カスタマーサービス代行業者の選び方!利用するメリット・デメリットからおすすめの代行会社まで

ECのミカタ編集部

近年ますます重視される顧客対応ですが、リソース不足で理想的なサポート体制を整えられない企業も多いでしょう。そこで注目されているのが、カスタマーサービス代行業者です。本記事では、カスタマーサービス代行業者を利用するメリット・デメリットから選び方を解説します。おすすめの代行業者も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

カスタマーサービスとは

カスタマーサービスは、その名のとおり「顧客対応」のことです。顧客対応とひとことでいっても、購入前〜購入後まで顧客が感じる疑問や問題点はさまざま。自社商品やサービスを手にする顧客の満足度を高めるためにも、購入前の段階から購入後まで各フェーズでの問い合わせに対応できるサポート体制を整えておくのが望ましいと考えられます。

カスタマーサポートとの違い


カスタマーサービスとよく比較される言葉に、「カスタマーサポート」があります。両者は業務内容が似ているため違いの差はあまり大きくなく、はっきりと線引きするのが難しいのも事実です。

ただ、本質的にカスタマーサービスとカスタマーサポートは少し異なり、以下のように捉えておくとわかりやすいでしょう。
● カスタマーサポート:問題を解決する方法を伝える
● カスタマーサービス:疑問や問題となっている理由を伝える

カスタマーサポートでは、問題解決のための技術的な方法を伝えるという目的で顧客のサポートをおこないます。一方、カスタマーサービスは顧客の目標達成のための道筋を伝えたり、技術的な問題だけでなく顧客と自社との関係性を向上させることに重きをおく部門となります。

カスタマーサービスの運用形態


カスタマーサービスは自社で運用する「インハウス」と代行業者に依頼する「アウトソーシング」の2つに大きくわけられます。なかには大部分は社内運用で、一部の業務を代行業者に委託する形をとっている企業や事業者もあるでしょう。

カスタマーサービス代行業者には専属のオペレーターが在籍しており、自社内のリソースを確保する必要はありません。顧客からの問い合わせ対応はもちろん、予約対応、苦情対応、通信販売など、依頼側の希望にあわせた業務をおこなうのが一般的です。

また、メール・FAX対応、外国語対応、24時間対応など独自サービスを提供している代行業者もあります。

カスタマーサービスの目的と重要性・必要性

カスタマーサービスは顧客満足度に影響する要素の1つですが、具体的に「どれほどの重要性があるのかわからない」という方もいるかもしれません。ここでは、カスタマーサービスを充実させる目的や重要性・必要性について詳しく解説します。

カスタマーサービスの目的


そもそもカスタマーサービスの役割は、顧客が商品やサービスに対して感じる疑問や不満を解消することを目的としています。どのような企業でも、顧客がいなければ利益を得ることはできません。

顧客への対応が悪い場合、企業やブランド、商品に対してマイナスイメージを与えることもめずらしくなく、競合他社に顧客が流れてしまうこともあるでしょう。

顧客離れの事態を防ぐためにも、カスタマーサービスでは顧客からの問い合わせに対して、スムーズかつ思いやりのある対応が求められます。また、単に問い合わせに回答するだけではなく、顧客満足度調査などのデータを収集してサービスの品質向上に役立てるなどの目的もあります。

カスタマーサービスの重要性


インターネットによって利用者のリアルな口コミが拡散されやすくなった今、これまでよりもカスタマーサービスの重要度は高まりつつあります。同じ商品やサービスを利用したとしても、カスタマーサービスの対応によって顧客に与える印象は大きく異なります。

そのため、基本的なマニュアルを徹底するのは当然ながら、可能な限り柔軟に対応することや相手の気持ちに寄り添うことも重要な要素といえるでしょう。

カスタマーサービスの必要性


もし顧客が商品についての疑問を解消したいときにカスタマーサービスがなければ、購買をあきらめてしまうかもしれません。また、低品質なカスタマーサービスでは、顧客に悪いイメージを与えてしまう可能性もあるでしょう。

とくに社内リソース不足により主業務と平行して顧客対応をおこなっている場合、十分な時間がとれなかったり、顧客の声を品質向上に反映できなかったりという問題がおこりやすくなります。

もし「自社で顧客が満足できるほどのサービスを提供できていない」という課題が生じているのであれば、必要な要素を満たす代行業者を選び、安定的な稼働を目指すのがベストといえるでしょう。

カスタマーサービス代行を利用するメリット

カスタマーサービスの重要性は感じているものの、なかには「代行業者を利用するほどでもない」と感じている方もいるかもしれません。しかし、多くの企業にカスタマーサービス代行は利用されています。

カスタマー代行を利用するとよい理由と具体的なメリットを3つ紹介します。

プロの応対で品質向上が見込める


カスタマーサービス代行業者を利用すると、研修や経験を積んだプロのオペレーターに対応を任せられます。とくにクレームやトラブルなどの難しい対応には、経験やノウハウがなければ顧客に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

しかし、代行業者に在籍する経験豊富なプロが対応してくれることで、自社に顧客対応ノウハウやリソースがなくても顧客対応の品質向上に期待できます。

社内人材や時間の有効活用ができる


新しくカスタマーサービス部門を立ち上げるとなった場合、社内のスタッフもしくは新しい人材を確保しなければなりません。しかし、カスタマーサービスをアウトソーシングすることで、社内の人材を顧客対応に配置する必要がなくなります。

また、これまで社内でカスタマーサービスをおこなっていた場合も、担当者はほかの業務に時間を使えるようになり効率アップにもつながります。

自社運営よりコスト削減できる可能性


社内で良質なカスタマーサービスを提供するには、人材育成や設備投資など多くのコストがかかります。電話機やFAX、チャット、IP-PBX、情報共有システムの導入など、顧客からの問い合わせにオペレーターが対応できる環境構築は必須となります。さらに、環境維持のためのコストも忘れてはなりません。

カスタマーサービス代行業者を利用することで自社で環境を整える必要がなくなり、構築や人件費、通信費などにかかるコストを削減できる可能性が高まります。

カスタマーサービス代行を利用するデメリット

カスタマーサービス代行業者には、メリットだけでなくデメリットがあることも知っておく必要があります。
どの部分を大きなデメリットと捉えるかは状況によって異なりますが、代表的なデメリットとして考えられるものを3つ紹介します。

社内にノウハウやナレッジが蓄積しない


カスタマーサービスを外部に委託することで、社内にノウハウやナレッジの蓄積ができなくなります。一部のみ任せる場合もすべて任せる場合のどちらにしても、代行業者が対応している内容に関する知識や技術は社内に残すことができません。

将来的に内製化を考えるのであれば、内製化までのサポートをおこなっている業者、もしくはマニュアルを共有してくれる業者を選ぶとよいでしょう。

顧客対応力が低下する可能性


カスタマーサービス代行業者を利用すると、社内のスタッフが直接顧客に対応する機会が減ります。その結果、社内スタッフの顧客対応力が低下する可能性も考えておかなければなりません。

カスタマーサービス代行業者では、マニュアルや自社の希望に沿ってくれますが、企業理念などの一歩踏み込んだ部分への対応は難しいかもしれません。

顧客の要望や改善点などの情報を共有してくれる代行業者を選んだり、定期的に代行業者とコミュニケーションをとったりと、自社でできる対策を考えるとよいでしょう。

セキュリティリスク


自社の顧客情報を外部が管理することになると、セキュリティへのリスクは避けられません。サイバー攻撃などの懸念もあるなか、情報漏えいは企業にとって死活問題ともいえるほど重大なダメージとなります。

カスタマーサービス代行業者を選ぶ際には、セキュリティ対策をどのようにおこなっているのかを必ず確認し、信頼できる業者を選びましょう。

自社ではカスタマーサービス代行を利用すべき?

現状の顧客対応に課題は感じているものの、カスタマーサービス代行業者を利用すべきか悩む方も多いでしょう。利用すべきかどうかお悩みであれば、「費用対効果」をみて判断するのがおすすめです。

まずは今、カスタマーサービスにかかっている人件費や建物のスペース分の賃料、設備、システムやヘッドホンなどの機器代、光熱費や電気代など、細かな部分の費用も含めてコストを洗い出してみてください。
すべてのコストを洗い出したうえでカスタマーサービス代行業者の選定〜見積もりを依頼し、費用対効果をみたうえで検討してみましょう。

カスタマーサービス代行の選び方

ここでは、カスタマーサービス代行業者の選び方を紹介します。どれだけよい対応ができるカスタマーサービスでも、自社の課題を解決できる代行業者でなければ意味がありません。

カスタマーサービス代行業者の選定時は、以下の4つのポイントをチェックしましょう。

委託できる業務内容や稼働時間


カスタマーサービス代行業者は、それぞれ委託できる業務内容や営業時間が異なります。そのため、自社が求める業務に対応してくれるかや、対応してほしい時間帯に稼働してくれるかなどの確認は必須です。

以下のような項目のほかにも、自社サービスにおいて欠かせない業務をチェックしておくとよいでしょう。

● 平日の営業時間
● 夜間・休日対応
● 在庫管理や決済業務の対応
● 電話以外の顧客対応

金額・費用対効果


カスタマーサービスの料金体系は、基本的に「従量課金制」もしくは「月額固定制」のどちらかとなります。従量課金制の場合はコール件数にあわせて課金され、月額固定制であれば設定した件数までは一定料金で、上限を超えた分が追加される仕組みとなっています。

委託する業務内容や業務の難易度と金額のバランスをみて、より高い費用対効果が得られそうな代行業者を選びましょう。

実績・クオリティ


これまでの導入実績やサービスのクオリティも選定基準の1つです。カスタマーサービス代行業者のWebサイトや口コミなどがあれば、チェックしておきましょう。

また、自社から見積もり依頼する時や問い合わせの際の対応なども、提供しているサービスのクオリティの判断材料になります。

セキュリティ体制


顧客情報の流出を防ぐためにも、セキュリティ体制の確認は必須項目です。プライバシーマーク(Pマーク)の取得やISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しているかどうかや、オペレーターへの研修・指導がおこなわれているかも確認しておきましょう。

おすすめカスタマーサービス代行会社8選

カスタマーサービス代行をおこなっている業者はさまざまあり、どのサービスを選ぶべきか悩む方もいるでしょう。
以下では、おすすめのカスタマーサービス代行会社を8つ紹介します。

TMJ(株式会社 TMJ)


https://www.tmj.jp/
TMJは、 セコムグループの子会社が運営するBPO事業のなかのカスタマーサービスです。インバウンド業務だけなくアウトバウンド業務にも対応可能で、新規顧客獲得の珠江のセールスサポートなどもおこなっています。

顧客理解を深めるための人材育成をおこなっており、顧客のニーズに応えられるサービスを提供。AI音声を使った自動応答サービスでは、業務の選定からシナリオ作成、導入後の運用や改善までのトータルサポートが受けられます。

電話代行サービス(電話代行サービス株式会社)


https://denwadaikou.jp/
電話代行サービスは、電話代行業者として30年以上の実績があるカスタマーサービスです。業界でもめずらしいオーダーメイド型プランを用意しており、業種や経営方針にあわせた対応方法を選択可能。

現在普及している主要チャットツールを通じての受電内容の報告が受けられるので、連携や社内共有の効率化にも期待できます。

電話代行サービスe秘書(株式会社ベルシステム24ホールディングス)


https://www.tas.bell24.co.jp/
電話代行サービスe秘書は大手企業の電話対応もおこなっている、大規模なコールセンター「ベルシステム24」が運営する電話代行サービスです。さまざまな研修や教育をうけたプロのオペレーターによる対応や、周りの声やノイズが入らない通信環境によるサービスを提供。

スタンダードコースなら月額10,000円から利用できるため、低予算でも導入できます。

日本トータルテレマーケティング(日本トータルテレマーケティング株式会社)


https://www.ntm.co.jp/
カスタマーサービスをはじめ、EC総合支援サービスやフルフィルメントサービスなど、各種サービスをワンストップで代行している日本トータルテレマーケティング。インバウンド業務ではテクニカルサポートやキャンペーン事務局、通販受注を含むカスタマーサポートに対応しており、アウトバウンド業務では営業代行や休眠顧客の発掘などもおこなっています。

なお、電話対応以外にもメールやFAX、チャット、SNS、アプリなど、幅広いチャネルへの対応が可能です。

秘書センター株式会社(秘書センター 株式会社)


https://www.hishocenter.com/
秘書センター株式会社は、24時間365日対応している電話代行サービスです。コールセンター業務・受注業務・保守業務を代行しており、費用は受電分のみの完全従量制で24時間単価は一律となっています。

TV通販に対応するマシンを活用することで、突発的な大量入電にも対応できるのが大きな特徴。利益改善への対応力が高い傾向にあり、ただ電話を受けるだけではなく営業の効率化やコスト削減による売上アップにも期待できます。

PCテクノロジー(PCテクノロジー株式会社)


https://www.pct.co.jp/
PCテクノロジーは、国内携帯電話販売最大手ティーガイア社の子会社が運営するカスタマーサービスです。電話対応だけでなく書類の仕分けやデータ入力、顧客への商品発送など、バックオフィスにおけるオペレーション支援もおこなっています。

また、チャットボットや音声自動サービスの最適な運用や改善点の提案サポートにより、顧客の動向や要望にあわせたサポート環境が整えられます。

プレステージ・インターナショナル(株式会社プレステージ・インターナショナル)


http://www.prestigein.com/solutions/so_bpo_crm.html
7つのBPO事業を展開する、株式会社プレステージ・インターナショナルのカスタマーサービスです。データベースをもとにした分析によるマーケティングに強みをもち、ゲーム機やスマートフォンなどの修理受付や交換の手配などもおこなっています。

ビジネスアシスト(株式会社ビジネスアシスト)


https://www.biz-assist.co.jp/
電話代行スキルに秘書サービスのクオリティを加えた、高品質なカスタマーサービスを提供するビジネスアシスト。会話中のおもてなしを大切にするオペレーターを育成しており、ブランドイメージ向上に期待できます。

費用は基本プラン月額20,000円〜、専門業・士業向けプラン月額30,000円〜で、どのプランも初期費用は無料(すべて税抜)。7,900社以上の契約実績をもつカスタマーサービス代行業者です。

まとめ

カスタマーサービスは顧客に直接的なイメージを与える「企業の顔」ともいえます。自社で顧客が満足するサポート体制が整えられるのであれば問題ありませんが、リソース不足を感じている場合は代行業者を利用するのがおすすめです。より高品質なカスタマーサービスを実現し、顧客満足度アップを目指しましょう。


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