日本郵便、クールEMS新サイズ導入で食品越境EC支援

利根川 舞

「大きなものを送りたい」ニーズに応えたサイズ改定

 日本郵便株式会社(以下「日本郵便」)は、EMS(国際 スピード郵便)による小口の保冷配送サービスである「クール EMS」について、6月1日から、新サイズの保冷容器の導入、料金の改定及び差出郵便局の拡大を実施することを発表した。

 利用者からの大きな物品を発送したいという要望を踏まえ、日本郵便と日本航空株式会社(以下「JAL」)が新たに、従来より大きいサイズのクール専用の保冷容器を開発。この新サイズの保冷容器の導入により、以下のとおり従来の保冷容器のサイズ名称が変更となる。

 また、「クールEMS」の差出郵便局がこれまでの93局に、八戸郵便局と石巻郵便局が追加され、「クールEMS」の差出郵便局は95局となる。なお、4月1日に、静岡中央郵便局から静岡南郵便局へ、四日市郵便局から四日市西郵便局へ差出郵便局を変更されている点も、注意しなければならない。

 「クール EMS」は日本郵便とJALが共同開発した保冷容器・保冷材を活用して、引受から配達まで72~80時間程度、冷蔵(0~10°C)及び冷凍(-15°C以下)の一定温度により香港、台湾、シンガポー ル、マレーシア、ベトナム及びフランス宛てにEMSで小口保冷配送するサービスだ。

 個人・法人を問わず事前に申し込みをすることで、誰でも利用することができる。国際間のドア・ツー・ドアでの小口保冷配送を安価でスピーディーなサービスで利用できることで、個人の方の贈り物・お土産物の配送手段、海外通販事業者の保冷商品の配送手段として、また、これまで旅客手荷物や携行品(ハンドキャリー品)扱いで高額な費用をかけて日本製品(食料品、サンプル等)を運んでいた事業者の配送手段として、高い評価を得ている。

海外で高まる日本食ニーズ

 海外において、ヘルシーさや見た目の美しさ、美味しさが評判となり、日本の食文化がじわりじわりと広まっている。「SUSHI」は皆さんご存知かと思うが、お弁当文化も「Bento」と呼ばれブームを引き起こしている。また、2013年には「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されていることからも、日本の食品に対するニーズの高さが伺える。

 越境ECで日本の商品を販売する際には化粧品やサプリであったり、電子機器などがすぐに挙げられるが、まだ国は限られているものの、保冷配送の充実によって食品も送りやすくなっている。

 もちろん、海外在住の日本人としても、日本の食品に対するニーズは間違いなく有るだろう。そういった人々のために、日本食をECで販売している企業も多数あるのだが、「クール EMS」であれば個人・法人を問わずに利用できるため、気軽に冷蔵・冷凍食品を送ることができる。

 そういったニーズを含め、日本郵便では、今後も差出郵便局及び名宛地域の拡大、料金の見直しも含めた保冷配送サービスの充実を図り、日本の食品の海外の販路開拓を支援していくという。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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