【第7回】後発参入でも支持されるカラコンECにするために考えたサイト企画とは
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2013年・・・Eコマース関連の業務経験ゼロ。PLも分からない。
ヒラの広告営業だった29歳の私が、東証一部上場企業で新規事業を立ち上げ、現在、事業部になるまで事業拡大することができた。夢みたいなお話。
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こんにちは、近藤です。
ご縁あってコラムを連載させて頂くことになり、もう第7回です。
本当にゼロからのスタートだった事業も、今では、売上12億超え、メンバー20名超えの組織となりました。事業計画、戦略策定、PL管理、人材採用、組織マネジメントなど、、、、事業の運営に必要なことを、たくさんゼロから経験しました。
今に至るまでに、私が経験した、数々の失敗や苦悩、一握りの成功や喜びや、学んだことを、このコラムで共有させて頂くことで、日々忙しく業務に追われている皆さまにとって、ひと時の気分転換になったり、時には共感頂いたり、少しくらい参考になったりすると嬉しいです。
今回は、ECサイトの企画を詰めていったお話です。
◆告知◆
5/24にECのミカタカレッジさんでセミナーを開催させて頂くことになりました。
『後発参入でも成功する通販事業の始め方。やり直し方。』(仮)
詳しくはコチラをご参照ください。
https://ecnomikata.com/seminar/21877/
これまでのお話・・・
少し前になりますが、第4回のコラムで、これから作るカラコンECの方針を決めました。
ターゲット:10代のカラコン利用予備軍と初心者
コンセプト:安心安全なスマートフォンで買いやすいカラコン通販
今回は、そのコンセプトを実現する、サイト企画を詰めていったお話です。
後発でも顧客に選んでもらえるEC企画を考える
私は、コンセプトを決めるときも、サイト企画をするときも、大事な判断基準は「独自性と優位性があること」だと私は思っています。
独自性:他にはない自分たちならではの独自サービス・特徴になるもの
優位性:サービス自体は他にもあるが、質として自分たちが勝るもの
完全な新規サービスでない限り、競合がひしめく中に後発参入するわけですから、既存の競合サービスよりも何か勝る理由がないと、私たちのサービスを使ってもらえません。お客様は既存サービスをそのまま利用されるでしょうし、むしろ、既存サービスのほうを選んで利用されてしまいます。勝ち目無しです。
ですから、独自性と優位性があることは、既存他社サービスとの「差別化」が出来、「うちのサイトを利用する理由」になると考えます。
ということで、今から私たちが考える企画には、
●競合にはないサービス(独自の新サービス)
●競合にあるがより使いやすいサービス(サービスは同じだが質が高い)
が必要です。
その観点で、サイト企画を考えました。
コンセプトを実現する手段が、企画
サイトの企画内容というのは、前述したコンセプトを実現するための「手段」になります。
よく、サイト企画がゴールになってしまうことがあると思いますが、あくまで手段として考えることで、コンセプトがブレないWEBサービスになると思います。
『カラコン初心者がスマホで買いやすい安心安全カラコン通販』 を実現するための手段である、サイト企画を検討しました。
今回のカラコン通販の企画は、「安心安全」「お得」「便利」の観点から、詰めていきました。
■安心安全
・日本での承認レンズのみ取り扱い
・カラコン知識コンテンツ
・カラコンHOW TOチラシ同梱(正しい知識の啓蒙)
・眼科名の記載欄を設ける/定期的な眼科受診の啓蒙
■お得
<クーポン機能>
・友達紹介クーポン
・通常クーポン
・チラシクーポン(買う度にクーポンが同梱されている)
■便利
・14時までの注文で即日発送
・チャットによる顧客対応でカラコン選びをサポート
・スマホに特化したUI設計
・カラコンの選びやすさに特化した検索機能
・カラコンイメージカタログ
まとめると上記のようになります。
それでは、それぞれの観点ごとに、ご説明していきます。
「安心安全」の観点で顧客に選んでもらえるEC企画を考える
安心安全の観点では日本の承認レンズのみを取り扱い、かつ、自社で承認の事実確認までやることにしました。
実際に医療機器登録のデータベースを確認し、ちゃんと登録確認が出来たものしか販売しないというルールを作りました。
また、初心者の人が買いやすいように「カラコン知識」や「相談ができるチャット」を設置。あとは、カラコンの正しい知識の啓蒙としてWEBコンテンツとしてはもちろん、すぐに捨てられないよう次回使えるクーポンを付けた同梱リーフレットを制作しました。
こちらは、当時同梱していたリーフレットの一部分です。
さらに、サイトでの購入時に任意ではあるものの眼科名の記載欄を設けるとともに、同梱リーフレットには眼科の情報も記載し、初診や定期的な眼科受診の推奨を行いました。
「お得」という観点で顧客に選んでもらえるEC企画を考える
お得という観点では、通常のクーポン機能(クーポン番号を発行するもの)に加え、初心者の人は身近な方から勧められて購入するという行動パターンから、「友達紹介クーポン機能」を導入しました。
会員は各自固有のクーポン番号を保有していて、それを友人が利用すると、紹介者にクーポンが付与されるというものです。
しかし、あえてポイント機能は入れませんでした。当時の女子高生とのグループインタビューで、「ポイントはどうせ貯まらないと思う。クーポンのほうが嬉しい」という声があり、若年層向けのサイトであると分かりやすく、特徴を出すためにもクーポンを主として顧客接点を持つことに決めました。
「便利」という観点で顧客に選んでもらえるEC企画を考える
便利さの観点では、チャット機能を導入しました。
カラコン初心者では、自分がどのレンズが似合うか分からず、選ぶこと自体にハードルがありました。それをチャットでサポートするというものです。商品1点を薦めるのではなく、どんな瞳になりたいかなど要望を聞いた上で、複数の候補をお伝えし、選んでいただくという方法を取りました。
そして、サイトのUIにおいてはスマホ主体で考えました。当時、競合のカラコン通販サイトは、まだPCとスマホ半々という感じで、スマホに特化したカラコン通販サイトはありませんでした。また、検索結果の出し方にもこだわったUI設計で、スマホならではの検索機能強化を行い「スマホで一番買いやすいカラコン通販サイト」を目指しました。
さらに、独自のサービスとして、カラコンをカタログのように選べる「カラコンイメージカタログ」を設置しました。片目はクリアレンズで、もう片方がカラコンという写真にすることで、一目でカラコンの雰囲気が分かるとい共に、それがフリックでスラスラと見ることが出来、まるでカタログで選んでいるかのような感覚で選択できる機能です。
この機能では、「写真の見せ方」と「操作性」の2点にこだわりました。
このような「写真見せ方」にすると、一目でそのカラコンがどれくらい盛れるのか分かりやすく、当時(5年前)とても好評でした。そのため、現在ではカラコン業界に広く普及し、一般的なものになりました。
「操作性」ですが、縦スクロールの中に横スクロールを入れることで、この部分は実際にお店で商品を選んでいるかのような感覚が表現できるように演出しました。今となっては、横スクロールは当たり前ですが、当時は、縦に長いサイトで縦にスクロールが一般的でしたので、こだわりポイントの1つでした。
ということで、「安心安全」「お得」「便利」の観点で、それぞれこだわって、競合にあるけどより使いやすいサービスと独自のサービスで構成された、サイト企画が完成しました。
あとがき
挿入しているキャプチャ画像は、この企画を元に作成された、OPEN時のものです。この企画を決める段階のお話あとに、デザインを決めて、このキャプチャのような仕上がりになりました。
次回は、サイトデザインを決めたときのお話をしたいと思います。
最後に、今回のサイト企画のお話は、5年前の立ち上げ時のお話ですので、今のMew contactは既に色々な変化があります。
告知
★1つめ★
セミナーを開催させて頂きます。
今回のコラムで書いたような、サイト企画を含め、私がカラコン通販をゼロから立ち上げた時に、どのように事業計画を立てたのか、そのノウハウについて、セミナーを開催させて頂くことになりました。ご興味のある方は、是非お越しいただければと思います。
ECのミカタカレッジさんで、5月半ば予定です。
『後発参入でも成功する通販事業の始め方。やり直し方。』(仮)
https://ecnomikata.com/seminar/21877/
★2つめ★
フリューカラコン事業部では、一緒にカラコンECを拡大してくれる仲間を募集しています!
詳細は、フリュー株式会社コーポレートサイトまで。
それでは、次回に続きます。