ネットショップはホラーである~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~
ネットショップの教科書に依存し過ぎて失敗する(失敗しながら成長する)人のための、ちょっとやそっとでうまく行かないからってドンマイなコラム。
五輪マークに隠された、EC店舗のブランディング~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~
https://www.ecnomikata.com/column/12034/
SMAPとECの新法則:「青いイナズマ」で点火する~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~
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恵方巻。誰が仕組んだのか、またこの季節が来ました。ここ数年は、コンビニで恵方巻のバナーを見つけて節分を思い出します。鬼の視線を昔ほど感じられなくなりました。
出直してバナーの意味を考える
私たちがバナーといえば、大きめの長方形の画像を思い浮かべます。大バナーは全て画面上部に陣取っています。一等地です。
ところで、アメリカ国歌のタイトルは「The Star-Spangled Banner」です。直訳すると「星をちりばめた旗」、要するに「星条旗」です。真田幸村の六文銭にせよ、旗(banner)というものは、認識されなければ意味がありません。
視認性を高める為に、二本の棒の間に張られた横断幕(垂直の棒の間に幕)や垂れ幕(水平の棒の間に幕)に発展しました。百貨店の外壁の垂れ幕こそバナー。ちなみに、紙媒体としての新聞業界では、全段抜き見出しをバナー(ヘッドライン)と言います。ウェブ用語と勘違いをしている人も少なくないのですが、歴史は実店舗からの借用です。
ネットショップではバナーを見た後、視線は下がって行きます。実店舗でも、上だけ見て歩いていればコケますから、自然と注意は下へ移動します。同じですね。
では、再び視線を上に戻す時とはどんな時でしょうか。自分の向かう場所がわからない、自分の欲しい商品がどこにあるかわからない時ですね。旗は上にあるに決まっていますから、高い場所のサイン(看板)を探します。ウェブならグローバル・ナビ。
入り口近くに戻って、館内案内のコンシェルジュに尋ねるのはかなり面倒。とはいえ、実店舗の天井付近に受付嬢がいたらホラーですしね。
古い時代のネットショップでは、検索窓がサイドの中程にあったりします。今日では、ホラー映像の代わりに、検索窓が全てのページの一等地を陣取っています。ウェブの特性を生かし、どのページにも存在します。
あなたの頭上の天井には、いつも貞子がいます。
最近、私たちは、ちょっと似たようなホラー話をネットショップ以外で聞いた気がします。
そう、Amazon Go¹です。ネットショップという仮想の世界にいる貞子の視線(コンピュータの眼とAI)は、リアルにも現れようとしています。夢か現(うつつ)かオムニチャネルか、背筋の凍る話でした。
¹https://www.amazon.com/b?node=16008589011#