楽天市場、バーチャル試着サービスの試験提供を開始

ECのミカタ編集部

楽天株式会社(以下、楽天)は、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」において、子会社であるFits.me Holdings Limited(以下、Fits.me社)の技術を活用したバーチャル試着サービス「バーチャル・フィッティングルーム」と、最適な衣服サイズを提案するサービス「フィット・アドバイザー」の試験提供を開始した。

Fits.me社とは、2010年にエストニアで創設した企業であり、2015年に楽天グループに加わった。バーチャル試着サービス提供を通じて蓄積してきた知見を生かし、アパレルブランドや小売業者、店舗に、顧客ロイヤルティの向上や購買体験のパーソナル化、より効率的で効果的な販売を可能にするソリューションを提供している。 

そのFits.me社の技術を用い楽天が展開する「バーチャル・フィッティングルーム」は、ユーザーがシャツなどの衣服の購入前にいろいろなサイズを試着した際のイメージを、商品ページ上でバーチャルに確認できるようにするサービスである。自らの身長や体重など体型に関する情報や、好みのフィット感(ゆったりめ、ぴったりめ)を入力することで、どの衣服やサイズが体型に合うのかを確認することができる。
そしてもうひとつのサービスである「フィット・アドバイザー」は、ユーザーが身長や体重など体型に関する情報を入力すると、おすすめのサイズ(S、M、Lなど)を表示するサービスとなっている。

今回の試験運用では、「楽天市場」に出店する「紳士服はるやま」のメンズ用ワイシャツ約60点において「バーチャル・フィッティングルーム」を利用することが可能となる。また、「フィット・アドバイザー」は、「楽天市場」のファッションブランド公式ECサイト「スタイライフ」における約8,000点の商品を対象にサービスを展開していく。このサービスが導入されることによって、今後、配送後の返品トラブルの軽減や企業側の対応の負荷の軽減に大いに貢献できることだろう。

楽天市場はおよそ42601店舗(2015年9月末時点)ものショップが出店している。そんな楽天市場であるからこそ、お客様にとっては、他の店舗に紛れることのないよう、また、店舗にとっては、新規顧客を更に開拓していくために一店一店にスポットを当てていくことが重要である。そのために更なる工夫が必要となってきている中で、今回の新サービスは消費者にとって地域の店舗に実際に自ら足を運び商品を選ぶようなよりリアルな環境に近づくことができ、消費者の購買率を上げることが期待できる画期的なサービスといえるだろう。この新サービスが今後のEC業界全体に新しい風を吹き込み、大きな影響と革新をもたらすことに注目していきたい。


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