オリンピック目前!EC事業者が注意すべきアンブッシュ・マーケティング

吉崎 峻弘

売れるネット広告社 メディア部 SEMコンサルタントの吉崎峻弘(よしざきたかひろ)と申します。

いよいよ東京オリンピックまで8ヶ月となり楽しみにしているのですが、オリンピック開催時に合わせて何かしら新たなサービス展開を考えている方もいるかと思います。そこで、これからより監視が厳しくなると思われるアンブッシュ・マーケティングについてご説明させて頂きたいと思います。

オリンピックにかかる費用は?

オリンピック運営にあたりどれ位の費用がかかっていると思いますか?

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発表した、最新の2020年東京オリンピック・パラリンピックでの大会経費は1兆3,500億円と想定されており、内訳として東京都が6,000億円、国が1,500億円、そして大会組織委員会が6,000億円を負担する形となっております。

大会組織委員会の予算のうち、スポンサー協力金でTOPスポンサーが560億円、国内スポンサーが3,200億円、合計3,760億円で、全体費用の約30%近くがスポンサーからの支援金となっており大きな割合を占めています。

上記の通り、オリンピックにとって公式スポンサーは必要不可欠な存在となっております。

オリンピック関連の知的財産

オリンピック関連の知的財産は国際オリンピック委員会(IOC)が管理しており、五輪マーク、各オリンピック協議会のエンブレム、マスコットなどがあります。また、日本オリンピック委員会(JOC)としても「がんばれ!ニッポン!」のスローガンやエンブレム、「JOCオフィシャルパートナー」「オリンピック日本代表選手団を応援しています」などの公式呼称を知的財産として管理しています。

オリンピック関連の知的財産を自由に使うことは出来るのか?

費用の内訳にもあった通り、スポンサー協力金がオリンピックにとっては非常に大きな割合を占めており、協力金を支払っている公式スポンサーのみが、オリンピック関連の知的財産を使用できることになっています。

オリンピックのスポンサーシッププログラムは、以下の4階層から成っており、それぞれのスポンサーレベルに応じて権利行使が可能な期間が異なってきます。

① ワールドワイドオリンピックパートナー
国際オリンピック委員会(IOC)と契約します。TOPパートナーと呼ばれ、10年契約で1社あたりの契約額は、1年で平均約26億円と言われています。ワールドワイドオリンピックパートナーに関しては1業種1社という決まりがあり、同業種がすでにスポンサーとして登録されている場合はなれません。

スポンサー例)コカ・コーラ、株式会社ブリヂストン、パナソニック株式会社、トヨタ自動車株式会社、オメガ など

② ゴールドパートナー
日本オリンピック委員会(JOC)と契約します。オフィシャルパートナーより契約料が高くなっていますが、そのぶん特典も多く、企業の宣伝にJOCのシンボルアスリートを使用できたり、JOCホームページに企業ロゴを掲載したりできます。最長6年契約で、1社あたりの契約額は150億円以上と言われております。

今回の東京オリンピックではゴールドパートナー以降に関しては、1業種1社という制限は特例として排除され、同業種からも複数参加している業種もあります。

スポンサー例)アサヒビール株式会社、日本電気株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、日本生命保険相互会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ など 

③ オフィシャルパートナー
日本オリンピック委員会(JOC)と契約します。最長6年契約で、1社あたりの契約額は60億円以上と言われています。

スポンサー例)味の素株式会社、大日本印刷株式会社、リクルート、日清食品、東京海上日動火災保険株式会社、日本生命保険相互会社 など


④ オフィシャルサポーター
日本オリンピック委員会(JOC)と契約します。最長6年契約で、1社あたりの契約額は10~30億円と言われています。

スポンサー例)株式会社AOKIホールディングス、株式会社KADOKAWA、Google、清水建設株式会社、ヤフー株式会社など

上記の4つのスポンサーシップに登録されているスポンサーのみが、オリンピック関連の知的財産を使うことが可能となっております。

アンブッシュ・マーケティングとは?

オリンピックの公式スポンサーでは無い企業が、オリンピック関連の知的財産を無断使用、不正使用・不正流用し、自社のマーケティング活動を行うことをアンブッシュ・マーケティングと呼びます。

内容によっては記載の通り知的財産権や商標権の侵害、著作権法や景品表示法に抵触するなど、法律違反になる場合もあります。

アンブッシュ・マーケティングにあたる恐れのある内容は?

① 五輪マーク、各オリンピック協議会のエンブレム、マスコットなどの許可無き不正利用
② スローガンの「がんばれ!ニッポン!」「JOCオフィシャルパートナー」「オリンピック日本代表選手団を応援しています」の許可無き不正利用
③ オリンピックを彷彿させるワード「4年に1度の祭典」「目指せ金メダル」「東京2020」
④ オリンピックの標章を使用していないものの、類似商品のオリンピック会場付近での許可なき物品販売や広告活動

上記のような内容がアンブッシュ・マーケティングとみなされる可能性があり、場合によっては提訴される可能性も出てきます。

また、街中でも「オリンピック開催記念セール」「東京オリンピック応援定食」など、オリンピックにあやかったイベントや商品が提供される可能性も考えられますが、これらのサービスもIOC・JOCの許可がなければ、アンブッシュ・マーケティングにあたる可能性があるため、安易に行わないように注意しましょう。

マーケティング内容がアンブッシュ・マーケティングに抵触するか確認方法は?

アンブッシュ・マーケティングに関してはグレーな部分も多いため、以下の公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に直接問い合わせを行い、アンブッシュ・マーケティングにあたるかどうか確認を行うことをお勧めします。

【問い合わせ先】
公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
マーケティング局 ブランド管理部
brandmanagement@tokyo2020.jp

まとめ

オリンピックとは4年に1度の世界規模で行われる大イベントであり、「オリンピックにあやかったマーケティングを行いたい」というのは、どの企業も考えることでしょう。

しかし、オリンピック運営には莫大な費用が掛かっており、その多くがスポンサーからの協力金のもと成り立っているのが事実です。

そのため、多くのオリンピック非公式企業がアンブッシュ・マーケティングにて自社のマーケティングを行う事態となれば、オリンピックの公式スポンサーの価値が下がり、スポンサーシッププログラムも成立しなくなり、スポンサー離れが発生。最悪の場合、オリンピックの開催自体が行われなくなる事態も想定されます。

アンブッシュ・マーケティングを行い、大きな利益を生む可能性もありますが、それ以上に、訴訟問題となりブランドイメージが悪化し、売り上げの減少による莫大な損失になる可能性も大いにあります。

安易なオリンピック関連のマーケティングは行わず、法令に則ったマーケティング活動を心掛けるようにしましょう。

※ 参考 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 組織委員会およびその他経費
https://tokyo2020.org/jp/games/budgets/
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 スポンサー一覧より
https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/marketing/sponsors/
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 大会ブランド保護基準より
https://tokyo2020.org/jp/copyright/data/brand-protection-JP.pdf


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著者

吉崎 峻弘 (Takahiro Yoshizaki)

宮城県多賀城市出身。千葉工業大学卒業後、システムエンジニアや人材業界での営業を経験した後に、電通系Web広告代理店のDAサーチ&リンクに入社。アサツーディ・ケイの運用広告部門の立ち上げに参加し、大手消費財メーカーや外資系ハイブランドなどの大手ナショナルクライントを中心にWebプロモーションにおけるリスティング広告の運用に携わる。
ほぼ全ての案件で費用対効果を1.5倍以上改善し、3年目には単月運用額1億円以上を達成。
リスティング広告をはじめSNS広告やDSPなど、あらゆるネット広告を用いてクライアントの売上に貢献してきた、運用型広告のプロフェッショナル。
週末は一児のパパとして活躍しており、子供の保育園では保護者会会長及び保育園の理事として、保育園のイベント企画・立案・実施や、保育園全体の運営見直しなど、日々アグレッシブに活動しております!!
売れるネット広告社2019年度上期「成長賞」受賞。
通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)取得。


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