100項目の分析と個別コンサルティングで自社の課題を“見える化” 成長の糸口をつかむ『DC-コンパス』
環境変化の激しいECビジネスにおいては、昨日までの成功体験が未来の成長を決して約束してはくれる訳ではない。成長し続ける事業にするためには、自社の優位性の把握や成長を阻害するボトルネック、弱点の把握が重要である。しかし、日々の業務の中で自社分析・競合比較・戦略立案などに時間をかけることが難しいのも実情だ。
株式会社電通ダイレクトマーケティングが2月より提供を始める通販事業診断プログラム『DC(ダイレクトコマース)-コンパス』は、最短わずか数日で、自社の課題を“見える化”してくれる画期的なサービスだ。そのサービスを開始する背景と概要について、該社の統合コンサルティング部 部長 小林 裕宗氏にお話を伺った。
自社の現在地を明確に把握できている企業は少ない
電通ダイレクトマーケティングはこの度、通販事業診断プログラム『DC-コンパス』を提供することとなった。その背景にはどういった思いがあったのだろうか。
「EC業界は変化のスピードが速く、昨日までの成功ノウハウが、明日には陳腐化してしまいます。
それに追いついていくためには、日々更新される業界トレンド情報や、進化するテクノロジーをキャッチアップしなければなりません。しかし事業担当者が一人ではそのための時間的余裕はなく、どうしても戦略的な取り組みは後回しになってしまうのです。
一方で、ある程度規模が大きくなり、機能ごとの部門が細分化していくようなステージに至ると、今度は部門ごとに独自の情報収集や分析を行いますが、横の連携が希薄になりがちです。そのために、事業の全体像が見えにくくなる、という弊害が起こっています」と小林氏はいう。
事業規模の大小にかかわらず、自社の状況を俯瞰して、かつ客観的に全体像を把握することは難しいようだ。
「実は、こうした悩みをお持ちのEC事業者は多くいらっしゃいます。当社にも、“事業の相談をしたい”ということで、よくお声掛けをいただきます。しかし、いざ伺ってみると、具体的な課題をお持ちではなく、“EC事業を伸ばすためにはどうすればいいだろうか?”というような漠然とした相談も多いです。
あるいは、具体的にどの部分を改善したいのかという明確な課題があったとしても、いろいろとお話させていただく中で、“果たしてそれが最優先の課題なのだろうか“と疑問に感じるケースなどもあります。
そこで、当社独自の通販事業診断プログラムを開発しEC事業者様に活用いただくことで、可能な限り客観的に、今出来ていること・出来ていないことを把握してもらいたいと考えたのです」と小林氏は、『DC-コンパス』開発の経緯を説明する。
100項目での自己分析とコンサルティングで自社の課題を明確化
通販事業診断プログラム『DC-コンパス』は、大きく2つのステップで構成されている。まず始めに取り組むのは、100項目からなるアンケートへの回答だ。これがステップ1となる。
「EC事業に必要な要素を、戦略、ブランディングなど5つの分野に切り分け、さらにそれらを 10個の小カテゴリーに細分化し、各小カテゴリーにつき、10項目の質問を用意しています。
これらにご回答いただくことで、優位性ポイントがどこにあって、改善すべきポイントはどこにあるのか、ということが明らかになります」と小林氏。
そして次のステップ2では、アンケートの結果に基づいて、電通ダイレクトマーケティングのスペシャリストによる個別インタビューを実施する。過去約10年で750社以上のお客様にいただいた業務経験をもとに行うコンサルティングで、的確に課題箇所を明確化していく。
「ステップ1のアンケートは、主観的な回答にならないように質問項目を工夫しています。ですから、ステップ1で得られる結果は、かなり客観性の高いものです。
しかし、通販事業の全体像をわずか100項目の質問のみで細部まで深掘りすることは不可能で、あくまで全体を俯瞰することが目的です。そのため、具体的な課題を明確化したり、課題解決の方向性を検討したりするために、個別インタビューを行います」と小林氏。
この診断プログラムは、アンケートによる自己分析+専門家によるコンサルティングによって、より客観的、かつ具体的に課題を明確化できるのである。
成長途中のリピート通販事業者の経営診断に最適
通販事業診断プログラム『DC-コンパス』は、現状の事業状態を分析・把握するためのツールであり、健康診断のようなものだといえよう。
「EC業界は、トレンドもめまぐるしく変化しますし、テクノロジーも日進月歩です。そのため、このプログラムは一度やって終わりではなく、年に1回程度、定期的に利用いただくことで、常に自社の状態を確認していただき、前回の診断結果に基づく取り組みの達成度などを評価するためのツールとして活用していただきたいですね。
また、このプログラムによって得られる分析結果は、経営診断的な側面がありますから、ぜひ経営層の方に積極的に導入していただきたいと思います」と小林氏がいう通り、この『DC-コンパス』は、マネジメントのための定点観測指標としても有効だろう。
なお、この『DC-コンパス』が想定しているEC事業者は、中規模程度の事業者だという。
「ひと口にECといっても、事業規模や取り扱い商品などの違いによって、事業を成長させるためのフェーズは違ったものになります。今回、当社がリリースする『DC-コンパス』は、EC事業に取り組み始めて5年前後を経過した中規模のリピート通販型のEC事業者様を想定したものになっています。
この分野は、当社がお手伝いしている事業者様も多く、当社内に知見・ノウハウがかなり蓄積できている分野のひとつだからです。
しかし今後は、さらに『DC-コンパス』のバリエーションを拡大していこうと考えています。より多様な成長ステージのリピート通販に限らず、多様なスタイルのEC事業者様に活用していただくことで、EC業界全体の発展に寄与していきたいと考えています」と小林氏は語る。
まずは中規模のリピート通販を想定したプログラムだが、今後はさらにバリエーションが広がっていくそうだ。
自社のありようを的確に把握することは、事業拡大の第一歩である。さらなる発展を目指すなら、ぜひ一度、通販事業診断プログラム『DC-コンパス』を活用してみることをお勧めしてみてはいかがだろう。
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