毎月の作業時間15分でCVRが1.5 倍に!AIの活用で無駄の無いクーポン配布を実現
CVRアップのために、クーポンを配布するケースは多いものの、活用方法を誤れば、利益に繋がらない可能性もあります。今回、AI を搭載し適切なタイミングで適切なユーザーへのクーポン配布を可能とするWeb 接客ツール『AiDeal(アイディール)』について、Emotion IntelligenceのCEO太田氏と、『AiDeal』を活用しているゴルフダイジェスト・オンラインの大友氏に話を伺いました。
クーポンの無駄打ちをなくしたい
大友:ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)は、ゴルフ場の予約サービスやメディアなど、ゴルフに関わるサービス全般を提供しているポータルサイトです。ECサイトは2001年に開始し、ゴルフクラブやアパレル商品などを常時4万点ほど扱っています。
数年前からユニークのお客様を増やす取り組みを進めており、利用促進を加速させるために、クーポンを配布しています。しかし、以前は効果データを見ながらアナログで配信セグメントを切っていました。事業柄、社内にはゴルファーも多いので自分たちの経験や勘でクーポン配布のシナリオを組んでいたのですが、クーポンを配らなくても買ってくれたであろうお客様にも配信しており、無駄打ちが多い印象でした。
時間がかかる上に効果が安定しないという課題を解決すべく、『AiDeal』を導入しました。
太田:『AiDeal』はECサイトに訪れたお客様のマウスやスクロール、タップなどの動きを精微に取得することでお客様の挙動を理解して学習し、購買意欲や離脱の可能性を予測してベストなお客様にベストなタイミングでオファーを出すことができるサービスです。
『AiDeal』はサイトごとにアルゴリズムを作っているのですが、どのようなお客様がコンバージョン(以下、CV)に至るのかや、購入を迷っているお客様の動きなどのスコアリングデータを多数のサイトから取得しているので、これまでに蓄積された知見や学習済みデータが活用できるのです。
かつては『ZenClerk』というサービス名で提供していましたが、弊社がアジア12ヶ国で人工知能(AI)技術を活用したマーケティングソリューションを提供するAppierグループにジョインしたタイミングで名称を変更しました。Appierのデータサイエンティストとのコラボレーションによって、AIの精度は進化しています。
毎月15分の作業で新規購入のCVRは1.5倍に!
太田:AIを搭載していることで、本当にクーポンが必要なお客さんにクーポンを配布できるため、コンバージョン率を向上させることが可能です。また、多様なテンプレートを使って無駄なコストがかかりません。さらには、運用がとても楽であるという3点が大きな特徴です。
大友:運用の手間がかからないのが一番助かりましたね。毎月クーポンを更新しているのですが、クーポン番号を発行して、登録するだけなので、毎月15分程度で作業が完了します。以前は露出の設定なども含めると一つのクーポンを設定するのに少なくとも2、3時間はかかっており、クリエイティブの作成も考えると10時間程度は必要でした。『AiDeal』は導入もタグを埋め込むだけですし。
太田:ショッピングカートをご利用のお客様でしたら、それぞれのカートASP用のマニュアルも準備していますし、場合によってはエンジニアさんに直接連絡を取ることもありますね。導入段階で諦めてしまう方はほとんどいないほど導入は簡単です。
大友:『AiDeal』を導入してからは一定の効果が出ていますね。GDOでは新規購入者の増加を重要視しており、クーポンも初回購入を促進する内容に絞っていますが、月に500~800人ほどは新規で購入してくださっています。CVRでいうと大体1・5倍はアップしました。
太田:『AiDeal』を導入されると、商材や商品の価格帯によって多少前後しますが、平均して1・4倍はCVRがアップしています。まれに、クーポンをすべてのユーザーに出した方が効果が出ると考えられる方もいるのですが、常にクーポンを配布していると、お客様に「いつもクーポンを配布しているんだな」と思われ、クーポンの配布をしていない時にCVRが下がる要因にもなるので、サプライズ感のある形で配布することをオススメしています。
クーポン配布は『AiDeal』に任せて効率化
大友:実は『AiDeal』と別にクーポン配布機能が備わっているマーケティングツールを利用し、サイト改善やメルマガでのCRMにも活用しているのです。既存のツールがあるにもかかわらず『AiDeal』を導入する必要があるのかという意見もありましたが、『AiDeal』は安定して効果が出し続けられますし、運用が楽なので、クーポンに関するところは『AiDeal』に任せてしまった方が効率的です。
太田:結果にムラが出ないというのは非常に重要ですね。『AiDeal』は、担当者の知見や過去のデータに捉われず、最新のデータを使用するため、安定した効果を出せるのだと思います。
AIの進化とともに『AiDeal』も進化
大友:ちょうど今相談をしているところなのですが、インセンティブを出せば売り上げが伸びるのは当然なので、今後はインセンティブではない、新商品紹介ページや特集ページなどのコンテンツを適切なタイミングで出せるようにしていきたいと考えています。 また、本当にクーポンが必要な人だけに配布を絞れるよう、精度の向上に期待したいですね。
太田:ブラウザの先にいる膨大な数のお客様の状況や求めているものを把握することを人間が対応するには限界があります。
データを活用して予測データを出せることがAIの醍醐味ですし、Appierグループにジョインし、資本力もリソースも増え、より深いAI技術を投入することができるので、AIを活用してEC事業者様の課題を解決していきたいと思います。
<「ECのミカタ通信」vol.19より転載>