スタートアップ企業の特権、物流コストを抑えながら成長していくための秘策
近年、物流コストの増加で頭を抱えているEC事業者は多いはず。特にスタートアップの事業者にとっては、初期費用や固定費など、費用がかさむ物流をアウトソーシングするのはハードルが高いとお考えのことだろう。
株式会社KEYCREWでは従来の“物流会社目線”のコスト体系を見直し、とことんクライアントの立場に立って、保管費を中心に費用を下げ、固定費・初期費用を取らない物流の仕組みを作ってきた。さらに最近さらなる値下げも断行し、サプリメントや雑貨等の小さい商材をより低コストで出荷できるようになっている。
同社の物流費への考え方や、初期費用・固定費のいらないサービス『STOCKCREW』の魅力について、CSOの日高大介氏にお話を伺った。
「高くても仕方ない」と諦めることなかれ。物流コストは下げられる!
――近年進んでいる物流費の高騰。「高くても仕方ない」と諦めているEC事業者も多いと思いますが、御社ではどうお考えですか?
物流費を抑える方法はあります。
従来、物流費は物流会社側の目線で設定されてきました。たとえば保管料は荷物の量に関わらず坪単価で計算される契約や、最低10坪からの最低保証設定など物流会社側のメリットを確保するという視点で設計されたものもありました。
取り扱い物量が多く、購買力のある大手企業が物流会社に対して優位に交渉を進めることができたとしても、取り扱い物量が少ない中小EC事業者にとっては交渉することすらできず、多くは物流会社目線の契約内容に従わざるを得なかったという状況がありました。
今はECシステムなども発達し、誰でも気軽にネットショップを開設しECビジネスができるようになりましたが、物流の料金体系については依然として従来のやり方が残っています。
「少量の出荷から始めたい」「これから伸ばしていきたい」と考えている事業者さんからすると、アウトソーシングをするにはハードルが高い状況です。
そこで弊社はスタートアップのEC企業の需要を考え、コスト削減の工夫や使い勝手の改善を進めてきました。
――物流コストを下げるために、御社ではどのような工夫をされているのですか?
庫内作業スタッフを自社で雇用することで、オペレーションの改善をコストに直接還元できる仕組みを整え、物流費自体を安くしています。
それにより、保管・作業など弊社でコントロールできる部分については、クライアント毎の立場に立って料金設計をしています。
例えば保管料は、よくある3辺サイズの合計を基準とした算出方法ではなく、体積で計算します。これにより、お預かりする商品ごとに適正な保管料を提供しています。商品によっては3辺サイズの料金設定より体積計算の設定の方が費用を大幅に抑えることが可能です。
――確かに、立方体に近い商品Aと、アパレルなどの薄い商品B が同じ物流費用では納得がいかないという人も多いと思います。御社のように、商品の体積や数量に合わせて最適な保管料で預かってもらえる仕組みだと嬉しいですね。
とくにサプリメントや化粧品など、商品の大きさが60センチ以下のものはコストメリットが高くなっています。
今のところ配送については現時点では大手三社自体が決めた料金体系に乗らざるを得ませんが、配送から作業代、配送費用まで含めても、他社と比べてかなりお得になっています。
スタートアップ企業の成長を応援する物流サービス『STOCKCREW』
――御社の物流サービス『STOCKCREW』について詳しく教えてください。
『STOCKCREW』はスタートアップ企業が大手企業に対抗していくために、物流会社目線で何ができるかを徹底的に考えて設計したサービスです。
入荷から配送までの物流機能がワンストップで利用でき、大手物流会社並みの品質でありながら、スタートアップ〜中小企業でも利用しやすいコストを実現しています。
一番のメリットは、「初期費用・固定費が0円」従量課金の料金体系であることです。だからこそ商品1点からまずは始めてみる!ということも可能です。もちろんお客様のショップ実績の件数や物量で適用単価が変わることもありません。
また最低契約期間などの契約の縛りもないので、クラウドファンディングなどの単発で始めていただくことも可能です。実際クラウドファンディングで今回のみなどの契約で利用されるEC企業様もいらっしゃいます。
「初期費用・固定費が0円」について少し細く説明をします。
一般的に物流会社へアウトソースした場合は固定費がかかります。入出荷の有無に関係なく、人件費やシステムにかかる費用を「管理費」や「固定費」の名目で固定費として取っているのです。
弊社では固定費をいただかず、実際にお預かりしている分の保管費と、商品が動いた時の作業費分のみをいただいています。
物流会社選定の際、見積書を比較するときに是非固定費・初期費用についてチェックしてみてください!
――『STOCKCREW』を導入すると、どのくらいのコストでお願いできるのですか。
1点分の入荷から出荷までの作業費用と資材費・配送費込みで、ネコポス利用の場合300円、60サイズは660円からご利用可能です。
11月に料金改定を行い、1点分の作業費と配送費・資材費をすべて込みにした料金体系にしました。また2点目以降の作業費はサイズに関係なく、一律30円になります。
STOCKCREWでは、宅急便コンパクトも用意しており、レターサイズ以上60サイズ未満のサイズでの配送方法をお探しのお客様のニーズにもお答えしております。
また保管料は体積で計算しています。たとえば10×17×2.3サイズのスマホケースの場合、『STOCKCREW』では1点0.13円/日となります。
自動出荷やチラシ同梱、ラッピングにも対応。サポートも万全!
――『STOCKCREW』は、他にどんな魅力がありますか。
まず、システム面のサービスとしてはAPI連携があります。
API連携より、受注データは自動で弊社システムに連携されます。API連携実績としてはShopify・BASE・カラーミーショップなどのカートシステムから、楽天・Yahooショッピング!・Amazonなどの大手モールとも連携可能です。API連携により、事業者様の手間が大幅に削減可能です。
API連携ができない場合でもCSVを使って簡単にデータのやり取りをしていただけます。データのフォーマットや連絡方法は、弊社担当から業務開始前にしっかりご案内致します。
次に作業面では細かなことにも対応するサービスが挙げられます。単品リピート通販に対応するため、お客様の購入回数に合わせてチラシを同梱する作業が可能です。
また商品のタグ確認や割れ・欠け、色見等目視で対応可能な範囲の検品、ギフトラッピングにも対応しています。その他にも国内発送は全国に向けて可能であるほか、海外へ配送する越境ECや、ヨーロッパ、中国からの輸入についても対応しています。
――初めて物流をアウトソーシングする人は、不安もあると思います。サポート体制はいかがですか?
専用チャットを設けてお客様とスムーズなコミュニケーションを行い、サポートをしっかり行っています。
弊社には「物流を委託したいけれど、何から始めたらいいかわからない」「物量が少ないため他社に断られて困っている」といったお問い合わせも多いのですが、営業担当者が商材やビジネスに合わせた料金やフローを設計していくので、安心してスタートしていただけます。
実際にお問い合わせいただくことで、『STOCKCREW』の魅力を感じていただける方も多く、その場で導入を決定される企業もいます。設定も簡単ですので、そこから3日~一週間以内に立ち上げることも可能です。
変化の激しいEC市場ではスピード感が大切ですから、弊社としてもスピード感を重視して、対応力を上げているところです。
導入後は、実際に配送される時の様子がわかるよう、配送サイズ、梱包内容などを事前に確認いただいて、ご納得いただいた上で稼働しています。
「世の中に魅力的な商品を提供したい」と考える企業をサポートしたい
――現在、『STOCKCREW』どのような企業が使っておられるのでしょうか。
現在の導入実績社数はおかげさまで10月には100社を数えました。この中で定常的に稼働しているお客様は8割、残り2割はスポット・トライアルとしてご利用頂いております。単品リピート系の商材をメインに、常温ドライの商材を幅広くお預かりしています。
お客様の声には「コストが削減できた」というのはもちろん、「モールの設定の仕方をレクチャーしてもらえて助かった」というも多くあります。
ECを始められたばかりの方ですと意外とご存知ないのですが、各モールには商品コードのとらえ方や代引きの設定方法などにクセがあり、商材やビジネスによって設定を変える必要があります。
物流とは分野の違う部分ではありますが、弊社としてもお客様の事例から得たモールの知見を増やすことで、システム開発に生かせるというメリットがありますので、このようなご相談にも積極的に対応しています。
――今後はどのような企業に『STOCKCREW』をお使いいただきたいですか?
「世の中に面白い商品を提供したい」「商品を売りたいが、一人では難しい」そうお考えの方に対して、『STOCKCREW』を通して応援したいです。
現在、『STOCKCREW』のサービスサイト(https://stockcrew.jp/)ではサービス・料金体系の紹介から、商品情報を入力するだけでその場でわかる簡易見積機能を用意しています。
またFacebookやInstagramのSNSを通して、倉庫内の作業風景や梱包資材などの細かな物流情報を配信しています。こうした情報配信によりスタートアップの企業に対して、もっと物流や弊社のサービスを身近に感じていただきたいという思いがあります。
――今後の展望をお聞かせください。
現在、ピッキングロボットを使った作業のテストを行い、導入に向けた準備をしております。
現在は既存オペレーションとの整理や商品との相性、受注オーダーの処理方法を基に試行錯誤しながら進めておりますが、将来的に庫内作業のピッキングに関わる工程の大部分をロボットが担うことで省人化を実現し、昨今問題となっている人材不足にも対応していくことを考えております。
多くの中小事業者の多種多様な製品を取り扱うことにより、ロボット稼働のノウハウを蓄積し、物流業界として今まで改善できなかった労働環境の改善や人とロボットが協働するオペレーションの創造につなげていきたいですね。
今後もお客様が使っていて気持ちがいいサービスを提供できるよう、システム開発も積極的に内製化して取り組んでいきます。
具体的には、お客様とのより円滑なコミュニケーションを実現するべく、お客様が欲しい在庫、出荷、入荷実績といった物流情報をすぐに見られるようにしたSTOCKCREWシステムを開発済みで一部のお客様には既にご利用いただいております。
今後もより多くのお客様のリクエストを改善につなげ、物流サービスと一体となってお客様の満足度を向上させ、末永くご利用頂けるツールに育てていきたいと思います。