ネットショップはホラーである~ドンマイコラム勘違いオムニチャネルな脱線EC~

佐藤 英俊

ネットショップの教科書に依存し過ぎて失敗する(失敗しながら成長する)人のための、ちょっとやそっとでうまく行かないからってドンマイなコラム。

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 恵方巻。誰が仕組んだのか、またこの季節が来ました。ここ数年は、コンビニで恵方巻のバナーを見つけて節分を思い出します。鬼の視線を昔ほど感じられなくなりました。

出直してバナーの意味を考える

 私たちがバナーといえば、大きめの長方形の画像を思い浮かべます。大バナーは全て画面上部に陣取っています。一等地です。

 ところで、アメリカ国歌のタイトルは「The Star-Spangled Banner」です。直訳すると「星をちりばめた旗」、要するに「星条旗」です。真田幸村の六文銭にせよ、旗(banner)というものは、認識されなければ意味がありません。

 視認性を高める為に、二本の棒の間に張られた横断幕(垂直の棒の間に幕)や垂れ幕(水平の棒の間に幕)に発展しました。百貨店の外壁の垂れ幕こそバナー。ちなみに、紙媒体としての新聞業界では、全段抜き見出しをバナー(ヘッドライン)と言います。ウェブ用語と勘違いをしている人も少なくないのですが、歴史は実店舗からの借用です。

 ネットショップではバナーを見た後、視線は下がって行きます。実店舗でも、上だけ見て歩いていればコケますから、自然と注意は下へ移動します。同じですね。

 では、再び視線を上に戻す時とはどんな時でしょうか。自分の向かう場所がわからない、自分の欲しい商品がどこにあるかわからない時ですね。旗は上にあるに決まっていますから、高い場所のサイン(看板)を探します。ウェブならグローバル・ナビ。

 入り口近くに戻って、館内案内のコンシェルジュに尋ねるのはかなり面倒。とはいえ、実店舗の天井付近に受付嬢がいたらホラーですしね。

 古い時代のネットショップでは、検索窓がサイドの中程にあったりします。今日では、ホラー映像の代わりに、検索窓が全てのページの一等地を陣取っています。ウェブの特性を生かし、どのページにも存在します。

 あなたの頭上の天井には、いつも貞子がいます。

 最近、私たちは、ちょっと似たようなホラー話をネットショップ以外で聞いた気がします。

 そう、Amazon Go¹です。ネットショップという仮想の世界にいる貞子の視線(コンピュータの眼とAI)は、リアルにも現れようとしています。夢か現(うつつ)かオムニチャネルか、背筋の凍る話でした。

¹https://www.amazon.com/b?node=16008589011#


著者

佐藤 英俊 (Heyday Satoh)

一級小型船舶操縦士。潜水士。座右の銘は「Discover new horizons! - 新しい視野を発見しよう」です。「視野=水平線・地平線」という言い回しが素敵ですよね。しかも、複数形。つまり、水平線は一つではありません。丘に登れば、別な水平線を見ています。一緒に新しい水平線を目にしましょう。

世界で最初の「震度計」を世に送り出したという異色の経歴。その後、IT 系に転じ、日本で二番目に co.jp ドメインを取得。21世紀に入って起業。カリフォルニアに居を構え、日本発のマルチメディア技術をハリウッドと世界の映画産業に浸透させた。モノ作りや新規事業の実体験を活かしてクライアントの支援をしている。

長年の夢、まだ叶っていない夢は、吐噶喇列島を旅すること。

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