創業1年半で月商3000万円超えした家具ブランド「かなでもの」の成長ファクターは商品写真?

西村 勇哉

株式会社bydesign 代表取締役 音田 康一郎氏

ECにおいて家具は難しい商材と言える。サイズは比較的大きくなりがち。リピート商材ではない。価格競争になりやすい。ブランドイメージを伝えにくい。

そんな中、家具をメイン商材としているブランド「かなでもの」は創業1年半で月商3千万円を超え、前年同月比の売上は7倍と急成長している。その秘密を「かなでもの」を運営している株式会社bydesign 代表取締役の音田 康一郎氏にお伺いした。

原体験を元にした空間づくりを提供する家具ブランド「かなでもの」

かなでものOFFICIAL SHOPはこちらから(https://kanademono.design/

ーーまず家具ブランドを立ち上げた理由を教えてください。

シンプルに答えると、私含む創業者二人とも家具が好きだったからです。もちろん、参入する上で、市場の分析も行いました。やはり大手2社ニトリ・IKEAの寡占状態でした。にも関わらず参入した理由はトレンドを反映するスピードでまだ優位性があると思っているからです。

大企業は独自の品質基準を満たし、社内決済を通し、彼らの求めるボリュームの生産体制を整えながら事業を展開しています。そのため、最先端のトレンドをキャッチしても実装は結局2年くらい遅れることになります。

なので、トレンドのデザインを早く取り入れ、自社商品に反映することができれば有利だと考えています。

また消費者の多くは、家具ブランドへの愛着が薄い気がしています。ファッションであれば、このブランドが好きということよく聞く話だと思いますが、家具ブランドで何が好きかって話はあまりしないですよね。本当に10%程度の人がjournal standard Furnitureや、富裕層が大塚家具とかを好んでそろえる程度。なので客単価10万円以下でブランドを確立している所はあまりない。やっぱり参入チャンスはかなりあるなと思いました。

ーー商品展開の方法もユニークです。天板と脚を別売りにしていますよね。

そうですね。これは創業したタテワキが引越しをする際に、いい値段とサイズとデザインを兼ね備えたテーブルがなかったという原体験が大きく影響を与えています。

結局タテワキは自作でテーブルを作ったのですが、その時に天板と脚の組み合わせで雰囲気が大きく変わることに気づき、天板と脚のマッチングを展開するようになりました。

ここはキーワードだと思っています。組み合わせによってデザインのクオリティが向上されることで、常にデザイン面で遅れをとっていた日本の家具ブランドでもお客様から覚えてもらえるのではないかと思っています。

もちろんその為には、お客様とのコミュニケーションをいかに作れるD2Cブランドか、は重要な指標だと思います。

あとはユーザーの興味が空間づくりに集まってきていると思っています。

ーー空間づくりですか?

はい。かなでもの自体は家具ブランドですが、弊社では観葉植物は不動産事業も行なっており、それらすべてを複合することで素敵な空間をお客様にご提供できる、そこに価値を感じていただきたいと考えています。

今はデジタルが普及し、デジタルコンテンツが当たり前の世の中になったと思います。ネットを介したコミュニケーションって皆さん当たり前に使うようになり、ECで買い物をすることは多くの人が当たり前に行なっています。

その反動だと思うのですが、リアルな体験の価値が今まさに上がってきていると考えています。ライブ市場も10年前と比べても2倍近く増えています。デジタルは確かに便利ですが、ライブほどワクワクするような体験はもう得られないと思います。

こういう仮説があるので、実際に存在する空間、そのもの自体を自分や家族、友人にとって心地よいものにしたいニーズは高まってくると考えています。

かなでものが行う差別化ポイント

ーー先ほどトレンドを取り入れるスピードの説明がありましたが、他の家具ブランドとの違いについてもう少し詳細に教えてください。ニトリやイケア以外にも家具ブランドは多く存在すると思います。

まず大手家具ブランドだと、楽天系で元気なブランドってあるじゃないですか、LOWYAさんとかタンスのゲンさんとか有名ですし、人気だと思います。

そのような企業はテーブルですと2〜3万円ぐらい。イケアとかニトリもそうだと思いますが、比較的低価格なレンジは大手が占めています。

大量生産、大量販売の仕組みが整っているので、新規参入をしようとするとそこの整備から始める必要があり、現実的ではありません。

一方、かなでものはミドルレンジです。ACME Furnitureや、journal standard Furnitureと同じか、もうちょっと安いくらいのレンジです。

この辺りは商品単価がそこまで高くないのに、配送コストはかなり大きい。そもそもリアル店舗を持つ選択肢がほぼありません。リアル店舗でこの単価で商品を売るのはまず無理だと思うので。

そのためEC偏重になるしかない。さらに、先ほど説明した、トレンドを商品に反映するフォロースピード。欧米などのデザインに敏感に追従して、それを製品化して、1年以内には提供できることは大きな差別化ポイントです。

あとは機能を追求するか、コンセプトを重視するかも価格帯でかなり変わってきます。低価格のブランドの商品は機能性重視だと思っています。

誰にでも受け入れられるようなデザインだったり、棚や引き出しの数が多い機能性を重視した商品を製作したり。最近ニトリが力を入れている冷感感触の布団も同様です。

一方ミドルレンジのブランドは、それぞれのコンセプトを持っています。

例えば、モダン家具だったり、インダストリアルな家具であったり。その中でも、かなでものの特徴は主力の商材でもある、サイズオーダーのテーブルです。全てのテーブルが100センチから180センチまで、奥行きも65センチから80センチまで全部オーダーできます。

サイズオーダーと聞くと、高い、納品が長いと思われるのですが、私たちはサイズオーダー費用が無料で、しかも5営業日以内に出荷しています。

従来のサイズオーダーテーブルの価格は10万円以上の値段も多く、納期も一ヶ月ほどですので、多くの支持をいただいております。

また私たちは金属足に特化しています。種類は日本で一番多いと思っています。ここは他社との大きな差別ポイントだと考えています。

商品写真は機会損失と大きな関係がある?

ーー他にもかなでものでは商品写真にこだわりを持っていると伺いました。

はい。写真はもともとスタジオで撮影していましたが、今は全て自社内で自然光にて撮影しています。

欧米のトレンドでもあるのですが、できるだけナチュラルなもの、本物志向なもの、というのを求められていると思っています。多少色味が違おうが、角度がズレていようが、本物感があってナチュラルなテイストなもの、だからかなでものでは雨や曇り、晴れの日でちょっとずつ色味が違います。意外とユーザーさんにとって安心感があり、本当のテイストみたいなものを感じられるので、信頼感がある。

当初は私たちもスタジオに商品を納品してプロの方に撮影をお願いしていました。非常にカッコいい写真は出来上がるのですが、時間がかなりかかってしまう。段取りの相談から事前の準備や商品の組み立てなど、10商品の撮影を行うのに一ヶ月くらいかかってしまう。

もちろん対応は非常に丁寧なのですが、私たちは大手のブランドよりトレンドを速く展開しなくてはいけません。その時にこの撮影フローだともったいないと感じ、内製化しました。

ーー外注から内製化した際のメリットはスピードの改善以外に何かありましたか?

費用ですね。外注していた時は納品するトラックの手配なども含めて、1商品2万円くらい。10商品の撮影を行うのに、20万円ほど。スタジオでの撮影の時は複数回に分けることはせずに、一回でまとめていてその時はトータルで約50万円くらいですね。

ただ内製化した今は毎週決まったカメラマンの方に来ていた

記事の続きを読むには、メルマガ会員(無料)が必要です。
登録は簡単、お名前とメールアドレスの登録で、引き続き記事をご覧いただけます。
登録していただいたメールアドレスへ、次回よりご覧いただくためのパスワードをメールにて送付させていただきます。

記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

西村 勇哉 の執筆記事