FAX、電話受注での業務負担を軽減。働き方改革にもつながる新ツール『サブスクストアB2B』とは?

野中 真規子

テモナ株式会社 B2B事業部
執行役員 細田和宏氏(写真右)
アカウントエグゼクティブ 玉造伸一氏(写真左)

システム化が急速に進むBtoC(消費者向け販売)のビジネスと比べて、FAXのやりとりや手書きの伝票作成などのアナログ業務が多いBtoB(卸)販売。業務効率が上がらず時間を取られ、売り上げが拡大しにくいばかりか、取引先の店舗にも発注の負担を強いることになる。
約10年にわたりBtoC向けの通販システムを展開してきたテモナ株式会社(以下、テモナ)では、BtoBが持つこうした課題に着目し、サブスクも含めたBtoB向けWeb受発注サービス『サブスクストアB2B』を開発。サービス詳細について、同社の執行役員 細田和宏氏と、アカウントエグゼクティブ 玉造伸一氏にお話を伺った。

BtoCで培った便利な機能をベースに、BtoB独自の商習慣にも対応

BtoCで培った便利な機能をベースに、BtoB独自の商習慣にも対応

テモナはさまざまなビジネスモデルの中でも、継続性や効率性、収益性に優れた「サブスク型」に注目し、約10年にわたりクラウド型通販システム『たまごリピート』と、その後継サービスでサブスクリプションコマースに特化した『サブスクストア』を展開している。

「その中でクライアントであるBtoC企業がシステムを導入しながら業務効率を上げ、売り上げを急速に拡大していくのを目にしてきました。一方でBtoB企業を見ると、FAXや電話での連絡や、手書きの資料作成などアナログ的な業務に追われていることが多い。そこでBtoB企業の業務効率化に貢献したいと開発したのが『サブスクストアB2B』です。

サービス詳細については後ほど詳しくご説明しますが、大きな特徴は『サブスクストア』で培ったBtoC向けの機能で、BtoBにもあると便利なもの、受発注機能はもちろん、CRM機能や広告分析機能などを入れていることです。

これにBtoB特有の商習慣に対応した機能も追加。個人に販売するBtoCとは違い、BtoBビジネスではお客様が法人となるため、法人間取引に必要な取引審査機能や、お客様ごとに異なる掛け率への対応機能、指値機能、商品ごとに閲覧できるお客様をセレクトできる機能などを搭載しています」(細田氏)

テモナが考える、今BtoB企業がクリアすべき課題とは?

テモナが考えるBtoB企業の課題は3つ。

「一つ目は『業務効率化』ができていないことです。先にもお話した通り、業務がアナログ手法に頼っているところも多く、受発注や問い合わせ対応、ステップメールの送付など、顧客とのやりとりについて依然FAXや電話などを使い、社内での情報共有もメールや手書きの伝票などを利用していることも多い。とくに規模の大きな会社では、マンパワーでなんとか回せるため、なかなか効率化に意識が向かないことや、社歴の長い社員がシステム化に抵抗を持っていることなどが一因だと思います。

二つ目が『売り上げの拡大』がしにくいことです。たとえばBtoB企業が新規開拓をしようとPRをした場合、問い合わせの電話が殺到し、営業担当者が対応に追われることになります。品番を確認したり、与信を行って伝票を書いたり、お客様に申込書を送ってFAXや郵送をしてもらって、戻ってきたらエクセルや社内伝票に転記して‥と1人のお客様に対する工数がすさまじくかかる。このため新規拡大したくても難しく、買ってくれたお客様に対してフォローの電話やメールをするにも手間がかかり、リピーターも獲得しにくいといえます。

三つ目が『発注者側への負担』です。通常業務の合間や業務後に在庫確認をし、発注をかけている。疲弊している状態でFAXを書いて送信するのは非常に負担ですし、ミスの心配もある。発注内容が間違っていた場合は、翌朝電話などをして修正をかける手間もいる。アナログ的な受注スタイルは、こうして買う側にも大きな負担をかけてしまうのです」(細田氏)

業務効率化や売り上げ拡大を実現、買う側の負担も大幅にカット

業務効率化や売り上げ拡大を実現、買う側の負担も大幅にカット「サブスクストアB2B」で販売サイトを簡単構築
受注管理から商品、顧客管理など必要業務を一元管理

BtoB企業が抱えるこうした課題を解決するのが『サブスクストアB2B』だ。

「『業務効率化』や『売り上げ拡大』に関しては、入り口がWeb上に展開されるため、新規顧客がくればお客様のほうが顧客情報を入力してくれ、取引審査や受注管理、出荷作業や売り上げ確認もすべてオンラインで完結できます。社内でデータを共有する際もシステムの管理画面を共有するだけで済むためミスがありません。

工数ゼロで新規獲得や顧客対応ができるため売り上げ拡大につながりますし、空いた時間を営業や新たな施策など本来とるべき生産性の高い業務に充てられるため顧客満足上がり、さらなるビジネスの発展を目指せるでしょう。

CRMに関しても、ステップメール機能を使えば3週間後に商品の感想を伺うメール、1ヶ月後に追加注文を伺うメール、注文がない場合は別商品のキャンペーンのご案内メールなどを自動的に送れ、クロスセル、アップセルにつなげられます。現在、紙のDMも自動的に送れる機能も準備中です。

また『発注者側の負担』についてもスマホ操作で買えるようになるため、FAX注文と比べて少ない工数で済むはずです。
さらに『サブスク受発注機能』を使えば、商品や量、注文頻度を設定しておくことで自動的にミスなく発注できます。ストレージの面積が少ない飲食店などでも頻繁にミスのない発注ができるようになるため、お客様に喜んでいただけるはずです。もちろん注文のスキップや変更も可能。BtoB企業からしてもあらかじめ注文内容を把握でき出荷管理がしやすくなるというメリットがあります。

なお決済機能はクレジットカードとNP掛け払いにも対応しているので、初めてのお客様でも安心してお取引いただけますし、サービス内で自社発行請求書による掛け売りも可能。請求書発行管理までシステム対応しており、郵送の手間もいりません。
請求書を形にするサービスは他にもありますが、請求データにもとづく入金の消し込みや請求書管理など、いわゆる販売管理ソフトがやる部分まで網羅しているのは『サブスクストアB2B』ならでは。BtoB向けの全方位サービスとしての強みがあると自負しております」(玉造氏)

月数万円で、手間も時間をかけずに急成長がのぞめる

月数万円で、手間も時間をかけずに急成長がのぞめる

『サブスクストアB2B』と相性がいいのは、販売先が店舗の卸売り企業。

「食品や燃料など定期的に減っていく商材はもちろん、家具や雑貨など、いわゆるサブスクリプションに当てはまらない場合でも導入メリットはあると思います。商材や規模も問いません。実績としては、現在飲食店、カフェ、サロンなど向け資材やオフィス向け福利厚生、スマホアクセサリーなどの企業に導入いただいております。とくに卸先が多い企業様にとっては導入メリットが大きいと思います。

現在BtoBの企業でも、受発注等の業務をシステム化するところは増えてきており、10年後にはFAXや電話で業務を行うところはもうほとんどなくなっているでしょう。自社の業務効率化だけでなく、買う側の負担も考えてシステム化を推進していかなければ、やがてお客様から選ばれなくなってしまうリスクもあります。

システムというと高価なイメージがあるかもしれません。もちろん一から開発すれば数千万円のコストがかかりますが、『サブスクストアB2B』の場合は月数万円と従業員1人の給料より安いコストで、手間や時間をかけずに売り上げ拡大や新規獲得を目指すことができます。

またすべてを無理にシステム化する必要もありません。従来のお客さまがFAXで発注したいという場合は、FAXできた注文内容を『サブスクストアB2B』の管理画面に入力すれば、ミスもない状態で管理・共有することができます。コストも安価ですし、ぜひまずは試しに導入されることをおすすめします。

弊社には最近、スタートアップのBtoB企業様からもお問い合わせをいただくようになりました。BtoCでは2人、3人とかで年収数十億規模まで成長されている企業がたくさんありますが、それは業務をシステム化しているからこそ実現できること。今後BtoB企業でも業務をシステム化することで、小規模からでも大きく成長できる市場をつくることができれば、日本のビジネスの幅も広がっていくのではないでしょうか。

弊社の社名『テモナ』は『簡単に、たやすく』を意味する『てもなく』からつけていますが、今後も『ビジネスと暮らしを“てもな”くする』を理念とし、BtoBビジネスにおいて売る側の企業様にも買う側の企業様にも貢献してまいります」(玉造氏)

「サブスクストアB2B」のサービス資料はこちら


記者プロフィール

野中 真規子

ライター。著書(電子書籍)『片付けられない、という「思い込み」をなくして、今すぐ片付けるための本』(ハウスキーピング協会)が好評発売中。ECのミカタにおいては、ECサービスのお話から伝わる本質的なメッセージを受け取り、拡散することが歓びです。

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