フェデックス:越境ECの事業拡大に際し、知っておくべき規制

フェデックス エクスプレス (FedEx Express)

越境ECは発展を続け、EC事業者は企業の規模を問わず、海外に事業を拡大することができるようになりました。オンラインでの受注を開始することは容易かもしれませんが、その次に何が待っているのでしょうか。特に中小規模のEC事業者は、商品の国際発送に必要な通関時の多くのハードルに対応する準備ができているのでしょうか。

越境ECでの受注の先にあるもの

世界全体の越境EC市場は今後2020年までの間に毎年、前年比20%以上の伸びが予測されています。フェデックスが調査会社に委託して行った、従業員数249人以下の中小企業4,543社を対象にした動向調査では、貿易を行う企業の40%が越境ECを活用しており、45%が今後も越境ECの活用率は増えると返答しました。しかし、貿易に必要な国際物流ネットワークやプロセスなどに対して、中小企業が単独で取り組むのはリスクが伴い、手間がかかる業務になりかねません。また、複数の国や地域の輸入に関する入り組んだ法規制への対応に関しても、同様のことがいえます。

物品の国際的な移動を鈍化させる問題の大半は、国や地域によって異なる法律、手続き、処理時間など、規制に関するものです。貿易の障壁が取り除かれたり緩和されたりすると、グローバルなビジネスを行うための費用は減少するのです。国際的な企業はいずれも、国境での手続きの簡素化や物品の免税限度額の引き上げなど、貿易上の障壁の緩和を求めています。国際商工会議所(ICC)も、世界的な免税限度額基準が最低200ドルになれば膨大な経済的利益がもたらされ、各国政府はこの基準を1,000ドルへと引き上げるよう努力すべきであると述べています。

国や地域で異なる、注意すべき物品

国や地域で異なる、注意すべき物品

無許可の武器、危険物、可燃性化学物質、不法薬物は、当然世界中で輸入が禁止されていますが、一見輸入禁止品とは分からない品目が多くあり、それが越境ECでも無防備な中小規模事業者を陥れかねません。例えば食品は、その制約の一部が検疫に関するものであり、注意すべき品目の一例は以下の通りです。

 ・オーストラリアは、肉製品および乳製品(ニュージーランド産を除く)の輸入を禁止し、生の果物や、未調理のポップコーン、ナッツも輸入を許可していません。
 ・中国は、米国産の牛肉および牛肉加工品の輸入を禁止しています。一方、ドイツは中国からの緑茶および紅茶の輸入を認めていません。
 ・シンガポールは、歯科口腔用および薬用(これらは許可が必要)以外のガムの輸入を禁止しています。

食品のほかにも注意すべき独特の品目が多くあります。ユニークな商品、あるいは画期的と考えられる商品を扱う場合は、他の国や地域へ輸出するために突破しなくてはならない文化的、安全上、または行政上の難関があります。以下に一例を挙げます。

 ・世界的な需要が増加している電子タバコは、貿易上の規制もあります。例えば、香港ではフェデックス香港のオペレーション、セールス、トレードサービス部門による事前承認がなければ輸入は認められません。 シンガポールは、電子たばこを禁止品目にしています。
 ・シンガポールは、ピストル形またはリボルバー形のたばこ用ライターも禁止しています。マレーシアは、注射器に似たペンや鉛筆などの輸入を禁止しています。
 ・米国は卵の形をした「キンダーチョコレート」の輸入を禁止しています。このチョコレートには食べられないおもちゃが入っており、子供にとって危険だと考えられるためです。
 ・同様にフランスでは、食品のような形状の消しゴムは飲み込んでしまう可能性があるとして輸入を禁止しています。
 ・受刑者による労働、強制労働、契約労働で作られた商品を米国に持ち込むことはできません。 また、囚人が製造した商品は、中国 と英国 にも輸出できません。
 フランスは、鉛塩でコーティングされた模造真珠や、難燃性ではない化学繊維で作られたパジャマなどの寝間着の輸入を禁止しています。
 ・携帯電話など無線送信装置に分類される電子機器は、香港 では輸入許可が必要です。

また以下は、気をつけるべき文化の違いの数々です。

 ・マレーシアはコーランの一節を印刷または複製した布の輸入を禁止しています。
 ・中国は、中国の政治、経済、文化または倫理に害を及ぼすあらゆる印刷物、映画、写真、記録、音声、映像、VCD、コンピュータストレージ媒体などの商品を禁止しています。
 ・インドネシアにも同様の要件があり、反イスラムの性質の資料や共産主義を推進する資料は禁止されています。また、漢字が書かれた物品の輸入を禁止しています。

こうしたリストは延々と続きますが、これらは各国特有の多くの規制の一部です。そのため越境ECでは、相手国を絞って事業を開始することが有効かもしれません。例えば、シンガポールに商品を出荷する方が、ロシアに出荷するよりも商材によっては簡単かもしれないからです。

海外のお客様への納品には、出荷費用を確認し、各国で異なる営業時間や祝日のような要素を織り込むことが必要です。また、通常輸送時間には、国境での規制上の審査に費やされる時間は含まれていません。

詳しい資料はこちら:https://ecnomikata.com/docrequest/service/219801/107/


スムーズな貿易へのサポート

輸入規制を理解したり、それに伴う書類作成を行ったりするための時間は、みなさんのビジネスを構築するための時間ではないことは明らかです。
世界のエクスプレス輸送に関する調査では、こうした要件の最新情報に通じるための高い費用は、eコマースを妨害し、さらには中小企業の存続さえも危険にさらすとされています。  
中小規模のEC事業者が貿易における困難を乗り越えるためには、グローバルな経験を積んだサービス事業者のサポートが有効です。フェデックスは複雑なプロセスの簡素化から、自動通関手続きサービスの提供、税関との連携、あるいは国際的なビジネス拡大に関する戦略的な物流アドバイスに至るまで、効率的にサポートします。


著者

フェデックス エクスプレス (FedEx Express)

総合航空貨物輸送会社であるフェデックス エクスプレスは、信頼性の高い国際輸送サービスを世界220以上の国と地域で提供しています。空路と陸路のグローバルネットワークを活用し、時間厳守が求められる迅速な貨物輸送、また、決められた日時にお届けする輸送をマネーバックギャランティー付きで行っています。(マネーバックギャランティーには所定の諸条件が適用されます)

ニーズに合わせて選ぶことができる各種輸送サービスに加え、お客様のビジネスをサポートする付加価値ソリューションやオプション、出荷作業の時間と手間を削減する出荷ツールも提供しています。

https://www.fedex.com/ja-jp/home.html