【比較してみた】LINE・カカオトーク・Viber比較

3社比較、コミュニケーションアプリに注目

スマートフォンの普及に伴い、従来のメール機能よりもチャット形式で手軽にメッセージをやり取りできるツールとして、LINE株式会社が提供する「LINE」を始めとしたコミュニケーションアプリが数多く生み出された。「LINE」は国内の浸透率が高く、今では単に”コミュニケーションアプリ”というだけではなく、企業の”販促”ツールとしても大活躍である。新に発表された「LINE」の「コマース」事業も、EC業界にとっては放っておけないサービスとなりそうだ。

それでも、「コミュニケーションアプリ」という機能に関して言えば、「LINE」のほかにも数多くのアプリが存在しているわけで、なぜ「LINE」の人気が止まらないのだろうか。先月、「LINE」はグループ通話ができるようになったと発表したばかりだが、グループ通話といえば、元々、韓国企業のカカオ社が開発した「カカオトーク」が一躍話題であった。「カカオトーク」が提供するサービスは先進的で、それこそ「LINE」よりも先に様々なサービスを取り入れていた。

しかし後発であった「LINE」の国内シェアは広がりを見せ、「カカオトーク」運営会社である株式会社カカオジャパンに出資していたヤフー株式会社も2014年には資本を引き揚げた。といっても、「カカオトーク」の魅力は世界にしっかりと広がっている。

そして、もう一つ注目のコミュニケーションアプリといえば、楽天株式会社(以下、楽天)が提供する、「Viber(バイバー)」だ。「Viber」は楽天が提供しているアプリなだけあって、キャンペーンでは利用するたびに楽天スーパーポイントが貯まるサービスなど、独自性を持ったサービスで勝負している。

今回は、この3つのコミュニケーションアプリの魅力を比較したうえで、EC業界ではコミュニケーションアプリに何が期待できるか、考察していきたい。

LINE・カカオトーク・ViberからみたECの可能性

LINE・カカオトーク・ViberからみたECの可能性意外と知らないコミュニケーションアプリの国際事情までわかる、比較表の詳細はこちらから→https://goo.gl/2oUGMp?utm_source=ecnomikata&utm_medium=news&utm_campaign=8562

【LINE】
・国内のシェアが多い。
・グループ通話が同時に200人まで可能。
・企業アカウントの充実。
・タイムライン、その他コンテンツの充実。

【カカオトーク】
・グループ通話はLINEよりも先に導入、同時に5人まで可能。
・通話時の声を変えられるシステム付き。
・企業アカウントの充実。(韓国企業・メディアも)
・韓国でのシェアが9割。アプリ普及国が他社より広い。

【Viber】
・楽天のポイントが貯まるサービスがある。
・グループトークに「いいね」機能有り。
・メッセージが連続して届いた場合に、まとめて一度だけ通知してくれる機能有り。
・企業情報がわかる「公開トーク」機能有り。
・全世界ユーザー数が他社より多い。

3社に共通していることとして注目したいのが、「企業アカウント」が閲覧できることだ。LINEも販促に力を入れているが、カカオトークに関しては、元々、韓国発祥のコミュニケーションアプリであり、韓国でのシェアも9割ということもあって、企業アカウントに韓国の企業やメディアのアカウントが目立つ。また、カカオトークの世界シェアは他の2つのコミュニケーションアプリよりもダントツで多い。

そしてViberも日本のみならず世界中の企業のアカウントを導入しているが、特に楽天がViber運営していることもあって楽天のグループ企業の情報が手に入れやすく、また、楽天ならではのステッカー(スタンプ)や、楽天ポイントのサービスが充実している。そして世界でのユーザー数が7億人を突破と、世界で人気のコミュニケーションアプリということがよくわかる。

自分がいつも使っているコミュニケーションアプリが、実は国内のみならず世界中でも利用されている。そして、世界中の人が手軽に利用できるコミュニケーションアプリに、世界中の企業アカウントが参入し販促を行うことで、わざわざ広告費を出さずとも、コミュニケーションアプリを使って無料で世界中に宣伝ができてしまう。

また、メッセージのやり取りが簡単なチャットや、グループ同時通話を企業とユーザーをつなぐ窓口としてEC業界で利用できれば、ユーザーのECに対する不安や疑問をすぐに解消することができ、ECに対するハードルが下がるのではないだろうか。インターネットがまだ普及していなかった時代に比べ、インターネットを介することでコミュニケーションが取りやすくなったことが、ECにおける接客のあり方を変えていきそうだ。

コミュニケーションアプリは、今やただ単にコミュニケーションをとるためだけのツールではなく、更なる可能性が秘められている。ECに関してもその可能性は大いにあり、アプリの利用方法次第でこれからのECが変わってくるのではないだろうか。そして、世界でコミュニケーションアプリが共通している点から、「越境EC」のヒントもたくさんありそうだ。今後もコミュニケーションアプリの進化に注目していきたい。