テコラス&かっこ社連携で変わる“不正取引“対処の未来

利根川 舞

記者の論点:テコラスの蓄積してきたECサイト運営に関するノウハウにより、EC・小売事業者は「O-PLUX」を取り入れやすくなった。

EC・小売業界や決済・金融業界へのサービス提供をより強化

 インターネット関連事業会社のNHN テコラス株式会社(以下「NHN テコラス」)は、不正検知事業・決済コンサルティング事業を行う、かっこ株式会社(以下「かっこ社」)と包括的な協業を実施することで合意した。

今回の包括的協業により、クラウドで構築したECサイトを運営するEC・小売事業者や堅牢なセキュリティを高度な運用体制を要望される金融機関を対象に、不正取引審査システム「O-PLUX」のクラウド環境での利用設計やシステムの運用支援をワンストップで提供できるようになる。

「O-PLUX」には、取得情報を無駄無く網羅的に利用し、人では発見が困難な以上情報を検知することや、かっこ社独自の各種住所情報データベースを利用し、短期滞在住所などの高リスク住所を検知するなどの特長がある。他にも、「O-PLUX」利用企業全体で、不正者情報を共有しあい、不正を未然に防止したり、かっこ社による横断的な独自モニタリングで大規模な不正を検知することもできる。

「O-PLUX」はかっこ社が提供する、独自のアルゴリズムでビックデータを解析し、リアルタイムに不正取引・未払いを審査するシステムだ。「O-PLUX」は不正取引による損失の削減や利益の確保だけでなく、個別審査にかかる手間や督促に掛かる費用の大幅な削減が可能となり、決済システムを必要とするEC・小売時業者や金融機関の決済業務の運営機能に対応している。

一方、NHN テコラスは、15年以上にわたり、個人情報を含む重要データの取扱い業務が必須となる金融機関やEC・小売り事業者に対するITインフラの運用管理を行うマネージドサービスを展開しており、最近ではシステムの伸縮性に対応可能なクラウドの活用も支援している。また、EC支援事業においては、オムニチャネル化を支えるネットショップのサイト構築サービスや商品在庫の一元管理サービスの提供を通じて、ECサイト運営に関わる知見やノウハウを多数蓄積している。

両社は今後、EC市場におけるオムニチャネル化の加速を鑑み、ECサイトにおける購入決済時の商品在庫情報の一元管理や注文者に対するリアルタイムでの不正取引検知や損失リスクの判定を実行できるサービスなどの開発を検討し、EC・小売業界および決済・金融業界へのサービス提供をより一層強化していくという。

かっこ社が2014年におこなった、「O-PLUX」の商材別検知理由調査によれば、検知理由の47.4%が「虚偽の申込」であった。もちろん、単純な住所などの入力ミスも含まれているのだが、いたずら等で架空の住所が入力されているものや過去に詐欺に使われたことがある送り先住所なもど含まれている。また、検知理由の33.1%が「ブラック情報に一致」しているという結果も出でおり、事前に検知することの重要性を感じる。

今回の「O-PLUX」を提供するかっこ社とECサイト運営に関わる知見やノウハウを多数蓄積しているNHN テコラスの包括的協業により、ネットショップが「O-PLUX」を取り入れやすくなったことは間違いないだろう。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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