ヘルプデスクとは?ヘルプデスクにおける課題や外注サービスまで詳しく解説
事業が拡大するにつれて、大きくなっていくヘルプデスク業務の負担。近年では、そんなヘルプデスク業務を社内に立ち上げるよりも、外注(アウトソーシング)する企業が増えてきています。
本記事では、ヘルプデスクを設置するときの課題や解決方法、ヘルプデスクを外注するときのメリット・デメリットなどを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
■目次
・ヘルプデスクとは
・ヘルプデスクを導入するべき企業や設置するメリット
・ヘルプデスクの設置における課題
・ヘルプデスク業務を効率化するには
・ヘルプデスクを外注するメリット・デメリット
・自社での運用が難しい場合は外注がおすすめ
ヘルプデスクとは
ヘルプデスクとは、自社の商品や自社で運用しているサービスに関する疑問を解決する業務です。ヘルプデスクは社内からの問い合わせに対応する社内ヘルプデスクと、顧客からの問い合わせに対応する社外ヘルプデスクの2種類に大きく分けられます。
社内ヘルプデスクとは
社内ヘルプデスクでは「新しく導入したIT機器の使用方法が知りたい」「システムエラーを対処してほしい」など、社内の従業員からの質問や問い合わせに対応します。そのため、自社で運用しているパソコン機器やシステムについての専門的な知識・スキルが必要不可欠となります。
社外ヘルプデスクとは
社外ヘルプデスクでは、「購入した商品に不具合がある」「返品したい」などといった顧客や取引先からの質問やクレーム、問い合わせにメールや電話を通じて対応します。社外ヘルプデスクは顧客満足度にも関わってくるため、社内ヘルプデスクよりも対応技術が求められます。
カスタマーサポートやコールセンターとの違い
ヘルプデスクはよくカスタマーサポートと混同されやすいですが、両者は対応する相手が異なります。カスタマーサポートは電話で顧客の疑問を解決することが主な業務ですが、ヘルプデスクは顧客だけでなく社内からの問い合わせにも対応します。
また、ヘルプデスクは自社の商品に関する問い合わせが多いカスタマーサポートに比べて、システムの運用サポートなども行うため、より専門的な知識やスキルが必要になることも多くあります。
社内SEとの違い
ヘルプデスクと似た業務として社内SEが挙げられます。ヘルプデスクは社内外の問い合わせに対応することが主な業務でありますが、サービスの開発などは行いません。
対する社内SEは企業の業務効率化を目的として、社内システムの開発から運用・保守など、IT環境を基盤レベルで整備する業務です。
ヘルプデスクを導入するべき企業や設置するメリット
従業員が多い企業
従業員が多く、規模が大きい企業は必然的に問い合わせの件数が多くなります。そのため、ヘルプデスクを設置していない=ヘルプデスクの役割を兼任している社員がいる状態では、全ての問い合わせに対応しきれない上に業務が圧迫されてしまいます。
「規模が大きくなってきた」、「対応が難しくなってきた」と感じたらヘルプデスク部門の設置を検討した方が良いでしょう。
幅広い製品を扱う企業
多くの製品を扱っている場合、顧客や社内からの問い合わせに対応する社員は幅広い製品に関する深い知識が求められます。
社員内で知識に偏りがあると、一人の社員がヘルプデスク業務を請け負うといったような負担がかかり効率も悪くなります。そのような事態を防ぐためにも、幅広い製品を扱う場合は商品知識に精通するスタッフを教育し、ヘルプデスクを設置した方が良いと言えます。
ヘルプデスク業務における課題
問い合わせ件数が多い
規模が大きい会社ほど問い合わせ件数は多くなる傾向があり、専属のスタッフだけでは対応しきれないことがあります。そうすると、顧客からの電話を取れなかったり、ミスが発生するなど顧客満足度や会社の印象を下げてしまったりするなどクレームにつながる可能性もあるでしょう。問い合わせ件数が多い場合には、要因を特定して対策を立てる必要があります。
属人化しやすい
ヘルプデスク業務は、対応するスタッフの経験やスキルに依存するため、属人化しやすい傾向があります。「この問題はこの人しか対応できない」という事態が発生すると全体の業務効率も悪く、対応に時間がかかってしまいます。特定のスタッフに負荷がかかるため、なるべくスタッフ間でのスキルを一定にするような教育が必要になるでしょう。
情報管理が難しい
ヘルプデスクは膨大な情報を扱うため、情報の管理は難しくなります。社内間での共有がスムーズにできなかったり、顧客対応の引き継ぎがうまくいかないなどの問題が起こる可能性があるため、社内において情報管理を徹底しなければなりません。
ヘルプデスク業務を効率化するには
社内マニュアルを整備する
社内マニュアルを整備することで社内ヘルプデスクの業務の負担を減らしたり、ヘルプデスクスタッフのサービスの品質を均一化することができます。
「項目ごとに情報をまとめる」、「わかりやすい言葉を用いる」など、社員の誰が見ても理解できるように整備することで、スムーズかつ品質の高い対応に近づくでしょう。定期的にマニュアルを見直すことも重要です。
チャットボットやFAQを活用する
チャットボットとはAIがチャット形式で顧客からの問い合わせにリアルタイムで回答するロボットのことです。簡単な質問であれば、チャットボットのみで疑問を解決することも可能であり、24時間365日稼働できるためヘルプデスクスタッフの負担を大きく軽減することができます。
さらに必要なときにはそのままスタッフに繋ぐこともできるのが利点です。また、FAQ(よくある質問)は社内・社外ヘルプデスクの双方に対して作成するのが良いでしょう。問い合わせが多い内容を元にあらかじめFAQとしてサイトやマニュアルにまとめておくことで、顧客や社員が課題を自己解決できる可能性を高めることができます。
ヘルプデスクを外注(アウトソーシング)する
ヘルプデスク業務自体を外注してしまうのも解決策の1つです。
外注の場合、人手不足を解消したり、自社での採用・教育コストを削減したりすることができます。また、業務を委託する範囲(一次対応だけ、専門的な内容も等)なども設定できるため、必要な部分だけを外注するというように、自社に合わせた運用も可能であることが特徴です。
ヘルプデスクを外注するメリット・デメリット
メリット
対応サービスの質やスピードの向上
多くの企業では情報システム部門の社員がヘルプデスクを兼任していますが、外注することで経験豊富なスタッフによるサポートを受けることができます。そのため、サービスの質やスピードの向上が期待でき、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
社員の負担軽減
ヘルプデスクを外注することでこれまで担当していた社員の負担を減らし、本来の業務に専念できるようになります。かつては社内外からの問い合わせ内容によって業務が圧迫されていたとしても、外注によって物理的にも精神的にも余裕ができ、社員のパフォーマンスの向上や離職のリスク減少につながるでしょう。
コストの削減
ヘルプデスクを外注すると、ヘルプデスクを担当する人員を採用する必要がなくなる上に人件費や教育にかかるコストを削減することができます。長期的に見ればヘルプデスクの人員を増やすよりかは、全体的なコストを抑えられる可能性が高いでしょう。外注によって削減できた費用は、他のリソースに充てるなどして利益につなげられるかもしれません。
デメリット
費用が高額になる可能性
ヘルプデスクを外注する場合、基本的には従量課金制で問い合わせ件数に応じた費用がかかりますが、テクニカルサポートなどの専門的な業務も外注する場合には、費用が高額になることがあります。
導入費用に加えて、月々にかかるランニングコストも必要となり、24時間対応といったオプションをつければ金額はより高くなるでしょう。予算に限度がある場合は外注する業務範囲を絞る、問い合わせ件数が少ない時期の契約を減らすといった工夫が必要です。
セキュリティのリスク
ヘルプデスクを外注すると外部の企業が自社の情報に触れる機会が多くなるため、情報流出のリスクが必然的に高まります。そのため、外注の契約を結ぶときにはセキュリティの体制が万全か、社員に対して十分な教育がなされているかを確認するようにしましょう。
外注の運用に手間がかかる
ヘルプデスクのアウトソーシングをスムーズに運用するまでには、自社の商品やサービス・ルールなどに関して理解してもらうために外注先との多くのコミュニケーションが必要となります。どこまでの業務範囲を委託するかにもよりますが、アウトソーシングの体制が整うまでにある程度の時間と労力がかかることは把握しておきましょう。
自社での運用が難しい場合は外注がおすすめ
これまでヘルプデスク業務を効率化する方法はいくつか紹介してきましたが、事業規模が拡大している企業や取り扱っている製品が多い企業はヘルプデスク業務を外注することがおすすめです。外注費用はかかりますが、長い目で見ると社内にヘルプデスク部門を設置するよりもお得になる可能性があります。
また、委託する業務範囲を絞ることでコストを抑えることも可能です。ヘルプデスクを効率化したいと考えているEC運営者の方は、アウトソーシングも検討してみてはいかがでしょうか。