広告は当たっているのに、なぜ売れない? EC事業者が最初に疑うべき「たった一箇所」

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平岡大輔 [PR]

広告費を増やしているのに、売上が思うように伸びない。CPAは悪くないはずなのに、ある時期から数字が頭打ちに──。多くのEC事業者が、どこかでこの「違和感」にぶつかります。

この連載は全4回。広告は回しているのに売上が伸び悩んでいるEC事業者の方に向けて、【「ランディングページ(LP)改善=センス」ではなく、「LP改善=構造と検証」】という視点でお届けします。読み終わった頃には、自社のLPを「判断装置」として見直す習慣が身についているはずです。

第1回は、なぜ広告を増やしても売上が伸びなくなるのか──多くのEC事業者が見落としている「一番最初に疑うべき場所」についてお伝えします。

■本稿は『売れるランディングページ改善の法則』の著者であり、20年にわたり企業のマーケティングに携わる平岡大輔氏(株式会社テマヒマ 代表取締役)による連載コラムです【毎週水曜日更新/全4回】

広告費を増やすほど、苦しくなる現象

「広告費を増やしたら、CPAが跳ね上がって採算が合わなくなった」 「数字が頭打ちで、これ以上広告を増やしても怖くて踏み込めない」

EC事業を一定の規模まで育ててきた事業者から、こんな相談を受けることがあります。そして多くの場合、最初に疑うのは広告クリエイティブ、次に疑うのはターゲティング、その次に疑うのは商品です。

でも、本当に最初に疑うべき場所は、もっと別のところにあります。

穴の空いたバケツに、水を注ぎ続けていないか

広告費を増やしても売上が伸びない現象は、よく「穴の空いたバケツに水を注ぎ続ける行為」にたとえられます。

 ●水=広告で連れてきた見込み客(広告費)
 ●バケツ=LP
 ●穴=LPの欠陥
 ●たまる水= コンバージョン


蛇口(広告)をいくら開いても、バケツに穴が空いていれば水はたまりません。広告費を増やした途端にCPAが跳ね上がる、あるいは売上の絶対額が頭打ちになる――これは多くの場合、広告の問題ではなく、バケツの問題です。

少額で広告を回しているうちは、熱量の高いユーザーが拾ってくれるので、バケツの穴はあまり目立ちません。でも広告を広げた途端、判断に迷うユーザーの割合が増え、バケツの穴から漏れていく。これがCPA悪化の正体です。

事業者はまず広告を疑い、次に商品を疑い、最後にようやくバケツをのぞき込みます。本来そこが、最初に見るべき場所なんです。

では、バケツの穴はなぜ空いているのか

ここで、LPの役割を一度定義し直してみてください。

多くの事業者は、LPを【商品の魅力を伝える販促物】だと捉えています。間違いではありません。でも、この定義のままだと、改善するときに「もっと魅力的に見せよう」「もっとデザインを良くしよう」という方向にしか向かわない。

私はLPをこう定義しています。

LPは、ユーザーの"判断"を促す器である。

ユーザーは、買うか買わないか、自分に必要か必要ではないかを判断しに来ています。LPの仕事は、その判断材料を、正しい順番で、正しい解像度で提示する装置になること。

バケツの穴が空いている理由は、デザインがダサいからでも、コピーがイマイチだからでもありません。LPがユーザーの"判断"を促せていないからです。

判断材料が足りない、判断を促す順番が悪い、判断を妨げる不安が残っている──これらすべてが、バケツの穴になります。広告費はそこから漏れていきます。

ある月商3000万円ブランドの話

たとえば、月商3000万円のD2Cスキンケアブランドの話です(よくある典型例として聞いてください)。

Meta広告に月200万円かけ、CPAは8000円で安定。新規獲得は順調に見えていました。ところが広告費を月400万円規模まで増やしていく過程で、CPAが1万4000円まで悪化。LTVから逆算すると、採算が合わない水準まで落ちました。

事業者はまず広告クリエイティブを疑い、次にターゲティングを見直し、商品ページの説明文を直し──それでも改善しない。

最後にLPを【判断装置】として見直したとき、原因が見えました。ファーストビューで「誰のための商品か」が伝わっていなかったんです。だから少額で回しているうちは熱量の高いユーザーが拾ってくれていたが、広告を広げた途端、判断に迷うユーザーが大量に来て、そのまま漏れていった。

これは特定のクライアント事例ではなく、私が現場で何度も見てきた典型的なパターンです。広告も商品も悪くない。でも数字が伸びないときは、たいていLPに穴が空いています

まとめ:広告費を1万円増やす前に、LPを見てください

LPは、デザインの良し悪しを競うものではありません。ユーザーの判断を促せているかどうか──。それだけが、CVRを決めます

広告費を増やしても売上が伸びない、CPAが急に悪化した、売上の絶対額が頭打ちになっている──。どれか一つでも当てはまるなら、まずバケツをのぞき込んでください。広告クリエイティブを差し替える前に、ターゲティングをいじる前に、自社のLPがユーザーの判断を促せているかを見直す。これが、伸び悩みを抜け出す最初の一歩です。

次回

「LPに穴が空いている」と言われても、どこをどう直せばいいのか、すぐにはわからないかもしれません。ここで多くの事業者が、最大の誤解にハマります。それは── 「LPが売れないのは、デザインがイケてないからだ」という誤解です。

キレイなのに売れないLPは、世の中に山ほどあります。逆に、デザインは素朴でも数字を叩き出すLPもあります。違いは何か?

次回は、「LP改善における最大の誤解」を壊しながら、売れないLPに共通する3つの構造的なミスを解剖していきます。自社LPを見ながら読んでいただくと、きっとドキッとする箇所が見つかるはずです。


著者

平岡大輔

平岡大輔 (Daisuke Hiraoka)

マス広告プランナーを経て、2015年に株式会社テマヒマを設立。EC・D2C領域を中心に、LP改善・LPO・広告運用・チームビルディングをワンストップで支援してきた。これまでに上場企業を含む大手から成長企業まで幅広く伴走。2020年には男性向けD2C化粧品メーカーに経営参画し、M&Aを完了。2023年には『売れるランディングページ改善の法則』(技術評論社)を上梓した。リソースのないEC事業者のためのLP改善丸投げサービス「まるなげLPO」を展開中。


■株式会社テマヒマ
https://temahima.co.jp/
■著書詳細
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■著書X
https://x.com/daisuke_hiraoka
■まるなげLPO
https://marke-gym.com/marunage-lpo/