若者=スマホは本当?デバイス/年代別調査で明らかに【インテージ調べ】

ECのミカタ編集部

年代が違っても嗜好性は同じ?

年代が違っても嗜好性は同じ?

 株式会社インテージ(以下、インテージ)は、インターネットやテレビなどの広告・情報視聴と購買行動や生活者の属性情報の関係性を捉えることができる「i-SSP」(インテージシングルソースパネル)を運用している。i-SSPは、生活者のメディア接触行動をログで捉えることができる。インテージでは、i-SSPのメディア接触ログを活用し、各デバイスの接触量に従い生活者を分類した「メディア・アクティビティ・クラスタ」を先月に提供開始した。今回は、その分析事例「生活者のメディア接触実態」を紹介する。

 まず、年代別にメディア接触状況を見ると、20代ではスマートフォンの利用が多く、50代ではテレビの視聴が多い結果となった。これは、一般的に認識されている傾向と同様だろう。また、パソコンの利用時間に関しては、わずかな差しかない。しかし、ここで終わらずに、今度はメディア別に、年代毎の接触状況を見てみる。つまり、TVを利用する20代はどれぐらいの利用時間なのか、50代はどれぐらいか、スマートフォンを利用する20代は……といった形だ。

 一見同じことのように見えるが、実は違う。例えば、20代でもテレビを一定以上見る人や、50代でもスマホを多く使う人はいる。20代と50代であっても「デバイスの接触量が同程度」の層は、嗜好性が似ているかもしれない。年代という1つの軸だけでメディアを語るのは必ずしも十分でないのだ。年代とデバイス、2つの軸からデータを見ることで、施策効果の違いについて測定・分析の精度を上げ、ユーザーをより深く理解することができる。

「SP偏重者」と「PC中心者」の正体・・・

「SP偏重者」と「PC中心者」の正体・・・

 前述の観点を踏まえた上で、「SP偏重者(スマートフォンばかりの人)」と「PC中心者(PCばかりの人)」のひととなりについて、基本属性や生活意識・価値観といったデータがプロファイリングされている。それが上図だ。この結果から、テレビを見ない代わりにスマートフォンやPCをどう使っているのか、利用時間の違いの裏側に潜む、それぞれの価値観や暮らしぶりの違いが透けてみえる。動画サイトやSNSの接触率には、デバイスの使い分けが表れている。また、PC中心者にフォーカスすると、ECサイトや口コミ比較サイトの接触率が高いことや品質重視で高いモノを避ける・情報源を使い分けるといった意識価値観を有することから、自分に合った商品をネットで吟味して購入する姿が想像される。ターゲットに届けるコミュニケーションプランをこうした実態に基づいて考えていくことができる。

 20代はテレビをあまり視聴しない「テレビ離れ」という印象が高い。しかし、それは人によって異なる。若い世代でもテレビを多く視聴する人も居れば、50代でもテレビを見ない人を居ることがこの分析から読み取れる。そういった層のニーズはこれまで取りこぼされることが多かったのではないだろうか。今回の分析のような手法を取ることで、今、EC市場で必要とされているよりパーソナライズされた接客も可能になるだろう。顧客満足度をもう一段階上げるためには、こういった、一般的に言われている傾向からさらに踏み込んだニーズを知ることが必要とされているのかもしれない。


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