五輪マークに隠された、EC店舗のブランディング~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~

佐藤 英俊

 ネットショップの教科書に依存し過ぎて失敗する(失敗しながら成長する)人のための、ちょっとやそっとでうまく行かないからってドンマイなコラム。

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五輪マーク、描いてください。

 五輪マーク(オリンピックシンボル)は、シンプルに五つの輪です。8割の人が正解しました(多分)。

 正しく描けた人でも、それってモノクロで書きましたね。色鉛筆を渡されても、あなたは自信を持って描けますか?

 正解は、左から青黄黒緑赤の順です。はい、Wikipediaで調べました。5色は記憶できません。なお、図案は著作権の保護期間が過ぎていますが、商標権を主張されているので掲載は残念ながら控えます。釈迦に説法ですが、便乗商法は注意してください。

・東京五輪ならどーよ

 では、「佐野る」という流行語まで生み出した、東京五輪2020のマーク(オリンピックエンブレム)は描けますか?

 何となくは頭に浮かびますよね。作品名「組市松紋」というそうですが、描ける人は読者の中には一人もいないでしょう。あれはもう、関係者の中でもデザインをした野老(ところ)朝雄さんにしか描けません。

 それでも、色なら鮮やかに憶えていますね。藍色というのは誰の頭にも刷り込まれています。単色なら、記憶に強く刻み込まれるのです。

 条件によりますが、印象の【大きさ】は概ね、①商品そのもの、②店員の接客、③ブランドでしょうか。

 一方、【順番】もあります。認知される時間の順に、①ブランド、②接客、③商品です。

 面白いことに【順番】と【大きさ】は逆転します。それはそうでしょう。商品そのものの機能や品質は、購入して使用してみないとわからないのですから。しかも、購入してもらうまでには、いくつものハードルを越えてもらわなければなりません。

ブランドとは安心感なり

ブランドとは安心感なり

 認知の最初に来るブランドを取り上げますが、本質的に商品も接客も含まれます。ここでは、話をフォーカスするために、ビジュアルだけに絞ってみます。ビジュアルには大きな意味があります。そもそも、「ブランド」とは「焼き印を押す」という意味ですから、第三者に認知して貰う為のビジュアルでした。他人に見られて安心、譲り受けた人も安心、それがブランドです。

 例えば、決済で急に大きく異なる画面に遷移したら不安になりますよね。これは、パチンコ屋で景品に交換するのと、薄暗い裏通りに換金に行く怪しさと同じです。よく知らないと不安を覚えます。

 コンビニなら、POSレジのボタンが何色であろうと、買い物客は見ないから関係ありません。ところが、ネットショップではとても重要になります。ここ、テストに出るぞー(嘘)。

 例えば、ネットショップの教科書には「かごに入れるボタンは緑色がいい」とあるかもしれませんが、あくまで一般論です。盲目的に、ボタンを緑色にすればいいというものではありません。ブランディングも重要です。誰でも、アマゾンは黄、楽天は赤って刷り込まれていますよね。一定の徹底が必要です。

 ブランドは安心感。無秩序にカラフルであることよりも、常に馴染んだ色の空間にいることで買い物客は安心して買い物をしています。ボタンを押すには一定の勇気が必要ですよね。だから、色が大事なのです。

 追伸、嘘だと思っているあなたへ。Googleで「ロゴ」と画像検索してみてください。4色以上をロゴに使っている著名な企業って、まさにGoogleくらいしかありません。それはきっと、Googleがメインに選んだ1色が白だからです。ボタンもね。


著者

佐藤 英俊 (Heyday Satoh)

一級小型船舶操縦士。潜水士。座右の銘は「Discover new horizons! - 新しい視野を発見しよう」です。「視野=水平線・地平線」という言い回しが素敵ですよね。しかも、複数形。つまり、水平線は一つではありません。丘に登れば、別な水平線を見ています。一緒に新しい水平線を目にしましょう。

世界で最初の「震度計」を世に送り出したという異色の経歴。その後、IT 系に転じ、日本で二番目に co.jp ドメインを取得。21世紀に入って起業。カリフォルニアに居を構え、日本発のマルチメディア技術をハリウッドと世界の映画産業に浸透させた。モノ作りや新規事業の実体験を活かしてクライアントの支援をしている。

長年の夢、まだ叶っていない夢は、吐噶喇列島を旅すること。

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