【比較してみた】モール&運送業者別の店頭受取サービス
「このモールの商品、どのコンビニで受け取りできる?」
近年、コンビニ受け取りやロッカー受け取りなど、自宅や事業所以外の店頭受取サービスが続々とリリースされている。これには、消費者のライフスタイルの変化に伴う再配達増加の抑制、ドライバー不足の改善、環境破壊を防ぐためなど多くの背景があるのだが、受け取れる拠点が増えることで、これらの問題を解決しようという流れがあるのだ。
モールなどのサービスと、運送業者が各々連携を結んでいるため、「どのモールが?どのコンビニと?配送業者は?」なんてことになりかねない。そのため、今回は拠点受け取りが活用されている3つのモールと、それを担う事業者別に比較表を作成してみた。
これからモールに出店する際や、配送方法について見直しを行う際の参考にしていただければ幸いだ。
楽天市場、Amazon、ヤフー モール別コンビニ受け取り
まず、楽天市場だが、コンビニであればローソン、ファミリーマート、サークルK、サンクス、ミニストップで受け取ることができる、しかし、出店しているショップによってコンビニ受取の有無が異なるので注意が必要だ。
また楽天市場では、「楽天BOX」という楽天市場で購入した商品専用の受取ロッカーがあり、現在、全国23カ所の駅に設置されている。他にもゆうパック受け取りロッカーサービスの「はこぽす」と連携しており、都内25カ所の郵便局と京王井の頭線沿いの6カ所の駅で荷物を受け取ることができる。
続いてAmazonでは、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ3つのコンビニと、ヤマト運輸の営業所で荷物を受け取ることができる。ただし、Amazonが発送する商品が対象である(一部対象外)。
最後に、Yahoo!ショッピングでは、ショップごとにコンビニ受け取りの有無が異なっており、楽天市場のように明確な表示はしていない。配送業者によっても、コンビニの種類があるため、注意が必要である。
ここで1点注目したいのが、セブンイレブンでは、モールから直接届く店頭受け取りは行っていないという点である。これは、セブンイレブンではセブン&アイグループの商品が近くのセブンイレブンで受け取れるサービス、「オムニ7」を展開しているからだと考えられる。ただし、ヤマト運輸を利用して、不在などにより受取場所をセブンイレブンへ変更した場合はセブンイレブンで受け取ることができるようになっている。
なお、楽天市場とAmazonについてはこちら(https://goo.gl/43cSBH)で対応サイズや対応できない注文などを比較解説しているので、ご覧いただければと思う。
ヤマト・佐川・日本郵便 事業者別コンビニ受け取り
ここでは、配送業者別に店頭受取サービスを見ていこうと思う。
ヤマト運輸では営業所の他にセブンイレブン、ファミリーマート、サークルK、サンクス、ミニストップ、ニューデイズなど、多くのコンビニで荷物を受け取ることができるようになっている。なお、コンビニなどの店舗の住所を送り状に記載して直接店舗へ発送することはできない。
その他には指定の取扱店、クロネコメンバーズであれば「ロッカー受取り」も可能だ。ヤマト運輸では、会員サービスであるクロネコメンバーズに登録することで、受取場所を新たに指定できるのもポイントだ。
続いて、佐川急便。佐川急便では営業所の他のローソンで荷物の受け取りが可能だ。ヤマト運輸や日本郵便に比べて、コンビニ受取の扱い数が少ないのは、もともと佐川急便が業者間の運送をメインに行っていたということが考えられる。
また、佐川急便のコンビニ受取サービスを利用する際には事前に事業者からの事前申し込みが必要となっている。
日本郵便では、ローソン、ファミリーマート、ミニストップの3つと全国の郵便局合わせて45,400拠点、そして「はこぽす」で荷物を受け取ることができる。そして、佐川急便同様、事前に事業者からも申し込みが必要となるので注意だ。
ヤマト運輸と日本郵便の店頭受け取りを含むサービスについての比較詳細はこちら(https://goo.gl/1Gibdg)。
これからさらに普及が見込める拠点受取
コンビニ受け取りやロッカー受け取りなどの拠点受取サービスは、ライフスタイルやドライバー不足、環境汚染なども問題解決だけでなく、個人情報などのプライバシーを守ることもできる。
好きな時に、好きな場所で商品が受け取れることは、消費者にとっても、関わる業者にとってもメリットのある話である。
ただ、日本では店頭受け取りを含む拠点受取がまだまだ普及しきれておらず、ジャストシステム社の調査では、店頭受け取りを利用したことがある人は32.9%にとどまっているのだ。ロッカーの設置についても、場所の確保やコストの問題など、普及に時間がかかりそうである。だからこそまず、店頭受け取りを普及させることが、運送業者の課題となりそうである。