リスティング広告の運用のコツは?グーグル・ヤフー広告の掲載順位の上げ方
大人気のJECCICA勉強会が開催されました。第12回のテーマは『Google広告(旧adwords)とYahooプロモーション広告の有効的な運用について』。トータルWEBコンサルティング合同会社CEOの芳賀宗彦氏が登壇し、効果的なリスティング広告運用について、わかりやすくレクチャーしてくれました。芳賀氏はウェブ制作、広告運用、ウェブ解析の経験が豊富。集客コンサルティングを行って数々のクライアントを成功に導いてきました。リスティング広告を運用する上で、押さえるべきポイントとは?
リスティング広告に向いている商材とは?
今日はGoogle広告(旧AdWords)・Yahooプロモーション広告についてお話します。
まず、リスティング広告に向いている商材の条件は何でしょうか。
・客単価5千円以上(理想は7千円以上)
・粗利35パーセント(理想は50%以上)
・競合がいない、または少ない
・ニッチな商材である
・ギフト商材を持っている
これらの条件のどれかに当てはまると良いと思います。
一番重要なのは、「商品力がある」ということです。
ニッチ商材についていうと、弊社のクライアント様の「のぼり革命(オリジナルのぼり通販サイト)様、青山グラフィック(下敷き印刷・定規印刷など)様は、リスティング広告が大きな結果に結びついたクライアント様です。
効果的な広告キーワードを見つける方法
最初はキーワードプランナーでキーワードを見つけていきます。
キーワードプランナーは無料で使うことができますが、実際に広告を配信していないと数値がざっくりとしか表示されません。広告配信することでデータを具体的に示してくれます。
キーワードプランナーで確認できる情報は、
・インプレッションシェア
・月間平均検索ボリューム
・入札単価の上限下限
・プラットフォーム別のインプレッション数
・地域データ
などです。
新しいキーワードを検索した時に、表示されたキーワードをすべて登録するわけではありません。キーワードは次の3種類に分類できます。
・情報を集めるキーワード
・指名のキーワード
・購入に至るキーワード
例えばグーグルで「花束」というキーワードを検索すると、キーワード広告ではなくback numberというアーティストの「花束」という曲が表示されます。
ショッピング広告は表示されますが、キーワード広告は表示されません。これは「花束」という言葉が検索されたときに、キーワード広告を表示しても購入には至らない、とグーグルが判断しているからです。
一方、「プリザーブドフラワー」を検索すると、キーワード広告が表示されます。「プリザーブドフラワー」で検索された時には購入に至る割合が高いとグーグルが判断しているからです。
ですから、キーワードとして考えている言葉を検索してみて、その中でキーワード広告が表示される言葉を登録すると良いでしょう。そうでないとインプレッションがとれません。
また、キーワードプランナーは競合のURLを入れてキーワードを拾うことができます。競合がどのようなキーワードを入れているか確認すると良いでしょう。
サジェストキーワードの利用法は?
キーワードを選定する場合に、関連キーワードを取得する「Good keyword」や「MIERUCA」などのツールもあります。
また、広告を運用していると、検索語句や検索クエリの情報がたまっていきます。コンバージョンが取れているものを登録してきます。
検索エンジンのサジェストキーワードも利用していきましょう。検索エンジンで検索すると、サジェストキーワードも表示されますので、これらを登録していきます。
例えば「花宅配サービス」で検索すると、「花宅配サービス人気店」もサジェストキーワードも出てきます。
サジェストキーワードは完全一致で登録し、1位を狙います。ボールド(太字)で表示されるようにして、視認性とCTRをアップさせます。完全一致でなるべくコストを抑えて広告を1位に表示させるようにしましょう。
グーグルだと、検索した時に下にもサジェストキーワードが表示されます。表示されたサジェストキーワードのうち、自社にあうものを登録します。
広告ロスを減らす方法。マッチタイプの検証と対象外キーワード登録
キーワードのマッチタイプには、部分一致とフレーズ一致、完全一致があります。部分一致は金額が安いですが広告を大量に消費してしまう可能性があります。完全一致は金額が高いですが、ロスを防ぐことができます。なるべく完全一致にします。
そして、実際広告を配信してみて、検証していきます。成績の悪いものを外す、コンバージョンが高いけれどCPAが高いものは外す、成績の悪いものは入札単価を下げる、などしていきましょう。
対象外キーワードの登録も必要です。
広告を運用していくと、「このキーワードで検索されてもコンバージョンに至らない」というキーワードが分かっていきます。サイトの内容や商品と関係ない特定のキーワードは、広告を表示させないようにする必要があります。そうしたキーワードは「対象外キーワード」として登録します。
ヤフーでは「検索クエリ」、グーグルでは「検索語句」と言います。
広告のロスを防ぐためには、対象外キーワードの登録が必要になります。
広告キーワード作成のまとめ
①最初はキーワードプランナーを利用します。
クライアント様から「最初このキーワードで出稿してほしい」とデータをいただく場合もありますが、その場合はいただいたキーワードを登録し、選別していきます。
キーワードプランナーでは過去のデータも収集できますので、参考にします。
②サジェストキーワードを登録していきます。
専用の広告グループをつくって配信するとコンバージョンがアップします。例えば、花の配達の場合には「配送」「宅配」などのキーワードがあります。キーワードごとに専用のグループをつくって、タイトルや広告文の文言を変えて、配信します。
③マッチタイプの変更
「このキーワードならコンバージョンが高い」というキーワードを検証し、CPAを下げます。トライアル&エラーで最適なキーワードを登録していきましょう。
ヤフープロモーション広告作成のポイント
ヤフーは、一定金額を超えると担当がついて、キーワードの提案やアカウント点検をしてもらえるほか、「ここを改善したほうが良い」というレポートなどもいただけます。
ヤフーは広告の作成時、表示URLで日本語の設定ができます。
広告を作成した後には、広告表示オプションが重要になります。広告表示オプションを効果的に使いましょう。
広告表示オプションで広告が目に留まりやすくなりますので、クリック数が増えます。クリック数が増えることで、掲載結果が向上します。広告表示オプションがすべて表示されるわけではなく、表示されるか表示されないかは、広告の質と入札単価によって決まります。
クリックリンクオプションは、通常の広告文の下に、広告タイトルのリンク先とは異なるページヘのリンクを多岐にわたって登録し、表示させることができます。
例えば、誕生日の花広告の下に、「青いバラの花束」などを登録することができます。青いバラの花束を求めている人に目的のページのリンクをクリックさせることができます。
クリックリンクオプションは作成した後に、関連付けをする必要があります。
広告の説明文は文字数が限られていますが、テキスト補足オプションで表示しきれなかった内容を表示することができます。また、カテゴリ補足オプションや電話番号オプションもあります。
広告表示オプションはすべて表示されるわけではありませんが、オプションをつけることで6行表示もされることもあります。
<Yahoo広告のまとめ>
①拡張テキスト広告は3個以上設定しましょう
自動でインプレッションが高いものが表示されます。ABテストをして最適な広告文をつくりましょう。
②広告文にキーワードを盛り込み視認性を高めましょう。
③広告表示オプションはすべて登録しましょう。
グーグル広告作成のポイント 広告表示オプションの活用法
グーグルにも広告表示オプションがあります。広告表示オプションはなるべくたくさん登録しましょう。広告表示オプションは、目的に基づいて選択します。
目的1.来店して購入してくれる顧客を増やす
・住所表示オプション
・コールアウト表示オプション
目的2.問い合わせ件数を増やす
・電話番号表示オプション
・メッセージ表示オプション
目的3.ウェブサイトでのコンバージョンを増やす
・サイトリンク表示オプション
3つに分かれていますが、全部入力したほうがいいと言われています。
<グーグル広告表示オプションのまとめ>
表示オプションには以下のものがあります。
しっかり登録すると広告の品質が上がるとグーグルも言っています。
①サイトリンクオプション
LP以外のリンク、テキストで訴求
②住所表示オプション
Googleマイビジネスのアカウントへの紐つけ
③電話番号表示オプション
電話をかけたり、メッセージをおくったり。問い合わせの増加・急ぎのオーダー
④コールアウト表示オプション
説明文に入らないサービスや特徴を表示
⑤構造化スニペットオプション
コールアウトに似ている
⑥プロモーション表示オプション
広告の下部に商品ディスカウント情報を表示
グーグル・ヤフー広告の掲載順位を上げるには?
広告の表示順位やCPC(1クリックあたりの広告費用)は、広告ランク(グーグル)/広告の品質(ヤフー)で決まります。
広告ランク、広告の品質が高ければ、掲載順位が上がり、CPC(1クリックあたりの広告費用)が下がります。
これらの指標は管理画面で見られません。
そのため、管理画面で確認できる品質スコアと品質インデックスで判断していく必要があります。
グーグルの「広告の品質」は、複数の要素が評価されて決まります。
・推定クリック率
・表示URLの過去のクリック率
いったん広告をとめるとゼロに戻るので出し続ける必要があります。
・広告文と検索クエリの関連性
・広告が掲載される地域別の掲載実績(アカウント全体)
・ネットユーザーの検索クエリ
・各種デバイスの広告の掲載実績
キーワードと広告の関連性が高ければ、入札単価が低くても表示されることがあります。
ヤフーの「品質インデックス」は、キーワードごとの品質を表す10段階の指標です。最初は「6」でスタートし、1~10に分類されていきます。「品質インデックス」が低かったら削除したほうが良いです。
ヤフーの「品質スコア」「品質インデックス」を上げるには、次を実施すると良いでしょう。
・問題のあるキーワードの改善。対象外キーワードの設定
インプレッション少ないのは削除してもいい
・広告文の変更(ABテスト
・キーワードと広告の関連性
・広告グループをわけてキーワードごとに設定(CVアップ)
・LP改善
LPの改善には、「Mouseflow」(https://mouseflow-jp.com/)というサイト分析ツールが役に立ちます。
ユーザーの動きを見るヒートマップで、どこが見られているかを確認できるので改善点がわかります。
キーワードの選定法から、広告の品質改善方法までわかりやすく教えていただき、とても勉強になりました!!
勉強会では、この後グーグルの「コンテンツターゲティング広告」、「3つのAから構成されるグーグル広告の必須設定」についても、詳しく教えていただきました。
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