第2弾!2015年の越境ECはどうだった?(PayPal調べ)
世界29の市場で調査、2015年の越境ECは?
昨日お届けしたPayPalの2015年越境ECに関する調査。本日はその続き第2弾をお届けする。第一弾はこちらから→http://goo.gl/PUAVwf
第一弾では、越境ECの広がりや中心となっている国をまとめたが、第2弾では、越境ECで取引される商品や越境ECに対する考え方、越境ECの際に考慮している項目(送料や信頼度など)について整理した。
越境で買うのは衣類・履物・アクセサリー!
資料からは、越境ECで最も多く購入されている商品は、アフリカを除くすべての地域で「衣類」であることがわかる。唯一「衣類」が1位とならなかったアフリカでは、オンラインで提供されるエンターテインメントや教育プログラムが1位となっている。また、このオンラインプログラムはアフリカだけでなく、北米や中南米でも人気が高いが、アジアや中東ではオンラインプログラムよりも旅行や美容のほうが人気が高いこともわかる。
越境EC、日本人後向き、中国人は前向き?
上記画像中、右側の折れ線グラフは、各国の消費者が越境ECについてどのように考えているかを示したもの。
青線が”母国語ではない海外のウェブサイトでの購入は快適ではない”、
緑線は”オンラインショッピングにおいて売主が海外かそうでないかは重要でない”、
紫線は”海外の商品を購入する際は大手グローバルショップを好む”、
オレンジ線は”自分の住んでいる国のオンラインショップと海外のオンラインショップの信頼度は変わらない”と回答した割合を示している。
日本を見てみると、”自分の住んでいる国のオンラインショップと海外のオンラインショップの信頼度は変わらない”と”海外の商品を購入する際は大手グローバルショップを好む”という回答が突出している。また、第1弾にあった資料でも、2015年に行った取引は”国内取引のみ”と回答した割合が約90%であった。ここからわかることは、日本人消費者は海外のショップでの購入を好まないということだろう。
また、日本の多くのECショップが越境ECの対象国としている中国では、グラフに紹介されている中では比較的、越境ECには前向きな姿勢が感じられる。しかし、”母国語ではない海外のウェブサイトでの購入は快適ではない”と回答する割合は決して少なくなく、日本のショップが中国への越境ECを考えるなら、中国語対応したウェブサイトを用意するべきだと言えるだろう。
越境ECの鍵となるのはコストと安心感!
こちらの資料では、「購入の決め手になること」と「購入をためらうこと」を訪ねた結果がまとめられている。
「購入の決め手となること」の上位10項目は、
1、輸送量無料
2、決済方法が安全
3、自国では見つかりにくい商品が購入できるから
4、返品にかかる輸送費が無料だから
5、自国の通貨で金額が表示されたり、支払いができるから
6、自国の言語でサポートを受けられるから
7、他国で購入するよりもトータルの費用が安いから
8、商品の安全性に根拠があるから
9、商品の到着が早いから
10、自国の言語のウェブサイトがあるか、もしくは翻訳に対応しているから
「購入をためらうこと」の上位10項目は、
1、輸送コスト
2、商品の受け取りに不安がある
3、関税などの支払いが必要
4、問題が発生した場合に、十分なサポートが受けられない
5、商品の到着が遅いから
6、想像していた商品と異なるものが届く不安があるから
7、返品に手間がかかるから
8、偽物かもしれないから
9、盗難や詐欺の不安があるから
10、関税などの支払い金額が不明確だから
となっている。ここから偽物や詐欺の不安を取り除き、商品到着後のサポートを充実させることが最低限必要だとわかる。さらに購入につなげるには、輸送費や多言語対応を充実させる必要がありそうだ。これを踏まえると日本の商品は世界で信頼度が高いことから商品という視点では越境ECと相性がいいが、課題は言語になりそうだ。1つ前の資料で、アメリカやイギリス、カナダの消費者がが軒並み、自国の言語に対応していないウェブサイトは購入しづらいと回答していることなども踏まえると、英語、中国語には対応したいものだ。
次回は「2015年の越境ECはどうだった?(PayPal調べ)」シリーズの最終回。来週火曜の16時にお届けする。お楽しみに!