation
Re:lationは、マルチチャネルからの問い合わせを同一画面で管理できる問い合わせ管理システムです。メールや電話、チャット以外にTwitterや楽天のRMSやYahoo!ショッピングとの連携も可能。

対応中のメールはロックがかかり編集不可になる機能や、AIが最適な返信用テンプレートを推奨してくれるなど、さまざまな角度から問い合わせ対応をサポートしてくれます。

費用は月額12,800円〜で初期費用15,000円。どちらも無料で利用できるお試しプランも用意されています。

freshdesk(株式会社freshwork)


https://www.freshworks.com/jp/freshdesk/
freshdeskもZendesk同様、アメリカ発のヘルプデスク・問い合わせクラウドツールです。特定のプロパティをもとに各チャネルから受信したメールをチケットに変換して振り分け、もっとも重要な問い合わせを明確にしてくれます。

また、freshdeskではチームが効率的に作業をおこなうための機能が豊富で、タスクを分割することで作業の同時進行も可能。
費用はサポートデスクが月額15ドル〜で、オムニチャネルは月額29ドル〜となっています。

メールディーラー(株式会社ラクス)


https://www.maildealer.jp/top_abt-c.php
メールディーラーは、「楽楽精算」や「楽楽明細」を開発した株式会社ラクスが提供するクラウド型の問い合わせ管理システムです。メール管理に強みをもつメールディーラーは、ECサイトや大規模なコールセンターなどの導入実績もあり、13年連続で売上シェアトップ。

対応状況によってメールを自動的に管理するだけでなく、社内共有のためのコメントやチャット、Q&A機能なども搭載しており、チーム全体の業務効率化に期待できます。メール以外にも電話や各チャネルからの問い合わせにも対応しており、受注管理や在庫管理システムとの連携も可能です。

メールワイズ(サイボウズ株式会社)


https://mailwise.cybozu.co.jp/
クラウドベースのグループウェアや業務改善ソフトウェアを開発している、「サイボウズ株式会社」のサポート部門で実際に活用されていたシステムを製品化したのが、メールワイズです。

メール対応専用のグループメーラーが、1ユーザー月額500円からという低コストで利用できる手軽さも魅力。
同社が提供する「kintone」との連携により、顧客を選んでメールを個別送信できる機能や、過去のやりとりを一元管理できるようになります。

yaritori(Onebox株式会社)


https://yaritori.jp/
yaritoriは、複数のメールの対応状況をチーム内で可視化・共有できる問い合わせ管理システムです。

メールごとにチャットできるため、対応方針や担当者選定などの相談が可能。誰でも迷わずに使えるデザインかつ画面遷移がないため、操作しやすいところもポイントです。さらに、カテゴリーごとに複数のテンプレートが登録できてメール対応の属人性を防止。

料金プランは1ユーザー月額1,980円〜9,980円で、すべてのプランで初期費用3万円かかります。

WEBCAS(株式会社WOW WORLD)


https://www.webcas.jp/
企業と顧客の双方向コミュニケーションのサポートシステムを提供するWEBCASシリーズです。WEBCASシリーズの1つ「WEBCAS mailcenter」は、オペレーター登録無制限の問い合わせメール共有・管理システムです。

メール受信の経過時間を色分け表示したり、グループごとにオペレーターを設定することで外部アクセス不可にしたりと、メール管理に便利な機能を搭載。

導入形態が「クラウド版」と「導入型」の2種類あり、規模やコストにあわせて選べます。

問い合わせ管理システムを活用する3つのコツ

導入後のシステムを使ってどの程度成果があげられるかは、使い手によって決まるといっても過言ではないでしょう。そこで、問い合わせ管理システムの能力を最大限発揮するコツを3つ紹介します。

システムを活用して高い成果をあげるためにも、以下のポイントを意識してみてください。

コツ1.テンプレートやFAQを活用する


まずおこないたいのが、「頻繁に問い合わせのある内容」への対応です。顧客自身が自分で解決できることまでオペレーターが対応していては、業務の効率化にはなりません。そこで、登録情報の変更や配送に関する問い合わせなど、同じような問い合わせにはテンプレート機能を使って返信内容を作成しておきましょう。

また、「よくある質問」としてFAQを設けておくと、顧客が自己解決しやすくなります。テンプレートやFAQ機能を活用することで、オペレーターの負担軽減や時間短縮につながります。

コツ2.問い合わせの対応履歴を正しく残す


顧客からの問い合わせに迅速に対応するためにも、問い合わせ履歴を整理した状態で管理することも大切です。顧客情報や問い合わせ履歴の蓄積とともに、フォルダを大量に作成したり階層を深くしたりと、データ管理を複雑化させてしまうこともあるでしょう。

多くの問い合わせ管理システムには、ジャンルやカテゴリーごとに自動で振り分けられる機能が搭載されています。システム導入後は、どのメールをどのように振り分けるかをしっかりと検討して、対応履歴へスムーズにアクセスできるようにしておくよいです。

コツ3.業務効率の最適化


これまでのデータ管理が複雑化している場合は、業務フローを見直す必要があります。問い合わせ管理システムの導入により、これまでの管理手法を大きく変えなければならないケースも多いです。そのため導入直後はオペレーターや担当者が戸惑い、慣れないシステムが原因で対応に遅れがでるかもしれません。

もし必要であれば、導入支援のあるシステムや、サポート体制が整っているシステムを選ぶとよいでしょう。

まとめ

問い合わせ管理システムを導入することで、複数チャネルからの問い合わせの一元化やリアルタイムでの情報共有、担当者同士でのチャットを使った対応相談などが容易になります。過去の問い合わせデータをわかりやすく管理することは、業務の効率化や対応品質の向上なども見込めるなど、メリットがたくさんあります。自社に最適な管理システムを導入・活用して、問い合わせ対応における課題解決を目指しましょう。


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