リピート通販はじめよう!基礎知識編① ~リピート通販というビジネスモデル~

株式会社東通メディア

今やインターネットやTVコマーシャル、折込チラシなど様々な媒体でよく見かける健康食品や化粧品。これらはいわゆる「リピート通販」と呼ばれるビジネスモデルで、Amazonやアパレル通販のZOZOTOWNとはビジネスモデルが全く異なります。

リピート通販がひとつの商品もしくは少数の商品を繰り返し購入させるのに対し、AmazonやZOZOTOWNなどは総合通販と呼ばれ、多くの商品を扱い、基本的には一つの商品を購入するのは1回限りであることがほとんどです。

一見、総合通販の方が品数が多く売上も大きいように思うかもしれません。しかしながら、1回限りの購入だと、多くの顧客を常に新しくつかむ必要がありますし、商品数が増えれば在庫も増えます。すべての商品が売れればいいですが、売れない場合はマイナスの資産となってしまいます。また多くの商品を販売する場合は、商品をメーカーから仕入れて販売する場合が多いため、価格競争に巻き込まれやすく、すでに大手が競合にいる場合は、新規参入も難しくなります。

リピート通販のメリットとデメリット

リピート通販のメリットは
① 初期投資が少ない
② 毎月の売り上げが見込め収益が安定する
③ 商品が1つ(もしくは少数)なので、オペレーションがしやすい
④ 社内のリソースを集中できる
⑤ 在庫が少なく必要経費が少ない

一方で、デメリットは
① 商品開発の成功にかかっているため、失敗すると大きな痛手となる
② 商品開発に時間がかかる
③ 市場規模が限定される
④ マーケティングの難易度が高い

リピート通販を成功させるためには

リピート通販では、顧客は大きく分けて2つに分かれ、それぞれに対し戦略が異なります。ひとつはこれまで商品を購入したことがない新規顧客です。

もうひとつは一度購入した既存顧客です。既存顧客の場合、1回限りの都度買いと、毎月毎月購入してもらう定期顧客にに分かれます。リピート通販にとってはこの定期顧客の数を増やすことと、その回数を増やすことが最も重要となってきます。これがLTV(LifeTimeValue)であり、1人の顧客が生涯でその企業にもたらす価値のことを差し、LTVの最大化が通販企業の課題です。

LTVを把握することで、顧客維持コストや新規顧客獲得のための販促コストを導き出すことが出来るのです。

一般的なLTVの計算式は下記の2つです。
① LTV=年間売上高÷年間顧客数
② LTV=平均客単価×平均購買頻度(年間)

LTVは顧客一人ひとり異なるため、全体の平均で見るのです。ですから、例えばLTVが20000円の場合は、新規顧客の獲得コストが20,000円掛かっていたら、1年かけてようやく広告費とトントンということになります。

だから、ピート通販の収益を上げるためには収入を増やしコストを抑えることが重要です。新規顧客獲得には大きな費用が掛かかるため、既存顧客にどれだけ何回も商品を購入してもらうかがカギになるのです。商品が複数ある場合は、他の商品をクロスセルで買ってもらうのもLTVを上げるコツです。ですから、新規顧客獲得と合わせて既存顧客のCRM対策はとても重要となっています。

立ち上げにかかる費用

リピート通販を立ち上げる際、最初にどのような費用がかかるのでしょうか?商品ややり方によって若干異なりますが、一般的なものは以下になります。

① 商品製造コスト
② LP制作
③ システム費
④ 決済手数料
⑤ コールセンター費
⑥ 広告費
⑦ 物流コスト
⑧ 人件費

① 商品製造コスト
商品や容器によって大きく異なりますが、すでに商品開発ができているものとして単純に製造だけのコストで考えると300~900円程度です。1回に作るロットによっても値段は変わりますが大体1000~3000ロットで製造するのが一般的です。

もし原価700円の商品を2000個製造する場合は、1,400,000円の費用がかかります。この時、製造工場から配送センターまでの輸送費を含んだ原価で計算しておかないと、後で苦労することになります。

② LP制作
商品をWEBで販売するためにはLP(ランディングページ)が必要です。制作会社に依頼した場合、30~50万円が相場となります。新規顧客はこのLPの内容を見て購入するかどうかを検討するので、通販に慣れている制作会社を選ぶことが大切です。

③ システム費
ネットで販売する場合はカートシステムが必要になります。各社機能が異なりますが、初期費用が0円~5万程度、さらに月額利用用がかかります。リピート通販は一回だけの売切りと異なり、定期購入のサイクルや次回出荷の管理、顧客管理などさまざまな機能が必要になります。初期費用を抑えて安いカートシステムにした場合、必要な機能が制限されたり、パッケージなのでやりたいことができないということもあります。しかし、システムは一度導入してしまうとリプレイスに時間とお金がかかります。そのため、自分の事業がどのくらいを目指すものなのかしっかり見極め、それに見合うシステムを選ぶことが大切です。

④ 決済手数料
クレジットカードやコンビニ後払いの決済会社と契約する必要があります。初期費用が数千円~数万円かかる場合や、購入の際1件あたり3%程度の手数料がかかります。全体で10万円程度用意しておきます。

⑤ コールセンター費
自社でコールセンターを持つ場合は、フリーダイヤルの開設費や回線料だけで大丈夫ですが、コールセンターを外注する場合は、初期費用としては10万円程度がかかります。オペレーターへの研修やマニュアルの作成も必要となります。コールセンターは直接お客様と接する最初の窓口となりますので、単にコストだけで選ばず、通販をよく理解していたり、自社の考え方に合う企業を選ぶことが大切です。

⑥ 広告費
リピート通販は投資した広告費が回収されるまで時間がかかるため、最低でも3カ月分くらいの広告費は用意しておきます。さらに定期購入になった顧客も離脱していくこともあります。そのため、広告は継続的に必要になると考えましょう。新規顧客の獲得は広告費の投資無しでは出来ません。一般的な「広告」というよりも「販売促進費」と言ったほうがしっくり来るかもしれません。

⑦ 物流コスト
初期費用はかからないところが多いですが、保管料などが必要な場合は毎月1~3万円程度かかります。

⑧ 人件費
通販事業を始めるとさまざまな作業が発生します。事業規模にもよりますが、人件費は忘れずに見ておいた方がいいでしょう。

このようにリピート通販を始めるためには多くの費用がかかります。初期投資としてはおおよそ200万円~300万は用意しておく必要があります。スムーズに立ち上がるとは限りませんので、その後のことも含め余裕を持って準備しておきましょう。

次回は、意外と理解されていないLP、ECカート、基幹システムの違いを解説します。正しく理解して、自社にあったものを選びましょう。


著者

株式会社東通メディア

システム開発、コールセンター、BPO/RPA、メディアプランニング、クリエイティブ制作をすべて自社のリソースで運営し、これまで500社以上の通販企業様を支援。
リピート通販に特化し、多くの通販企業様の売上拡大に貢献しています。
東通メディアのサービスは、システムだけ、コールだけではなく、それぞれの情報を常に共有することで相乗効果が生まれ、売り上げ拡大のスピードを加速させることができます。

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