【第1回】大手に負けない中小EC企業のこれから
私たち一般社団法人・イーコマース事業協会は、インターネットを介した商業活動(eコマース)にかかわる全ての皆様に開かれたEC商工会です。楽天市場、Yahoo!ショッピング、DeNAショッピング、ポンパレモール、Qoo10などのモールや自社サイトなどでネット通販を運営している方で勉強会を実施しています。北は北海道から、南は沖縄までの店舗が、売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換をしています。
(http://www.ebs-net.or.jp/)
全ては、読者の方々と同じ想いです。毎月、交代で、加入しているネットショップから、その現場の生の声をお伝えしていきます。
価格競争に陥りやすい型番商品だからこそ店舗のブランディングを目指す
はじめまして。有限会社トリニティの添田と申します。
当社は車椅子や介護用品を販売する「車椅子・介護用品のTCマート」を本店サイト(http://www.tcmart.jp/)、楽天市場店、Yahoo!ショッピングストア、ポンパレモール店と4店舗を運営しています。EC事業は2006年9月から開始しましたので、もうすぐ10年目となります。
当社が扱う商材はいわゆる型番商品です、競合他社も同じ商品を仕入れ、検索をして探していらっしゃるお客様に購入していただく「検索商材」でもあります。
型番商品は「価格」や「納品スピード」などの経済性、利便性などが購入のファクターの多くを割合を占める商材だと思いますが、当社のような中小零細企業がそのフィールドで戦うといずれ疲弊し、資本力の勝る企業に負けてしまいます。
EC事業を開始した当初から、「永続的に続けられない戦略はとらない」と考えて運営して参りましたので当社では、価格競争に巻き込まれないように、「お客様の問題」をしっかり解決できることを主眼に置き、それを実現できるページ製作、サービス、顧客対応を行っています。
消費者視点で考えると車椅子や介護用品を購入されるお客様は、車椅子や介護に関する知識がなく、急な介護の必要が生じて購入されるお客様が多いので、わかりやすく、安心してご購入いただけるように、専門用語を分かりやすく簡単にしたり、その人にとって本当に必要なものが何かページでちゃんと伝えられるようにと試行錯誤を行っています。
ほとんどのお客様が商品自体を目にしたことがない方が多いので、オリジナル動画の製作や返品保証やお試しレンタルできるサービスを開発したりして、はじめてでも安心して買えるお店つくりを進めています。
お客様に「どこよりも安心できるお店」そして、介護の悩みを解決できる専門店としてのホームページ、顧客対応、サービス、全てにおいて認識していただく事がきちんとできれば店舗がブランドとして確立できるとか考えています。
EC事業こそ人脈と情報収集が重要
EC事業をはじめた当社は、思うように売上があがらず1人で悩んでいました。そんな時、とあるきっかけで現在のイーコマース事業協会の周年イベントに参加させていただく機会があり、何かヒントがあるかもという思いで参加しました。
当時は本当にどのように運営していけばいいのか、事業として成り立つのか、自分自身の思いつく事はすべて行っていたので、その日の講演内容はもちろん、その後に行われた情報交換会で様々な店舗の方のお話を聞くことができ目からウロコの連続でした。
その後正式に入会させていただき、先輩の店舗の方々から多くの学びをさせていただくことができ、EC事業をメイン事業として大きく成長させることができました。
あの時、周年イベントに参加せず、イーコマース事業協会と出会うことが無ければおそらくEC事業を現在も続けていられなかったと思います。
変化の早いEC業界において情報収集はかかせません。10年前と比べると、ECに関する情報は飛躍的に増えていて、オフラインの会に参加せずとも情報収集やノウハウを知ることは比較的容易に行えるようになっていると思います。
しかし、情報量の多い今だからこそ、信頼の置ける情報源となる「ヒト同士」の繋がりが今後益々重要になってくると思います。
また、収集した情報やノウハウを自社の事業の成果に繋げる為に、知識を知恵に昇華させるためにも叱咤激励してくれる先輩や切磋琢磨できる仲間の存在が、中小零細企業が大手に負けないようにEC事業を永続的に発展させていく最も重要になってくると考えています。