国際輸送の付加価値サービスを活用し、越境ECでの高評価の構築を
訪日外国人の増加で日本製品への人気の高まりが予測される中、越境EC事業に力を入れる企業や新たに参入する企業がみられます。個人で事業を新たに始める、または海外向けに事業を拡大するという人もいるでしょう。越境ECにおけるプレイヤーの増加は競争を激化させます。選ばれるECサイトとなり、生き残っていくには何が必要なのでしょうか。
越境EC市場で生き残るには
EC事業の運営には、実店舗運営と同様のビジネススキルに加え、サイト運営などの幅広い知識とスキルが必要でしょう。顧客の満足度を上げ信頼を獲得するためのブランドや、良い評価の構築も欠かせません。
商品を購入する前に過去の購入者の口コミなどを閲覧する賢い生活者が増える中、魅力的な商品や価格設定はもちろんのこと、商品の購入という経験そのものを良いものにしなければなりません。そのためには、もちろん配送にも気を配ることが重要です。
丁寧な顧客サービスで信頼を獲得する
購入した商品が予定された輸送時間で、安全に手元に届くかどうかは顧客満足度を大きく左右します。また購入した商品が汚れていた、また輸送中のものと思われるダメージが見つかりがっかりした、という購入者の、残念な口コミを見かけることもありますが、そのようなコメントはECサイトの評価やその後の売り上げにダイレクトに影響を及ぼします。
それでは、商品を海外に発送する際には何に気を付ければよいのでしょうか。米国では、越境 ECユーザーが配送に関して抱える課題として、「配送時間が長くかかる(40%)」、「配送コストが高い(22%)」、「配送状況(トラッキング)が確認できない(20%)」が挙げられています。加えて「宅配物の状態が悪い」や「思いがけない関税がかかる」という課題を挙げる越境 EC ユーザーの割合が、日本の越境EC利用者よりも高い調査結果(出典元:経済産業省 電子商取引に関する市場調査 報告書)があります。
しかし、商品を発送する際の書類作成や梱包作業には、知識が必要で時間がかかるケースもあることも事実です。発送の際に必要になる書類には、主に国際航空貨物運送状とコマーシャル・インボイスがあり、特に税関への提出が義務付けられているコマーシャル・インボイスは、必要な項目が正しく詳しく書かれていないと通関手続きに遅れが生じる場合があります。梱包は、海外輸送に適した梱包で輸送中のダメージを防ぐ必要があります。商品の形状や特徴によっては、特殊梱包やカスタマイズされた梱包材を使用する等、適切な方法を選ばなければなりません。
しかし特に小規模の越境EC事業者の現状は、このような貿易に関する知識を持った従業員がいないケースもあることでしょう。これらの発送業務を物流会社に任せるというのも一つの方法です。専門サービスを利用することで配送の遅延や梱包によるトラブルを回避する対策ができるからです。商品が予定された輸送時間内に良い状態で購入者に届けられることは、みなさんのECサイトでの購入経験の向上へのサポートとなります。