【ミレニアル世代】約7割が「ブランド価値よりパーソナライズ」を重視。20代男女の消費に関する意識調査

小林芽久未

スマートフォンを利用したアプリリサーチを得意とする株式会社テスティーでは「EC×若者」をキーワードに若年層調査・分析を実施し、若者の意識や消費行動を読み解きます。日々のサービス運営やマーケティングなどにおいて少しでも読者の皆様のお役に立てたら幸いです。

今回は20代男女1,096名(男性509名、女性587名)を対象に消費に関する意識調査に加えて、「シェアリングエコノミー」にフォーカスした調査を実施しました。調査結果をご覧ください。

ミレニアル世代の消費意識、男女で異なる消費意欲

まず、20代男女1,096名を対象に「お金をかけてもいい(もしくはかけたい)と感じるもの」を聞きました。

20代男性では、第1位が「本・漫画・雑誌」、第2位が「食料・飲料・菓子」、第3位が「ファッション用品」、20代女性では、第1位が「ファッション用品」、第2位が「コスメ・美容グッズ」、第3位が「食料・飲料・菓子」となりました。

また、男女ともに「旅行・アクティビティ」、「外食・交際費」もランクインしました。

男性は趣味のもの、女性は身だしなみにまつわるものに関して消費意欲が高いようです。

続いて、「シェアリングエコノミー」に関して聞きました。

「とてもいいと思う、いいと思う」と回答した人は、20代男性で51.9%、20代女性で60.0%と半数以上の若年層がシェアリングエコノミーに対して前向きに感じていることがわかりました。

「とてもいいと思う、いいと思う」と回答した人にその理由を尋ねると
・お金をかけたくないものにお金や場所を使わなくてよくなるところ(20歳男性)
・維持や処分に手間がかからないところ(26歳男性)
・保管するための場所や維持費を削減できる(24歳女性)
・購入前にシェアして本当に必要か判断できるから(27歳女性)
・無駄な費用がかからないし、試して気に入ったら購入という形がとれるから(28歳男性)
という意見が挙がりました。

一方、「あまり良くないと思う、全く良くないと思う」と回答した人からは
・人が使った物を使うことに抵抗がある(25歳女性)
・壊したりすると怖いのであまり使いたくない (28歳女性)
・人のものを借りたり共用するのが嫌いだから 「自分のもの」がほしい(25歳男性)
・他人の使い方などモラルが信頼できないから(29歳男性)
という意見が挙がりました。

そこで全員を対象に、買わずに短期のレンタルサービスやシェアで良いと思うものを聞きました。

男女ともに最も多かったのは「本・漫画・雑誌」、続々とレンタル・シェアサービスが参入している「自動車」「自転車」が続く結果となりました。また、男女ともに1割程度の人は「住居」と回答しました。従来の契約期間を設けないコリビング(co-living)やシェアハウスなどにも興味を持っている様子が伺えます。

続いて、ブランド価値について自信の考えに近い価値観について聞きました。

その結果、男性の60.7%、女性の78.6%が「ブランド価値より、自分に合ったものが欲しい」と回答しました。全体では70.3%と約7割が「ブランド」よりも「自分に合ったもの」、いわゆる「パーソナリティ」を重視していることがわかりました。

そこで、「集めているものやこだわっているもの」があるかを聞きました。
あると回答した人は男性で43.2%、女性で43.3%と男女ともに約4割となりました。

「集めているものやこだわっているものがある」と回答した人を対象に、その詳細を尋ねたところ

〈男性〉
・シリーズものは全種類集めないと気が済まない(27歳 男性)
・自分の好きなブランドの靴や服(25歳男性)
・自分しか使わないデジタル機器にはこだわっている(22歳男性)
・今乗っているバイクの部品やキャンプ道具など(29歳男性)
・デザインや自身の感性に合うものを集めている(28歳男性)

〈女性〉
・好きなキャラクターのもの(27歳女性)
・スキンケア用品 化粧品 肌にふれるもの(29歳女性)
・コスメの材料や食品の安全性にこだわっている(27歳女性)
・好きなモデルさんがプロデュースしているお洋服(22歳女性)
・好きなアーティストのグッズ(28歳女性)

など、男性は自分が気に入ったものやシリーズもの、女性は好きな人が手がけているものや、コスメ・スキンケア用品など肌に触れるものにこだわっていると言う回答が挙がりました。

最後に、ミレニアル世代の意識を 紐解くために「自分へのご褒美」と聞いて思い浮かぶものを自由に答えていただきました。

〈男性〉
・奮発して美味しいものを食べる(25歳男性)
・スポーツ観戦(28歳男性)
・欲しいゲームや本を買う(23歳男性)
・自分の趣味に投資する(25歳男性)
・普段考えないような旅行を検討する(22歳男性)

〈女性〉
・デパコスを買う(21歳女性)
・エステに行く、美容室でのトリートメント(25歳女性)
・海外旅行、美味しい食事(25歳女性)
・旅行、美味しいものを食べに行く、ライブ(24歳女性)
・欲しいけど我慢していた物を買う(27歳女性)
・ブランドバッグを買う(20歳女性)

「若者の〇〇離れ」など、消費行動に関して様々な見解があがる若年層世代ですが、「お金をかけたいと思うもの」に「旅行・アクティビティ」「外食・交際費」が男女共通でランクインしたことから、モノを「所有」することだけではなく、「体験」というコト消費に価値を感じている様子やブランド価値よりもパーソナリティを重要視していることが伺えました。

以上、ミレニアル世代の「消費」に関する意識調査の結果をお送りしました。

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調査概要
調査期間:2019年2月21日(木)〜2月22日(金)
調査対象:20代/ 男女 / 自社モニター会員
割付方法:1,096サンプル(20代男性509サンプル、20代女性587サンプル)


著者

小林芽久未 (Megumi Kobayashi)

平成4年生まれ。

株式会社テスティーの広報・ライターを担当。
若年層リサーチに特化したTesTeeにて、調査メディアの運営に携わり
女子高生や女子大生、10〜20代男女を対象に多様なジャンルにて調査を実施。
若年層マーケティングに助力するため、イマドキの若者の実態を発信している。

■企業情報
【株式会社テスティー】https://www.testee.co

■事業内容
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・プログラミング不要のチャット型ツールの開発・運営。
 「Fast Sonar(ファストソナー)」https://fastsonar.com
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