【第16回】「小さな会社の大きなSEO」Googleのイベントで感じたこと
タキシード、燕尾服、モーニングコート、フォーマルスーツ・・・
メイドインオオサカの紳士礼服を製造販売するフォーマル専門店ノービアノービオ。1952年に礼服の生地問屋として創業、今は製造から小売(ネットと実店舗)まで手がける、いわゆるSPA企業ですが、小さな小さな町工場です。
バブル最盛期、従業員230人 年商65億円、紳士礼服メーカーとして業界2位。バブル崩壊後、従業員20人、負債45億円、在庫は倉庫に14億円分。
年商65億から負債45億円、約100億円のジェットコースターを下りきった頃、服の「フの字」も知らない素人だった僕は楽天市場店のスタッフとして、この会社にやってきました。
順調に伸びていた頃、相次ぐ大手の参入で再び窮地に。首の皮一枚すらちぎれそうなとき、次々と訪れた出会いと気付きと・・・たくさんの先達に出会い、学び、SNSを使ってV字回復。
SNSは次々にピンチをチャンスに変えてくれました。
これから記させて頂くことは特筆すべき秀でたスキルなど何もない普通の僕がやってきた、「今日から誰にでもできるお話」です。
このお話を通じ、皆さんのお店のコンバージョン率+0.1%~に少しでもお役に立つことができればと、経験した全てをお伝えしていきたいと思います。
【第1~第11回のガイド付きまとめ】
https://ecnomikata.com/column/20041/
【第12回】twitterはお店が「探す」「引き出す」に使えるSNS
https://ecnomikata.com/column/20125/
【第13回】検索エンジンの今を捉え、得意領域で検索獲得を
https://ecnomikata.com/column/20362/
【第14回】県民性も?EC運営者が知っておきたいアクセス解析のツボ
https://ecnomikata.com/column/20548/
【第15回】1ヶ月で90ランクアップ!意図を汲み取りSEO改善
https://ecnomikata.com/column/20791/
Google Dance Osakaで登壇してきました
2018年11月15日、日本では東京以外として初、そしてGoogle Danceとしては最後となった大阪開催。200名限定のイベントに幸運にも参加することができました。
更にLightning Talkという7名のピッチ登壇のスピーカーにも選んで頂きました。
驚くことに!なんと以前コラムでもご紹介した、抱っこ紐カバー【ルカコ】のオーナー・仙田さんも選ばれ、ご近所同士の2人がGoogleのイベントのスピーカーに揃って滑り込むという奇跡が起きました。
国内のGoogleイベントではおなじみの金谷武明さんはじめ、Juan Felipe Rincón(JFR)さん、Idan Avraham(イダン)さん、Gary Illyes(ゲイリー)さんGoogle各国の関係者も参加。最新の検索事情を余すことなく聴くことができた、とても貴重な会でした。
僕は幸運にも4月のGoogle Dance Tokyoにも参加していましたが、このときは最新情報を聞きたいのはもちろんのこと、金谷さん、ゲイリーさんに会いたいという思いが強く参加していたのですが、Lightning Talkを聴いて次は自分が話したい!と強く想うようになり、それが実現したカタチになりました。
今回のGoogle Dance Osakaでは会場着くなりゲイリーさんを見かけたので「僕のこと覚えてる?」と聞くと「もちろんだよ!」と笑顔で答えてくれました。
本イベントでは主にGoogleの最新技術、これから試みること、SEOに関する質疑応答が行われ、やはり選りすぐりのウェブマスターやSEO担当者が集うだけあって、大変学びの深い1日でした。
特にGoogle Lensに代表される画像検索の最新事情は実に奥が深く、これはまたSEOの常識を変えていくような動きになりそうです。
交流会では、サーチコンソールのエンジニアIdan Avrahamさんと長時間お話することができました。サーチコンソールを開発するエンジニアに直接質問できる機会なんてそうそうないのに、ほとんどの方が海外からやってきたGoogleスタッフに話しかけないのは勿体ないと感じました。
事実、イダンさんも「なぜ、みんな話しかけてくれないんだろう。英語ができなくたって実践あるのみだよ。第一みんなGoogle翻訳がスマホに入ってるじゃないか(笑)」と寂しそうに話していました。
逆にいうと、厚かましく話しかけた僕たちはその分様々なお話を伺うことができました。カタコト英語とGoogle翻訳を駆使して、新サーチコンソールのこと、検索エンジンのこと、疑問についてかなり詳しく聞くことができました。
SEOについて書かれたブログの中にも間違いが多くある、事実が歪曲されている、誤認されていることも少なくないということを確信することができました。
イダンさんとは今度お寿司を食べに行こうねという話をしたり、本当に色々お話することができましたし、大阪は本当に素敵な街だと言ってもらえたのが嬉しかったです。
自分のやってきたことは間違いじゃないと確信した日
そんなGoogle関係者、ECベンダー、EC事業者、SEO従事者が200人ひしめく会場で5分間のLightning Talkに挑みました。
僕の出番は7人中2人目。僕の話が、WEB、EC、SEOの最前線にいる方たちに届くのだろうか、通用するのだろうか、聞く耳を持ってもらえるのだろうかと、前日の夜はほとんど眠れませんでした。
トークでは「小さな会社の大きなSEO」というテーマでお話させて頂きました。
5分で強制終了のルールで、残念ながらスライドを少し余して時間切れとなりましたが、これまでに自分がやってきた「自分なりのSEO」についてお話をさせて頂きました。
すると登壇直後からtwitterには上図のような感想を投稿して頂きました。
感想をツイートしてくださった方の中には、大手IT企業の方もいらっしゃって、本当に感激しました。
仙田さんと僕は、北摂という大阪北部地域のポンコツ同級生コンビ。
そんなポンコツが一緒に学び実践し、シェアしあってきた「お客さんと向き合い、お客さんと遊び、お客さんに聞く」というSEOは間違っていなかったと強く感じられる体験でした。
自分のやってきたSEOに強い信念をもって、これからも皆さんとともに歩んでいきたいと思っています。
ミカタカレッジ無事終了!そして!?
そんな中で11月28日に開催されたミカタカレッジ。Google Danceでも聞いた話を自分なりに実験した結果もお話できた最速開催のセミナーでした。
東京開催でありながら、遠くは静岡や名古屋からもご参加頂き、様々な業種・商材の方々とご一緒することができました。
僕は、Google Danceでお話した内容を更に深掘りして実際のECサイトの事例を中心にお話させていただきました。
3時間の長丁場でしたが、皆さん前のめりに聞いて下さって、話す側の僕も本当に感激した一時でした。
ミカタカレッジの全7講はいずれも満席状態で開催されたと伺っております。そして早くも第2期講座の開催も企画してくださっているということなので、また新たなご縁を、この記事を読んでくださっている方との出会いを心から楽しみにしています。
また引き続きミカタカレッジでは「僕なりのSEO」「小さな会社の大きなSEO」を主軸とした、誰でも今日から始められるコンテンツマーケティングやSNS活用についてお話させて頂きますので、ぜひ、ECのミカタさんのサイトやメルマガで次回開催をの情報をいち早くキャッチしてくださいね!
2018総決算の想い。久々に挑んだ楽天スーパーセール
今年の初め、とあるECサイトさんからご相談を受けました。出店は楽天市場1店舗だけ。商品登録からバナー制作、受注やメルマガまで店舗の運営を外部のコンサルティング会社にお願いしている会社さんで、しかし数年の間、売上は横ばいのまま改善の見込みがないという相談内容でした。
現状の取り組みや、やっていることが正しいか診てほしいという、いわゆるセカンドオピニオン的な案件でした。
楽天の管理画面に入ると、すぐに課題が浮き彫りになりました。
結論から言うと「お客さんではなく、お店の方を観た運営」だったのです。
お店でお買物をするお客さんではなく、コンサル会社さんのお客さんであるお店の方に対して「仕事やってます」という見せかけのお仕事。薄い薄いメッキです。
見える場所だけ差し替えてキャンペーンなどをしている(ように見せかけている)そんな感じを受けました。
真っ先に、その会社さんとのお仕事を中止してもらい、「数ヶ月は社内だけでやってみてください」とお願いしました。
出荷以外のすべてを外注していて、通販サイトのお仕事とは?を社内の方が「難しい」「無理」と毛嫌いしていて、そもそも理解していないことが最大の課題だと感じたのです。
そこで、ECを運営するということはどんなことをするのか?と感じて頂いて、その上でお手伝いすることを考えましょうとお話しました。
半年ほど自走して頂いた結果、やりたいこと、課題が浮き彫りになり、そして夏の終わりからお手伝いに入りました。
商品名、価格、商品ページ、トップページとかなり大掛かりなリフォームを行い、秋冬の新商品の登録が終わったタイミングで、やってきたのが12月4日から11日まで開催された楽天スーパーセール。この1年間の総決算の想いで挑みました。
その結果が上図の通りです。200%には届きませんでしたが、楽天内の商品サーチはもちろん、楽天GOLDを用いてトップページから特集ページを整備し、外的なSEOにも注力を行いました。
惜しくも200%には届きませんでしたが、昨年の同時期と比較して売上は174%となりました。売上+174%をはじめ、アクセス+79%、転換率+48%、客単価+3%と全ての数値で前年を超えることができました。
売上規模は決して大きいというお店ではありませんが、ご一緒してからの5ヶ月間、広告費は遣わず、ページの整備、新商品追加、SNS活用で運営し、基礎体力づくりができたと感じています。
ここでも自分のやってきたやり方でもやれるコトはまだあると、とても嬉しい事例となりました。疲れの中にいい笑顔。こういうのが本当に楽しいですし、ECの醍醐味だなと感じます。
第16回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
そして2018年、本当にいろんなご縁や出会いをこのコラムをきっかけに頂きました。
ぜひぜひ今回のご感想・温かいお言葉もよろしくお願いします。
http://www.machicollege.jp/contact
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次回の更新は年明けになります。
2月から始まったコラムも今回で16回目!
どんな遠くへ行っても、「いつも読んでますよ!」とか「会えることになったので全部読んでから来ました」なんてことを言われることも本当に増えました。
Google Danceでも、読んでいると声をかけてくださった方もいらっしゃいました。
この場を借りて、すべての方々に改めてお礼を申し上げます!
間もなく連載1年!どうぞ次回も宜しくお願いします!