【第一回】EC物流における全体最適化とテクノロジーによる生産能力改善によるコスト削減の道のり

根本 亮

初めまして、ヤマトロジスティクス株式会社の大竹と申します。
昨今、物流業界に加え、人手不足やEC市場の急速な拡大に伴い、EC業界においても人手不足の影響により、お客さまに対して十分に満足の行くサービスが提供できず、その原因の一つである物流に対して課題を抱えるEC事業者様が多くいます。そのような課題に対して、弊社にお声掛けをいただくケースが年々増加してきており、そこで今回から全6回にわたって、様々なお客様と実施した物流改善の事例をご紹介させて頂き、EC物流の今後について考えてみたいと思います。

さて、第一回目はプロテインをECで販売している株式会社Real Style様の事例をご紹介いたします。コラムニストは弊社販売物流サービスカンパニー東日本営業部のマネージャー 根本亮です。

 Real Style様はEC通販専業で2011年からプロテインの販売を開始されました。関東で製造した商品を九州の物流倉庫に運び、そこから保管・出荷業務を行っておりましたが、その後、販売数が増加したことにより出荷業務の効率化と保管スペースの確保に課題が出てきました。出荷増に対する安定的なサービスを目指し、Real Style様は2014年に新たな物流倉庫への切替えを検討しました。その時期に、弊社がReal Style様への訪問機会を頂き、EC物流における課題を伺いました。

課題は大きく3点ありました。
1.商品を関東の製造工場から九州の物流倉庫まで配送する際の配車手配業務の効率化、輸送費用の削減、輸送リードタイム短縮
2.九州の物流倉庫の出荷処理能力と保管スペースのキャパシティの拡大
3.九州から関東向け出荷(全体の約3割)のリードタイム短縮

そこでご提案したのは、神奈川県に所在する当社総合物流ターミナル厚木ゲートウェイ(以下厚木GWとする)への運用移管でした。

こちらからReal Style様にご提案をしたのは、以下の3点です。
1.物流倉庫を九州から厚木へ移設することで製造工場からの物流倉庫までの輸送費用を削減し、輸送リードタイムを短縮
2.事業規模が拡大しても柔軟に対応できる厚木GWの出荷処理能力と保管スペースの提供
3.厚木GWに導入しているデジタルピッキングシステム「FRAPS」による物流波動への柔軟な対応と出荷作業の効率化   
※Free Rack Auto Picking Systemの略称

 コストシミュレーションや移設によるリードタイム短縮等のメリットを提案させていただいた結果、当社に運用を任せて頂ける事となりました。厚木GWへの移設後もReal Style様の出荷数は伸び続けましたが、物量の増加に合わせて、当社では作業員を柔軟に増員すると同時に、倉庫作業でも更なる効率化を図る取り組みを開始しました。この時、注目したのがこれまで一番人手がかかっていた出荷梱包作業です。出荷梱包作業における機械化・自動化による出荷能力向上を検討した結果、従来と比較して、その作業生産性を約10倍高めることができる「三辺自動梱包機」を導入しました。運用方法の変更など、Real Style様と打ち合わせを重ね、今年10月より、一部の出荷作業で「三辺自動梱包機」を活用した運用を開始しています。

〈三辺自動梱包機のイメージ写真〉

〈三辺自動梱包機の稼働の様子1〉

〈三辺自動梱包機の稼働の様子2〉

 昨今、EC業界は急増する注文に人手が追い付かないといった状況に悩むEC事業者様が多くいらっしゃいます。私たちは、これらの課題に対し、様々なソリューションを提供し、課題を解決していきたいと考えています。例えば物流拠点を分散し、主要な消費地に近づけることで、リードタイムの短縮や物流のトータルコストの削減が図れると考えております。在庫分散すると、固定費用が増加する為、出荷数がある一定程度達しないとメリットを得ることは難しいと考えられていますが、今回、Real Style様において拠点分散のコストシミュレーションを行った結果、充分なコスト削減効果がでることが判りました。現在Real Style様には、今年11月に稼働した「関西ゲートウェイ」での在庫分散化もご提案しております。

〈「関西ゲートウェイ」総合物流ターミナル〉

 我々の仕事はお客さまから託された荷物を、確実に定められた日時にお届けすることです。また、「EC市場の拡大」、「労働人口減少」、「少子高齢化」といった時代の変化に対応し、お客様の物流改革支援に貢献していきたいと日々考えております。そのために今後も新しい技術を取り入れ、お客様にご満足頂けるサービスを提供し続けてまいります。

今回のコラムでEC事業者様の物流コスト対策や生産性向上について、少しでもご参考になれば幸いと願っております。皆様からサービスに関するご意見やご質問などをお待ち申し上げております。

お問い合わせはこちらから:https://ecnomikata.com/support_company/?company_id=102

著者

根本 亮 (Nemoto Ryo)

2002年4月にヤマト運輸株式会社に入社。4年間宅急便事業に従事後、1年間香港・シンガポールにて国際物流研修に参加。その後、ヤマトロジスティクス㈱の海外引越部門、グローバル事業推進等を担当。2010年5月より同社の販売物流サービスカンパニーで通販物流、販売物流の新規法人営業を担当し、現在に至る。

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