佐川急便等のSGホールディングス、2024年3月期第2四半期決算 物価上昇や金融引き締め政策を受け業績予想を下方修正へ

ECのミカタ編集部

SGホールディングス株式会社では、2023年10月27日、2024年3月期第2四半期決算を発表した。

連結業績の営業収益・営業利益、前回に引き続きマイナスの結果に

SGホールディングス株式会社が2023年10月27日に発表した資料によれば、2024年3月期第2四半期の営業収益は6433億7800万円(前年同期比14.4%減少)、営業利益は386億6600万円(前年同期比39.7%減少)と大きくマイナスの結果となった。背景として業界全体として家計消費の弱まり等を背景に、宅配便の取扱個数が2022年末から鈍化。SGホールディングスとしても、物価調整後の家計消費支出の弱まり等の影響を受け、BtoB・BtoCともに減少していることがある。またロジスティクス事業における取扱量、運賃の低迷も影響しているという。

セグメント別業績については、EC事業者に関連のあるデリバリー事業とロジスティクス事業を中心に見ていく。

デリバリー事業、ロジスティクス事業ともに前年同期比マイナス

デリバリー事業の営業収益は5049億円(前年同期比125億円減少)、営業利益は345億円(前年同期比93億円減少)と前年同期比に比べ減少している。

宅配便の取扱個数は、物価調整後の家計消費支出弱まりなどの影響を受けて、取扱個数は326万個(前年同期比8万個減少)へ減少した。平均単価については、2023年4月からの届出運賃の改定や適正運賃収受の取り組みで前年同期比23億円と上昇している。

ロジスティクス事業の営業収益は1063億円(前年同期比963億円減少)、営業利益はマイナス16億円となった。物価上昇による景気後退や継続する米国での消費者マインドの停滞によって海上・航空貨物の取扱量は減少。また、海上・航空運賃についても停滞が続いていることが大きな要因だとしている。

2024年3月期に向けて業績予想を下方修正

今後の見通しとして、感染症による経済の落ち込みから回復しつつも、物価上昇や為替相場での円安および世界的な金融引き締め政策、地政学リスクの拡大などを背景に景気後退が懸念されるだろうとしている。業績が想定を下回ったことを受け、同グループは2024年3月期の連結業績予想数値を下方修正した。

※SGホールディングス「2024年3月期第2四半期決算について」より一部抜粋

また佐川急便では、2024年4月より「飛脚宅急便」をはじめとする配送費の引き上げを行う(※1)。エネルギー等の物価高騰が継続していること、2024年4月から開始されるトラックドライバーの時間外労働の上限規制による輸送力不足に対応するためだ(※2)。

同社グループの統合報告書2023によれば、物流インフラを維持するため、同社グループは人員配置の見直しや従業員給与引き上げ、モーダルシフトなどの適正リソースの確保、大型中継センターや拠点の再配置などの宅配便インフラの強靭化を行っている(※3)。2023年10月27日に発表された「東京中継センター」の新設もキャパシティの増強や営業所の中継機能を集約するため、リードタイムの短縮に寄与するものだ。

2022年度から実施されている中期経営計画「SGH Story 2024」の2年目として重点戦略である総合物流ソリューション「GOAL®」の高度化、競争優位創出につながる経営資源の拡充、ガバナンスの更なる高度化に引き続き取り組んでいくとした。

※1関連記事:佐川急便が2024年4月からの値上げを発表 物流の2024年問題への取り組みは
※2出典元:物流の2024年問題を知っていますか?
※3出典元:統合報告書 2023


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