最も優れた顧客体験を提供しているブランドは? 日本企業およびブランドの顧客体験調査

ECのミカタ編集部

KPMGコンサルティング、「生活者に支持される顧客体験に関する調査2023-2024」を発行

KPMGコンサルティング株式会社(以下:KPMGコンサルティング)は、日本企業およびブランドの顧客体験に関する調査の結果と、そこからみえた顧客体験の構築・向上における重要な要素やトレンドの変化などをまとめたレポート「生活者に支持される顧客体験に関する調査2023-2024」を発行した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

今年で4回目となる日本の調査

本レポートは、KPMGが14年間にわたりブランド調査を実施するなかで定義した優れた顧客体験を構成する「パーソナライズ」「親密性」「利便性」「誠実性」「期待の充足」「問題解決力」からなる「Six Pillars(6つの要素)」や、「バリュー(価格に見合った価値)」「推奨度」「ロイヤルティ(今後も使い続けるか)」「各タッチポイントチャネルの満足度」などについて評価を行い、「CEEスコア」として集計。

今年で4回目となる日本の調査では、娯楽・レジャーや物流、小売業界のほか、今回新たに自動車業界を加えた10のセクターを対象に、235のブランドのうち有効回答数100以上を獲得した192のブランドについて、顧客体験の卓越性を示すCEEスコアをもとにランキング。加えて、Six Pillars各要素の重要度の推移や変化し続ける顧客ニーズに合わせて柔軟かつ迅速に対応するための視点などについて考察している。

◆CEE対象:235ブランド
◆回答者:5120人

◆出典元:生活者に支持される顧客体験に関する調査2023-2024(KPMGコンサルティング)

顧客体験評価の上位ブランドはその高い評価を維持

今回の調査におけるトップ10ブランドには、非日常や高級感を演出するエンターテインメントリゾートのほか、ラグジュアリーファッションブランドやスポーツブランド、自動車メーカー、百貨店などが並ぶ。

また、前年の調査で30位以内にランクインしたブランドの60%が、今年も30位以内にランクインしており、顧客体験評価の上位ブランドはその高い評価を維持し続けていることが判明した。

「物流業界」は前回から順位を向上

今回の調査では「娯楽・レジャー業界」が前年に引き続き最も高い顧客体験評価を獲得。

2番目には今年新たに調査対象に追加した「自動車業界」が、3番目が前回から1つ順位を上げた「小売(食品以外)」がランクインした。調査対象に自動車業界が加わったことで多くのセクターが順位を下げるなか、「物流業界」は前回から順位を上げている。

ブランド・企業が発するメッセージやストーリーに対する共感が必要

これまで日本の企業・ブランドは、サービスや製品の機能的価値に根差したサービス改善に取り組み発展を続けてきたが、モノやサービスがあふれた現在において、生活者から選ばれ、関係を維持し続けるためには、さまざまな接点で生じる感情的なつながりや愛着、そしてブランド・企業が発するメッセージやストーリーに対する共感が必要となる。

そのためには、顧客1人ひとりに真摯に向き合い、感情的なつながりや共感を生み出す顧客体験を実現することが、ブランドの大きな差別化要因に繋がるだろう。

さらに、AIをどのように活かし、顧客の感情を掴み支持を得るかも今後の大きな命題となる。データの取得やカスタマイズされた体験に対して抵抗感や不快感を示す顧客も一定数存在することから、データが安全かつ適切に管理されていることを真摯に説明、明示する姿勢も求められるはずだ。

モノ消費からコト消費へ移行しつつある現在において、顧客体験の向上は最も重要視されるポイントだろう。今後、より一層多様化するニーズに応じつつ、的確なサービスや体験を提供できる体制構築が求められるはずだ。


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