長年の夢、声優コールセンターを実現!販促と受注をこなす、ネクストリングの仕組
機械化が進むコールセンター業界。しかし時代は変われど、本当は「人間にしかできない電話対応」を求める企業は多いはず。20年以上コールセンター業界を経験してきたネクストリング株式会社(以下、ネクストリング)の代表取締役 須藤範丈氏は、画一的な業界のあり方を打破すべく、話術にたけた声優(俳優)ばかりを集めたコールセンターを作り上げてしまった。あらゆる面で業界の常識をくつがえす同社のスピリットについてお話を伺った。
コールセンターにも色はある。長年の夢を叶えたサービス
「私はコールセンター業界にどっぷりハマっていた人間で様々なコールセンターを経験し、大手法律事務所での過払い金対応を受託する大規模コールセンターの責任者も担当しました。しかし過払い金の収束とともにその会社は解散することになってしまいました。今となってはいいきっかけになったと思いますが、その頃からずっと考えていたことがあります。
それは「多くのコールセンターは特色がない」ということ。
そこで、自分で立ち上げるコールセンターは独自性を持たせる為、『声優や俳優のみでオペレーターを構成する』と強く誓いました。」と須藤氏は語る。
須藤氏が数々のコールセンターを経験して肌で感じた課題を独自の切り口で解決しようと設立されたのがネクストリングというわけだ。
「『企業の顔』としては、名刺や商品のパンフレット、サイトなどの媒体がありますが、お客様に直接対応するコールセンターの声も『企業の顔』となりえます。弊社ではホームページにオペレーターの名前や顔写真、声の音声を掲載し、クライアントに『自社の顔』となるコールセンターの声を選んでもらえるようにしています。昔は声優というと黒子的な存在でしたが、今はテレビに出たりライブで歌を歌ったりなど前面に出ている。オペレーターも同様に、もっと前に出てもいい。更に言うと、数々の現場を見てきて、彼らは電話対応が抜群にうまく、獲得率もいいので、見栄えだけではなく実力も一級品です。
2018年の6月から営業を始めましたが、こうした弊社の独自性を気に入って導入してくださっているクライアントは30社以上いらっしゃいます。」(須藤氏)
基本サービスも標準以上の質を担保
ネクストリングのオペレーターは、声優や俳優としての教育を受けてきており、舞台なども経験しているため集中力が高く、仕事の覚えも早い。同社では彼らの能力にコールセンターの知識を加えるのみで、研修費を大幅にカットできているのだ。
「一般的なコールセンターでは研修費やSV管理費を料金に上乗せするところも多いのです。しかし弊社の場合、インバウンドは人材費や設備費にかかる最低基本料金+1件ごとの費用、アウトバウンドは基本料金なしで1件ごとの費用のみをいただいており、大手コールセンターとの比較では2/3程の価格だとクライアントさまにはおっしゃって頂いております。
また、セキュリティ面も万全を期しています。個人情報を適切に取り扱う企業のみに発行される『CLIPマーク認証制度』をクリアしていますし、私が前職の法律事務所で月間15万件を超えるセンシティブな案件を取り扱ってきたということもあり、情報管理も他社と比べて圧倒的に緻密です。」と語る須藤氏。
こうした独自の工夫により、最高の品質、かつ安価で安全なサービスを提供できることはネクストリングならではと言える。
クライアントの商品を人気タレントが紹介する「リング・リングTV」を制作
ネクストリングの特徴はオペレーターの存在だけにとどまらない。かかってきた電話に対してただ対応をするのではなく、自社でYouTubeなどを活用したPR動画を制作し、自分たちでも受電を増やす『リング・リングTV』というサービスを展開している。
『リング・リングTV』を担当し、自身も声優である阿部氏は次のように語る。
「『リング・リングTV』は、我々声優や俳優が脚本を考え、商品を動画でPRしていくサービスです。動画で説明することで、洋服のサイズ感、食品の調理方法、家具の組み立て方など、視聴者の求めているリアルな情報を伝えることができ、購入の後押しをしてあげられるのです。番組をきっかけに視聴者が商品を購入してくだされば、ネクストリングの電話が鳴りますし、登場する我々も自分自身の宣伝ができる。まさに関わる方々がWin-Winになれる番組です。」
クライアントや商品とお客様をつなげるという意味で『リング・リングTV』と名付けられたこのサービス。同じぐ『リング・リングTV』に関わる水谷氏は声優や俳優自身がファンを抱えていることも大きな特徴だと語る。
「私は以前アイドル活動をしていました。ファンのお客様はみなさんとても温かく、アイドルを辞めてからもずっと応援してくださっています。インフルエンサーやYouTuberといったイメージに近いかもしれませんが、私達はこういったファンを抱えていることも強みの一つだと思っています。
今は景表法などの規制も厳しく、自社の宣伝媒体では上手く表現できないこともあるかと思います。そこで私達は単純な商品のPRだけではなく、私達の正直な感想や意見、商品を使ってみた実績などを伝えることで購入の後推しをして、商品を使ってよかったと思う人を増したい。そういった思いでも『リング・リングTV』を広めていきたいです。」
実はこのサービス、スタッフ側からの強い希望があってサービス化したものであると須藤氏は語る。
「彼らが自主的に動いてくれていることもあり、制作への情熱はすごいものです。1つ1つ強い信念をもって仕事をしてくれているので、経営者としては嬉しい限りです。現状は無料ですが、今後番組への登録者数が増えれば、その属性などを分析した上で広告媒体にすることも視野に入れ、彼らにも還元できればと思っております。」
人間同士の対話を大事にし、「お客様の本当の声」に耳を傾け続けたい
コールセンターの機械化が進んでも、それで本当の意味でのコミュケーションができるのか。須藤氏は、過去に機械のトラブルであるコールセンターに電話した際、一方的な対応をされて困った経験があるのだという。
「どうしたら今の状況を抜け出せるのかが知りたいのに、『できません』の一点張り。マニュアル通りにやるのならば機械が対応してもいい。しかし人間同士の対話ができてこそ、お客様の潜在的な欲求も見えてくるのだと思います」。
須藤氏のあらゆる経験はネクストリングの血肉となり、オペレーターにも行き届いている。
「あるクレームでお電話を下さったお客様と話すうちに、実は違うことで怒っておられたと気づき、そこに対応して納得いただいたこともありました。お客様から私が知らなかった商品情報や、ご家族のことを教えていただくことで、温かい関係が築けることも多いです」(水谷氏)
「お客様から教えていただいたことを、次に対応したお客様のお悩み解決に役立てることができて助かったことがあります。誤解を恐れずに言えば、きちんとお話をすることでお客様ともチームワークが築けて、よりよい対応につながるのだと思います」(阿部氏)
最後に須藤氏はクライアントに対する思いを語ってくれた。
「電話対応の大まかなスクリプトは用意していますが、どう演じるかは彼らにお任せしています。オペレーターと同じくコールセンターも、これまでは黒子的な存在でした。しかし弊社は『話術に長けたプロによる、高品質かつ低コストで安全なサービス』や『リング・リングTV』の制作など、独自性を掲げながら、単なる下請けではなくビジネスパートナーとしてお付き合いいただける企業であり続けたいと考えています」。
一見するとユニークなコンセプトを持ったコールセンターであるが、その仕組みはオペレーターの長所を生かし、クライアントの売上につなげるという、まさに三方よしの関係だ。
お客に対して最良な接客を考えているならば、一度ネクストリングに相談してみてはいかがだろうか。