小売業界、苦戦か。千趣会の四半期決算発表
日本経済は改善が見られるが、消費者の財布の紐は固いまま
株式会社千趣会(以下「千趣会」)が4月28日、平成28年度12月期 第1四半期決算を発表。期間中の売上高は305億99百万円(前年同期比1.6%減)となった。
利益面に関しては、前年同期に比べ売り上げ総利益率は改善したが、複数のメディアを組み合わせるクロスメディア施策を行ったことにより、販売促進費の増加もあり、営業損失は17億16百万円(前年同期は18億17百万円の営業損失)となった。
ブライダル事業や保険・クレジットなどのサービス事業では売上増加
第1四半期の連結累計期間、日本の経済は企業収益や雇用情勢の改善が見られるなど、穏やかな傾向となっているが、年初からの円高傾向や株価の低迷などにより、日本銀行がマイナス金利を導入するなど、依然として景気・経済の先行きは不透明な状況が続いている。
小売業界においても、物価上昇への懸念や実質賃金の伸び悩みなどにより、消費者の節約意識は根強く継続しているため、直近では暖冬により冬物商品の販売が苦戦し、引き続き厳しい環境が続いている。
カタログ及びインターネットを中心とする通信販売事業の第1四半期連結累計期間の売上高は263億91百万円(前年同期比4.2%減)、営業損失は11億79百万円(前年同期は16億86百万円の営業損失)となった。
他にも千趣会ではハウスウエディングを中心としたブライダル事業も行っている。平成27年3月に株式会社プラネットワークを子会社化したこともあり、28億69百万円と昨年の同期より21.2%増加している。
また、法人向けの商品・サービスを提供する法人事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は11億47百万円(前年同期 比14.5%増)に。その他、保険・クレジットなどを主とするサービス事業と保育事業などを行うその他の事業の当第1四半期連結累計期間 の売上高は1億90百万円(前年同期比20.9%増)となった。
昨年の9月に開設されたベルメゾンデイズが本格始動したばかりの千趣会。ブライダルや法人向け事業、その他の事業では売上が増加していることからも、小売業界にて苦戦していることが見受けられる。暖かな日が増えた今日この頃ではあるが、日本の小売業界に吹く冷たい風はまだ止みそうにない。