【bolomeに直撃】中国越境ECの秘訣は動画にあり。
数年前からよく耳にするようになった”越境EC”という言葉。特に、中国への越境ECは、多くのEC事業者が注目していることだろう。しかし、現状は、大企業ですら中国への進出が思うようにいっていない。そこで、中国への越境ECの一つの方法として、日本の優良な商品を中国へ販売することができる「アプリ」を紹介しよう。今回紹介するのは、株式会社bolome(以下、bolome)が運営する「bolome」というアプリだ。お話してくださったのは、執行役員 三浦浩之氏。
時代はコンテンツ型コマースへ、「bolome」が中国ECに最適な理由
「これからはスマートフォンでモノを売る時代、しかしただ単にモノを売るのでは芸がない。」
2015年bolome創業当時、創業メンバーはこれからのECを見据えてそのように思案し、中国向き越境ECのビジネスアイデアを練っていた。そして、”動画”を利用して日本の良い商品を中国へ販売することができるスマートフォンアプリ「bolome」を世に送り出した。「bolome」はIT技術を用いた全く新しいコンテンツ型コマースなのだ。
なぜ動画である必要があったのか。それは、中国国内EC市場の在り方とも関係してくる。中国のEC市場では偽物の商品が多く出回っており、商品に向けられる疑いの目が厳しい。ましてや、越境ECの商品など、果たしてそれが本物なのかどうかという前に、その商品の価値さえ理解されていない。なので動画を利用することは、まず商品を知ってもらうことに最適なのだ。
そしてbolomeの動画配信はただの動画ではなくライブ中継であり、bolomeのスタッフが実際にEC企業のオフィスやEC店舗の工場などに足を運び、中国の消費者へ生放送で商品を紹介していくので、中国消費者に対して信ぴょう性を高めることができる。また、ライブ中継中、中国消費者はチャットで商品に対する意見や質問を投稿することができるので、商品を販売する企業にとっては、「bolome」をテストマーケティングの場としても活用できることだろう。
「bolomeは、日本と上海に拠点を置いている為、中国・日本をよく理解したスタッフがそれぞれ両国に存在しています。その国の国民性を知り、”中国消費者に対してどのような商品をどのような方法で販売することが一番良いのか”ということを、日本のEC事業者様にお伝えすることができます。だからこそ、bolomeのプラットフォームで商品を販売していただくことは、日本のEC事業者様が中国向け越境ECを行う上で、他社と差をつける為のポイントとなってくるのではないでしょうか。」
そして、bolomeのもう一つの強みとしては、「中国消費者が日本の店頭で買い物をすることと同じように、正規商品を適正価格で購入することができることにある」と三浦氏は語る。どういうことだろうか。
正しい越境ECのルートは2つだけ?越境ECが抱える課題
bolomeが日本の商品を配送する際に使う越境ECの方法は2つ。まず、一つは日本の商品を日本から中国の消費者へ直接送る(直送)方法だ。直送の場合、bolomeは基本的にEMS(日本郵便株式会社の国際スピード郵便)を利用して荷物を中国へと配送する。そして二つ目は、中国にある保税区というエリアの倉庫にコンテナで商品を送り、保税区から中国国内に商品を発送する方法だ。保税区は中国に存在しながらも海外扱いをされており、そこから商品の国内発送を行うことは海外から中国へ発送すること(越境EC)と同じ扱いとなる。
実はこの2つの方法が正式な越境ECであり、多くの企業が行っている、香港を経由して日本の商品を中国に届ける方法は、越境ECとして認められていない。ではなぜ、わざわざ認められていない方法である香港経由での商品配送を行うのか。それは税金が優遇されることと、もう一つ理由がある。
越境ECの正しい2つのルートでは、税金を納める必要があることと、CFDA(国家食品薬品監督管理総局)など許認可の手続きが必要となってくる。特に許認可は、例えば商品が化粧品であれば成分表を提出したり、動物実験が必要であったりするが、それを行うには半年~2年ほどの期間を要し、またコストも数百万円かかってしまう。更には、許認可を提出したからといって必ずしも商品が販売できるわけではなく、中国政府が”販売できない”と判断すればその商品は販売できない。
他の企業が香港経由で日本の商品を中国に発送する理由としては、正式な越境ルートにはこうした税金に加えて時間もお金もかかる許認可の課題があるのだ。特に、そうした通常貿易が抱える課題に大手企業では対応できても、中小企業にとってはハードルが高い。
しかしbolomeは、通常貿易のこうした問題をフォローしてくれる為、日本のEC事業者は許認可や税金を気にすることなく、正しい越境ECルートで中国向けに商品を販売することができる。合わせてbolomeは、ライブ中継での販促、言語のサポートなどが充実しているため、中国について全く知識が無くても心配することはない。
では実際に、bolomeで商品を販売するには、日本のEC事業者はどうしたらよいのだろうか。
スマホ普及で越境ECは手の中へ、チャンスは中小企業にも
bolomeとしては、「日本で売れている商品ばかりを販売するのではなく、品質の良い日本の商品を中国へと紹介していきたい、売れる商品へと仕上げていきたい」という想いがある。だからこそ、日本の企業が商品を販売する場合は、本当にそれが中国で売れる商品なのかどうかということをまず審査する。当たり前だが、日本で売れている商品が必ずしも中国で売れるとは限らない。
”日本で売れている商品にばかり注目しない”というbolomeのプラットフォームは、自力で越境ECを行うのが困難な中小企業にとって、大きなチャンスに繋がることだろう。また、初期費用が不要である点も嬉しい。
取引へと至った企業は、bolomeのライブ中継で販促を行うことができ、中国から注文が入れば、上の図のように日本の企業はbolomeの倉庫へと商品を配送し、中国の消費者へと①直送②保税区を通しての発送、という2パターンの配送方法を利用して商品を届けてもらうことができる。
「bolomeで販売されている日本の商品は、5000SKUにもなります。ブランド数でいうと、500社になるのですが、そのうちライブ中継を行っている企業が150社ほど。ユーザーのほとんどがトレンドに敏感な20代の女性であり、金銭的に余裕があるのが特徴です。また、最近の中国では、安いものよりも、質の良いものを買うという傾向に変わってきたので、元々人気の高い日本の商品が更に求められています。」
拡大する中国市場で、日本の商品が求められているのは確かなのにも関わらず、越境ECの方法がわからないが為に好機を逃してしまってはもったいない。確かに、自力で越境ECへと挑戦するには課題が多すぎるのと、中小企業にとってはそこまでの資金も体力も十分でないのが現状だろう。
そこで、中国をよく知っているbolomeのプラットフォームを活用するのみならず、集客や配送をもサポートしてもらうことで、日本のEC企業は越境ECにハードルを感じることなく商品を販売することができるのではないだろうか。
そして、スマートフォンのアプリを利用した越境ECというのも、時代に合わせたECの方法だろう。いつでもどこでも手軽に越境ECを楽しむ、そんな時代に突入しているのだと強く感じさせられる。bolomeは今後、商品ジャンルを増やすことはもちろん、越境ECの取引の対象国を増やしていく。”中国EC市場を、世界のEC市場をもっと身近に”bolomeでそんなことが実現できる日も近い。