【第3回】事例に基づくデータの活用方法(LINE編)

稲益 仁

国内におけるEC経由での物流総額は年々勢いを増して上昇し続けています。競争が激化していくマーケットにおいて、今後を勝ち抜いていくためにはEC事業会社それぞれが持つデータを活用したマーケティングがこれからは必要です。

本連載を通じて、最先端のデータマーケティングについて語ります。

【第1回】いまデータマーケティングをやるべきたった1つの理由
https://ecnomikata.com/column/9150/

【第2回】データマーケティングに取り組む際のデータ蓄積法
https://ecnomikata.com/column/9793/

これまで、データマーケティングの必要性や、データを活用するためにどのように貯めていくべきか?について寄稿してきましたが、第3回目となる本稿では、具体的なデータの活用方法として実際にサイバーエージェントで手掛けた事例を紹介いたします。

■データ x LINEでの活用事例

■データ x LINEでの活用事例

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事例1
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【業種】
化粧品通販

【課題】
スマートフォン経由のトライアル商品購入者において、本商品購入への転換率が低く留まっている。

【考察】
Eメールでの本商品購入促進は実施中。
スマートフォンユーザーはPCと比べてメール開封率も低い傾向にあるため新たなチャネルでのアプローチが必要なのでは?

【施策】
トライアル購入者へ対しLINEビジネスコネクトを活用して、LINEで本商品購入促進メッセージを配信。

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事例2
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【業種】
アパレル通販

【課題】
購買途中でカート放棄して離脱するユーザーが多く、広告効率が悪化している。

【考察】
カート放棄したユーザーはリターゲティング広告でアプローチしている。
即効性の高いチャネルで再度アプローチすれば、より効果をあげられるのでは?

【施策】
カート放棄ユーザーに対し、LINEビジネスコネクトを活用してLINEでリマインドメッセージを配信。


リピーターを増やし売上を上げる方法は、次のページにてご紹介

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事例3
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【業種】
総合通販

【課題】
リピートユーザーが減少し売上が低下。
リピートユーザーに対するチャネルを広げ、再訪問を促し購買へと繋げたい。

【考察】
LINEの公式アカウントでは、主に新規向けにおすすめの商品やセール情報を配信している。
一斉配信のため、興味がないユーザーは反応しないのでは?

【施策】
LINEビジネスコネクトを活用して、LINE公式の友だちをIDと紐付け、過去の購買履歴を分析し、次に購入しそうな商材を一斉配信とは別に1to1でメッセージ配信。


今回はLINEでのデータ活用事例を紹介させていただきました。自社の持つ様々なデータを外部メディアと接続することで抱える課題を解決していくことができます。

次回はDMPに接続してディスプレイ広告に活用する方法について、実際の事例を交えてご紹介します。ぜひご覧ください。


著者

稲益 仁 (Jin Inamasu)

1981年福岡県生まれ。広告代理店でのグラフィックデザイン・編集デザイン経験し、2006年にサイバーエージェントへ入社。福岡支社に配属して以来、一貫して“単品リピート通販”クライアントを担当。2014年4月にダイレクトマーケティング局を立ち上げ、全国各地の単品リピート通販企業をスタッフとして支援。事業計画の策定から、販促企画・クリエイティブ、CRM企画まで多岐にわたり、デジタルマーケティング業務全般に従事。そして2015年6月に顧客のLTV最大化をミッションとした専門組織「eCRMソリューション局」を設立し局長に就任。顧客の購買データを活用した全く新しいCRMソリューションを国内に浸透させるべく、日々全国を飛び回る毎日を送っている。社内表彰ではベストプレイヤー、MVP、ベストマネジャー等多数受賞の実績がある。