養鶏業を起点にオムニチャネル化に成功 原動力は「鳥取愛」と届けたい「想い」
鳥取県八頭郡にある大江ノ郷自然牧場は、養鶏業を起点に食品製造、調理、飲食店、宿泊業など、事業を多角化し、コロナ禍にオムニチャネル化を進めたという。ECサイトを訪れた人がつい買いたくなる秘密はどこにあるのか。運営する有限会社ひよこカンパニー 代表取締役 小原利一郎氏に聞いた。
コロナ禍を機に、ECとオムニチャネルに本腰
──EC事業をスタートした背景と、これまでの経過をお聞かせください。
2004年に楽天市場に出店しましたが、モールという形態が当社には合わないと感じたので4年ほどで撤退し、その後は細々と自社ECを運営していました。一気に潮目が変わったのがコロナ禍です。検索経由での注文が急増するようになり、私自身もイチから勉強して、ECに本腰を入れるようになりました。
──2012年のカートシステムのリプレイスには、なぜfutureshopを選んだのでしょう。
当時定期コース(サブスク)機能を備えたカートシステムが2つしかなく、その中でも安心できると感じたんです。
──オムニチャネルにはどういった経緯で取り組まれたのですか。
店舗とECの融合の必要性は以前から感じていて、コロナ禍でお客様の来店が難しくなったことをきっかけに、危機感を持ってオムニチャネルに取り組みました。futureshopとポイント・顧客一元管理システム「CROSS POINT」、アプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」の連携のおかげで、思ったよりも簡単かつ短期間でオムニチャネル化ができたのはとても良かったですね。
「世界観」と「買いやすさ」を重視したサイト作り
──サイト作りにおいてこだわっていることをお聞かせください。
読み物を充実させることで、私たちが大事にしている想いや世界観を伝えることを意識しています。また、コロナ禍でECサイトをフルリニューアルした際は、自分自身が「買いやすい」と感じるサイトにすることにこだわりました。見やすさ、わかりやすさ、直感的に探せることを重視し、日々改善を重ねています。
──商品開発においてはどのような点にこだわっていますか。
創業以来、地元鳥取のものを中心に、国産原料やオーガニック原料を使うこと、無添加で作ることを貫いてきました。スイーツだけでなく、パンやソーセージ、デリカなど多彩なラインアップをご用意すること、定番商品だけでなく、季節限定商品を販売することで、お客様を飽きさせないことも意識しています。
──今後の展望をお聞かせください。
私たちのミッションは、鳥取の自然の素晴らしさと農と食の大切さを伝えることです。もっと大江ノ郷自然牧場を知ってもらい、それを機に鳥取を訪れてもらうための取り組みを、今後も試行錯誤しながら地道に継続していきたいです。