ふるさと納税市場の狙い目は20~40代の女性!「Qoo10ふるさと納税」開始

野中 真規子

ebay Japan合同会社 フードカテゴリー室長 寺村宏氏
レッドホースコーポレーション株式会社 地域活性化本部 営業企画担当 浦畑奈津子氏

インターネット総合ショッピングモール「Qoo10(キューテン)」では、10月16日より「Qoo10ふるさと納税」の提供をスタート。既に18の自治体が参加し、3000種類の返礼品を提供。今後はさらに自治体を増やしていく見込みだという。

楽天の「楽天ふるさと納税」、ヤフーの「Yahoo!ふるさと納税」、auコマース&ライフは「au Wowma!ふるさと納税」など各社が提供を開始している中で、なぜ今サービスを立ち上げたのか。

同社の取り組みやふるさと納税市場の現状についてQoo10のフードカテゴリー室長 寺村宏氏と「Qoo10ふるさと納税」の自治体様営業および運営サポートを行うレッドホースコーポレーション株式会社(以下、レッドホースコーポレーション)の地域活性化本部 営業企画担当 浦畑奈津子氏にお話を伺った。

ふるさと納税市場の狙い目は20〜40代の女性

ーーもともとファッション、ビューティーといったカテゴリーがメインの「Qoo10」において、ふるさと納税を始めることになった背景にはどういったことがあったのでしょうか。

寺村氏:フードカテゴリーはリピート購入が見込めることから、2016年から会社をあげて注力してきました。Qoo10内のファッション、ビューティーカテゴリと比較すると規模感はまだ小さいものの、伸び率としては大きく成長しているため、需要はまだまだあると感じています。

数年前からふるさと納税の市場にも魅力を感じる中で、世間的な認知度と実際の利用者の乖離があることもわかりました。中でも20〜40代の女性は9割以上がふるさと納税を知ってはいるものの、利用経験がある人は2割以下というデータもあります。

実は「Qoo10」の会員1300万人のうち8割が女性。会員の皆様にふるさと納税を一度体験していただくことで、まだまだ市場が伸び、よりたくさんの地域に貢献できると考えました。

また「Qoo10」には地方のセラー様も多くいらっしゃいますが、ふるさと納税用に商品を用意しているというお話を伺うことも多く、セラー様経由で参画される自治体様や、返礼品が増えるなどのメリットも予測しました。

Qoo10ふるさと納税サイト
参加自治体: 北海道倶知安町、秋田県仙北市、宮城県富谷市、秋田県男鹿市、北海道仁木町、秋田県三種町、北海道美深町、北海道佐呂間町、青森県平川市、青森県平川市、福井県若狭町、山梨県上野原市、岡山県里庄町(順不同)10月16日現在

ーーなぜこのタイミングでふるさと納税をスタートされたのですか。

寺村氏:
ふるさと納税事業を一から立ち上げることは、営業や技術的なことも含めて難しい部分がありましたが、昨年からeBay体制になって技術的な可能性が上がり、さらにレッドホースコーポレーション様とパートナーシップを組むことで営業や運営もカバーしていただけることになり、事業をスタートすることができました。

ふるさと納税サービスのプロが、運営バックアップ

ーーレッドホースコーポレーション様の取り組みについて教えて下さい。

浦畑氏:レッドホースコーポレーションでは、これまでふるさと納税に関してさまざまな役割で関わってまいりました。

レッドホースコーポレーションでは、自治体様のふるさと納税にかかる様々な業務をバックアップしています。現在、全国250以上の自治体様、6,000以上の事業者様とお付き合いをしておりポータルサイトへの返礼品掲載から配送管理まで一気通貫でサービスを提供できることが特長です。

また自社でふるさと納税ポータルサイトの「ふるまる」を運営、2019年からは返礼品データを一元管理する「Furusato360」というシステムも提供を開始し、各ポータルサイトとの連携の効率化という面でも業務支援の幅を広げようとしています。

「Qoo10」のように、20〜40代の女性会員の多いサイトは、ふるさと納税を提供している中では珍しいです。「Qoo10」は、弊社がふるさと納税の事業を展開する中で、展開を広げられていない部分を埋めてくださるサイトとして魅力的に感じ、事業運営をサポートさせていただく運びとなりました。

これからのふるさと納税は、規模の拡大より魅力訴求が重要

ーー最近のふるさと納税市場の傾向を教えてください。

浦畑氏:
昨年度までは規模を大きくしていくことに注力する自治体様が多かったのですが、総務省から返礼品に関する通達が出たこともあり、立ち止まって方向性を検討し直すところが増えています。

ふるさと納税を通じて、自治体様があらためて、自分の市町村の何が魅力なのか、どう差別化できるのかを考える、いわばマーケットでの立ち位置を確立していくタイミングがきています。これまでの、掲載数をとにかく増やすという意識から、掲載するサイトを選択するという意識に切り替えることが大切です。

ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)
出典元:ふるさと納税に関する現況調査結果

ふるさと納税の本来の目的である「市町村の魅力を感じて支持してもらう」「観光客を呼び込む」といったことを考える中で、より多くの20〜40代の女性にファンになってもらうことは欠かせません。そこで女性会員が多い「Qoo10ふるさと納税」を選択される自治体様は増えてきています。

「Qoo10ふるさと納税」は、これまでの「Qoo10」のナビゲーションをそのまま生かして、ふるさと納税のサービスも入っている形。このためふるさと納税をメインとしているサイトとは雰囲気が違い、通常のお買い物とシームレスでふるさと納税を利用できることが大きな魅力です。

Qoo10のモールパワーで利用者拡大キャンペーンを実施

ーー「Qoo10ふるさと納税」を活性化するために、どのような施策をとられていますか?

寺村氏:
現在出店されている自治体様は18件、お申し込みは30件程度あり、年内にはさらに出店数が増える見込みです。まだ数は少ないのですが、このことは逆に1300万人の会員に対してアプローチしやすい、それぞれの自治体様の存在感が埋もれにくいというメリットでもあります。

弊社ではそこを利用して、自治体様の手厚いプロモーションのサポートをしています。現在総務省の規制により、ふるさと納税にかかる経費は50%以内というルールがあるため、なかなか自治体様では費用をかけてプロモーションできないのが現状です。

そこをできるだけカバーするために、弊社では会員に対してメルマガやサイト内のバナーで自治体様の魅力を発信しています。自治体数の多いサイトではこうしたきめ細やかなサポートは難しいと思います。

浦畑氏:自治体様に注力してPRしているサイトがなかなかない中で、こうした動きは非常に喜んでおられるところも多いです。

寺村氏:もうひとつ、会員により多くふるさと納税を経験していただくために、寄付された方へのポイント付与、抽選でのギフト券進呈、寄附額に応じて景品が当たるなどのキャンペーンも実施。こうした施策を通じて一度経験していただければ、ふるさと納税の魅力をご理解いただけ、継続していただけると考えています。

またふるさと納税によって初めて確定申告をされる方向けに、freee様と協力して、簡単に確定申告ができるfreee社サービスを初月500円オフでご利用いただけるクーポンを提供しています。

ゆくゆくは、「Qoo10ふるさと納税」オリジナルの返礼品も

ーー今後の展望をお聞かせください。

寺村氏:
ふるさと納税の利用は12月に集中します。近いところでは年末に向けて需要が高まる中で、「Qoo10」の中でもふるさと納税をより前面に見せる施策も進めてまいります。

また今後は20〜40代の女性にマッチするような「Qoo10」オリジナルの返礼品も用意したいと考えています。

浦畑氏:弊社としてはこれからより一層、「Qoo10ふるさと納税」の魅力を広くご紹介し、出店される自治体様を増やしていきたいと考えております。そうして「Qoo10ふるさと納税」の認知度が上がったら、寺村様がおっしゃるようにオリジナル返礼品などの特集企画ができたら理想的ですね。

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記者プロフィール

野中 真規子

ライター。著書(電子書籍)『片付けられない、という「思い込み」をなくして、今すぐ片付けるための本』(ハウスキーピング協会)が好評発売中。ECのミカタにおいては、ECサービスのお話から伝わる本質的なメッセージを受け取り、拡散することが歓びです。

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