クレカ不正利用被害額401.9億円、ネット不正送金被害約87.3億円でどちらも過去最多

ECのミカタ編集部

令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

警察庁は2024年3月14日、「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等」を発表。2023年1月〜9月までのクレジットカード不正利用被害額は、同期比で過去最多となる401.9億円にのぼることが明らかとなった。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

クレジットカード不正利用被害額は統計開始以降最悪に

キャッシュレス決済等の普及に伴い、クレジットカード決済市場の規模が増加する一方、クレジットカード不正利用被害も多く発生している。一般社団法人日本クレジット協会(以下:日本クレジット協会)が実施する「国内発行クレジットカードの不正利用被害の実態調査」によると、クレジットカード不正利用被害額は平成25年以降増加傾向。2023年1月から9月までの被害額は401.9億円と、統計を取り始めた1997年以降、最悪となった。

引用元:令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等(p.18)(警察庁)

現在、官民の更なる連携によりクレジットカードの不正利用被害等に関する効果的な対策を講じるため、有識者から多様な観点で議論する目的として「キャッシュレス社会の安全・安心の確保に関する検討会」を開催。被害に遭わないための環境整備や警察の対処能力向上について検討しているという。

フィッシングを容易にするエコシステムの存在も確認

また、日本国内ではフィッシング事例も多数確認されており、中には被疑者が数百万件の認証情報と数万件のクレジットカード情報を自身の端末に保管していた例も存在する。

特に中国人を中心としたグループは、フィッシングを容易にするエコシステムを構築し、クレジットカード情報を悪用した不正購入、運搬、転売といった作業を分担して行っている事実も明らかとなった。

引用:警察庁「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等(p.38)」

フィッシングに対処するためには社会全体で被害防止に向け、以下のような取り組みを推進する必要がある。

◆不正利用検知システムの導入
◆DMARCによるなりすましメールの抑止
◆多要素認証の活用


消費者に対しても、重要なサイトやよく使用するサイトはあらかじめブックマークしたURLからアクセスするといった対策を求める必要があるだろう。

顧客へ安心・安全な購買環境を提供する

本調査では他にも、情報窃取を目的とした不正アクセスやランサムウェア被害、サイバー攻撃といったデジタル空間における脅威に関する情報が多数掲載された。

デジタル犯罪は手口の変化の移り変わりが早いため、常に最新の情報を把握しなければならない。

ECショップの安全性を高めることは、顧客からの信頼度向上に直結する。安心・安全な購買環境を提供するためにも、今一度セキュリティ対策に関する状況を見直す必要があるだろう。


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