徹底比較!日本郵便とヤマト運輸、クール便を巡る熱き戦い

ECのミカタ編集部

物流の躍進で越境ECがより身近に

ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)と日本郵便株式会社(以下、日本郵便)は、両社とも3月23日(水)に、それぞれ海外に向けたクール便に関するニュースをリリースした。

ヤマト運輸は3月28日(月)より、「国際クール宅急便」の対象エリアにマレーシアも追加することを発表。そして、日本郵便は「クールEMS」の商品を受け付けている差出郵便局を4月1日(金)から拡大するとのことだ。

どちらのニュースも同日に発表されたもので、お互いに越境ECを意識していることが感じられる。

ヤマト運輸の「国際クール宅急便」は、沖縄県、ANA Cargoと連携し沖縄国際物流ハブを活用したスピーディーで高品質な一貫保冷小口輸送である。今までは、香港、台湾、シンガポールを対象エリアとしてサービスを展開してきたが、今回、経済発展著しいマレーシアを対象エリアに加えた。

日本発マレーシアへの配送流れ

日本発マレーシア追加の背景には、マレーシアの高級志向・健康志向の高まり、そして日本食の人気上昇が原因としてある。というのも、日本の事業者にとっては、それがマレーシアでの需要の拡大につながり、また、TPP協定による輸入関税の即時撤廃がビジネスチャンスを広げるという期待があるのだ。

そこで今回、「国際クール便」のエリアにマレーシアが加わることで、マレーシアに日本の食材を新鮮に配送することができる。

マレーシアを配達対象エリアとしているのは日本郵便の「クールEMS」も同じで、他に香港、台湾、シンガポール、ベトナム、フランスにEMSで小口保冷配送を行っている。

「クールEMS」配達流れ

今回、「クールEMS」の差出郵便局が78局から93局に拡大することによって、越境ECが利用者にとってより身近なものとなる。

ヤマトと日本郵便のクール便比較

ヤマトと日本郵便のクール便比較ヤマト運輸「国際クール宅急便」と日本郵便「クールEMS」の特徴まとめ

ヤマト運輸「国際クール宅急便」と日本郵便「クールEMS」の特徴をまとめた。

両社配送スピードや配送温度に差はないが、エリアは日本郵便の方がベトナムとフランスが加わり、ヤマト運輸より2か国多い。また、配送荷物のサイズと料金表については、ヤマト運輸が4パターンのサイズ表と料金展開でわかりやすくなっており、日本郵便は大か小、冷蔵か冷凍と、条件により配送料が大きく変動する。

日本郵便の荷物は、毎週火曜日(一部月曜日も)という決まった曜日で差出郵便局にて受付されている。

どちらのサービスを利用するかは、利用者が自身の状況に合わせたものを選ぶのが最適であるが、今回のヤマト運輸と日本郵便の取り組みがどちらも越境ECを利用しやすくしたことには違いない。引き続き配送エリアの拡大や差出郵便局の拡大など、越境ECの垣根を壊すような取り組みを期待したい。


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